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香港デモ戦記

書名:香港デモ戦記
著者:小川善照
出版社:集英社
発行日:2020年5月15日
読了日:2020年8月21日
ページ数:256ページ
8月 :8冊目
年累計:29冊目

先日の周庭(アグネス・チョウ)が逮捕された事で
話題になっていますが、2014年の雨傘運動から始まった
デモの戦いの記録です。

日本では”民主化運動の女神”といった呼び方していますが
私はこうした呼び方が好きではないです。
当然、デモを多くの人に知ってもらう面もあると思いますが
その中身を知らずに、彼女を持ち上げ続ける事は
中共から標的にされるだけなので、すごく心配してます。

さて、香港で今何が起きているかを知っておく必要があります。
日本人も読んでおくべき1冊だと思います。

私、個人としては台湾・香港の動向に注目していて
過去の歴史を調べたり、中共が何をしようとしているのかを
米中戦争と合わせて勉強しているところです。

日本にいると他人事のように捉える人が多いですが
中国の内政だと思っていると、いずれ日本にも
同じような事が起きる気がしています。

尖閣諸島や南沙諸島の問題など
中国はジワジワと踏み込んできていますからね。

「香港は1984年の中英共同声明で、1997年の香港返還後も
一国二制度として、高度な自治を50年は維持できます」

そのはずなのに、中国がこの約束を反故にして
香港の政治・自治にどんどん介入している状況で
日本の様な民主主義が崩壊しつつあります。

これは危機的状況で本当にみているだけで
苦しくなります。

そうした現状を打破しようと立ち上がったのが
大人ではなくて、子供(雨傘運動の時はジョシュア・ウォンは17〜18才)。

55頁に彼の日本へ向けたメッセージが印象的なので
引用させてもらいます。

「日本には民主主義があるが、香港にはない。
だから、今、ぼくはここにいて戦っている。
日本の若者たちは、今ある民主主義を大事にしてほしい。
民主主義はどんな間違った政治でも改善することができる。
民主主義によって、政治は官僚たちだけのものでなく、
若者のものにもできるのだから」

先日の「香港国家安全維持法」
香港の民主主義が死んでしまうのかと怒りを覚えます。

現在も市民は「5大要求」を突きつけています。

(1)逃亡犯条例改正案の完全撤回
(2)デモを「暴動」と認定した香港政府見解の取り消し
(3)警察の暴力に関する独立調査委員会の設置
(4)拘束・逮捕されたデモ参加者らの釈放
(5)行政長官選や立法会選での普通選挙の実現

(1)については2019年9月に香港の政府トップの行政長官が
完全撤回を表明しています。
その他は、まだ未解決状態が続いています。

民主主義がない国はいずれ成長は止まり
衰退していくと思っています。

ただ、その過程で犠牲になってしまう人の
人生はもう戻ってきません。

だからこそ、早く解決して欲しい。
日本人として何ができるのか?

考えていきたいと思います。

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