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共存してきた ~整体師がやって来たこと⑭~

猫はかわいい。かわいいかわいい。そう思ってきた。いや、今もそう思っているけど。
でも共に暮らすことに慣れるまで、いや、慣れてからも、結構大変。

死にそうな子猫として現れた

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うっかり見つけてしまって、ひぃ、と小さな悲鳴を上げてしまったことを覚えている。
国保も使えない病人と出くわしたようなものだ。
1週間の入院生活費は獣医さんの良心から半額になったけれど、私の医療費の10年分にはなったと思う。お店をオープンして半年の私に重たくのしかかった。それでも、ここから10年、私は医者に行くことがなかった。
なにがどうなって帳尻が合うのかわからないなぁ、と思ったりする。

私だけの意見を話すのもフェアじゃないので、彼から見た意見も貼っておこう。


おしっこすら自分で出せなかった

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自分だって産まれて初めておしっこを出した時の事なんて覚えていない。
排便排尿は自発的なものだったのか、看護師さんや母が誘導してくれたのか。ママ猫もいないのならば私が誘導するのだろうと、水で濡らしたティッシュで股を突っついた。する場所はここだぞ、と猫砂の上に置いた。
本能も手伝って、砂の上でするのだな、と学んだはずなのに、大人になっても玄関や階段や床やクッションや布団でする。
これも本能なのだなと思うけど、ときどきわざとやっているときもある。
わたしが、きゃー、と叫ぶのが面白いようだ。
朝起きて踏んずけた時など、なぜ自宅でドッキリに引っ掛からなくちゃならないんだ、カメラも回っていないのに、と不貞腐れたくなる。

どこにでも登る①

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ブラウン管を卒業し、買ったばかりの薄型テレビだった。
戦慄が走った。

どこにでも登る②

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この後この高さから吐かれて、カーテンはゲーゲーだらけになった。

どこにでも入る

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洗顔後、タオルで顔を拭くと毛だらけ、ということはよくある。

テーブルの上で寝る

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邪魔だと言ってはいけない。怒るから。
ちなみにリモコンを枕にしている時はテレビが使用できない。

怒ると容赦なく噛まれる

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夫は動脈に牙が刺さり、噴水のように血が噴き出たことがある。

何でも落とす

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壊されたくない物は出しておかないようになった。
私の躾のためにやってくれているのだと思うようになった。
クリスマスツリーなんて、怖くて飾れない。

落ち着いて魚を食べれない

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必ず襲われるので、自分が食べるよりも先に、箸で取り分けて、召し上がって頂くようになった。

いつどこで怪我をしたのかわからない

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ある日家に帰ると、頭をすりむいて禿げを作っていた。
本人に聞いてもよくわからないと言う。聞くだけ無駄だったし本人も落ち込んでいたので、好物を差し出して慰めることしかできなかった。

テレビを独り占めする

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どんなに観たいドラマがやっていても、容赦がない。
どいてはくれないので、彼の背中越しに観る。

友達を追い返さない

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食費が3倍4倍になろうとも。
友達は入れ替わりやってくる。エンドレスだけど、それもまた楽しみになった。

ときどき付き合ってくれる

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無視とも言うけれど。いや、彼なりの譲歩なのかもしれない。

元々種族が違うのだと理解する

人間からすれば「何故そんなことを」と震えることがあるけれど、もともと種族が違う。猫は人間ではない。
それでも共に生きていく事を望むなら、相手を理解し、押し付けず、面倒くさがらず、尊重しなくてはならない。
人間と同じ生き方を希望するなんて、余計なお世話みたいでした。
人間だけが譲歩している訳ではなく、猫だって譲歩している。
外に出ようとしないということは、私にとってありがたいことだし、彼にとってはつまらないことだと思う。
一緒に生きることを、彼なりに決めたのかもしれない。
色々納得のいかないことも、お互いに譲り合ってやって来た。
寝ている時に顔を踏まれようと、痺れた足を枕にされようと、ビニール袋の持ち手がすべて食べられて吐き捨てられていようとも、私は彼と生きていく。そう決めている。

元々種族が違うのだと理解する:人間だけが快適なんて有り得ない

アフターコロナではなく、ウィズコロナと言われています。
共に生きていくために、自分の生活スタイルを変えて行かないといけないみたいよ。
そこさえ変えれば共存できるんだもの。
手を洗って、うがいをしてから、物を食べる。距離を取る。
猫と暮らすよりは楽かもしれない。



すごく喜びます(≧▽≦)きゃっ