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カンボジア・キリロム工科大学に行ってみた【前編】

2019年に次男と視察に行ったカンボジアのキリロム工科大学レポートです。海外へ行ってみたい!留学してみたい!という方の参考になればと思い、当時FBノートに書いたレポートをnoteに再掲します。

キリロムは当時と今では環境はずいぶん変わっていますので、このレポートは参考程度にしていただければと思います。

今のキリロムの情報はこちらをご覧ください。

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カンボジア・キリロム工科大学に行ってみた【前編】

2019年4月6日投稿記事

3/31(日)0:05am羽田発〜4/3(水)6:45成田着。
現地二泊の弾丸でカンボジアにあるキリロム工科大学(KIT)に行ってきた。
https://www.kirirom.info

前々から気になっていたKIT。理由は以下の三つ。

1. カンボジアなのに創設者は日本人の猪塚武氏である。
2. お金がなくても世界で通用する英語と最先端のIT技術を習得できる。
3. 大学1年生からインターンシップに参画。実践的を通してグローバル人材の育成を目指している。

カンボジアの国立公園に、大学を中心としたカンボジアのシリコンバレーを日本人が創るというプロジェクト。なんだかすごい!ことは分かるけれど、具体的に想像できず、「とにかく行ってみよう!」と思い立ったのが出発の2週間前。

流石に無理か??と思いつつ、ダメもとで問い合わせたら、なんとOK!

いつもは私の誘いに全くのらない次男坊に声をかけたら珍しく「行ってみたい。」と言うので、私の仕事と彼の部活への影響を最小限にとどめるスケジュールで弾丸ツアーを決行した。

練習試合終わってからの夜中出発だったのでタイで乗り換え。

部活からの空港からのタイで乗り換え。若いって素晴らしい(笑)

ということで、初カンボジア。大学は、プノンペンから車で3時間弱の山の中にある。プノンペン国際空港に大学からシャトルバスが迎えに来てくれた。

道中、KITのカンボジア人と日本人の学生を拾っておしゃべりしながら長〜い、そして、かな〜りスリリングなドライブを堪能。

アメリカ在住歴はあるけれど、他の国を知らない次男は、車窓から見える街並みに驚きの連続。

バイクは基本複数人で乗る

「うわっ!一台のバイクに人が四人も乗ってるの初めてみた!」
「車が逆走してる。。。交通ルールないの?」
「ゴミが多いね。。。」「なんだか、色々とすごいね。。。」

自分の世界が瞬間的に広がる感覚にワクワクと戸惑いの両方を感じている様子。
なんだかムズムズと嬉しかった。

三時間のドライブを経て、大学に併設されているvkirirom()という宿泊施設&リゾートに到着。雑多なプノンペンの街中から一変。松林の中に近代的な建物が点在して居て、軽井沢を思わせるような高原リゾート施設。

宿泊した施設。

滞在するバンガローの前にはおしゃれなプールもあった。

気温36度。とりあえずひと泳ぎ。

奥に見えるのが宿泊施設

到着した日は日曜日。大学が休みだったので、午後から大学近郊ツアーを依頼。いくつかの寺院や国王が別荘として使っていた建物など、合計7か所ぐらいの場所を2時間ぐらいかけて回った。ガイドのお兄さんが終始熱心に話してくれて、とても楽しい時間だった。

ガイドのお兄さんとのおしゃべりがとても楽しい

中でも印象深かったのがCoconut Schoolという小学校。

到着してまず目に入ったのが、子ども達が先生やNGOの人たちとペットボトルや瓶や缶をリサイクルして作った装飾。日本の企業もサポートしているということで、日本の国旗もある。

全てペットボトルで作られている。

子どもたちのロッカーも、サッカーのゴールもありとあらゆるものが廃材で、子ども達の手作り。この日も日曜日にもかかわらず、子ども達が集めた空瓶のラベルを剥がしたり、洗ったりしていた。

子ども達のロッカーも廃材を利用。

鍵もついている。

教室にはひよこも。

教室の様子

学校を創設したOuk Vandayさんにお会いすることができた。

国立公園の中には、無許可で住居を建て、そのまま住みついている人たちが大勢いる。親は観光客相手に商売をし、子どもはその観光客に物乞いをするということが長年続けられていたそう。そこで、Vandayさんが寄付を募りながら学校を作り、「子ども達には教育が必要だから学校に送ってほしい」と親を説得し、子どもたちが学校に通えるようになったということだった。

創設当時は資金もなくて大変だったが、最近ではSNSで取り上げらたこともあり、企業や個人からの寄付でコンピュータールームも作ることができたそう。それでも、雨季には教室の中が水浸しになることもあるそうだ。

コンピュータールーム。窓はガラス瓶。

Vandayさんに何が彼を突き動かすのか聞いてみたところ、「この国と子どもたちのために当たり前のことをしているだけだ。」という答えが。また、「子どもたちがここで学んでいるのは、知識ではなく、エコの概念や自然や世の中の仕組み。だから卒業というのもないんだよ。」とも話していた。

サッカーゴールもペットボトル。

自分達で学校を作らなくても、学校に行きたければ行ける環境にある日本。

ツアーガイドのお兄さんの話によると、学校に行きたくても行けない子どもは他にも沢山いて、それでも勉強したい子ども達はあえて、僧侶になる道を選んで学校に行くこともあるそう。

国立公園のあちこちに建ち並ぶ家。雨季には水が流れて川のようになるため高床になっている。

乾季で水も不足していて、おまけに電力も不足していて、宿泊施設もしょっ中停電。日本がいかに物やサービスが溢れていて、それでも「足りない」と感じてしまう自分達のあり方を考える機会となった。 


後編かこちらから