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本音をありのままに伝えられる信頼関係がいいTEAMをつくる!!(#朝渋 / 麻野耕司さん×島田由香さん イベントレポート)

4月5日の朝、麻野耕司さんの『THE TEAM』

出版に伴うイベント、
「THE TEAM」働く上で最も大切なこととは?〜 Aの法則〜 麻野耕司さん×島田由香さんに、Team WAA!を主宰する島田由香ユニリーバ取締役が登壇しました。
今回はそのイベントの模様をレポートします。

『THE TEAM』でチームのつくり方がわかる!

もともと朝型だったが、今週の5日間連続の朝渋のおかげで、今までよりも1時間早く朝日とともに起きれるようになってきたという麻野さん。

「個」の時代と言われますが、人間は一人では大きなことを成し遂げられません。
あらゆるものを人間はチームによって生み出していて、世界はチームで出来ていると言っても過言ではありません。
チームを通じて何かを成し遂げる喜びやチームを通じて誰かとつながれる喜びは、かけがえがないものです。
他方で職場の人間関係で苦しんだりすることもあり、人間を幸せにするのも不幸にするのもチームです。
どうすればチームをつくることができるのか、私達は学校でも職場でも教わる機会がありませんでした。
経営学・心理学・社会学といった学問的知見による示唆を体系的にまとめたのが『THE TEAM』です。
今週の朝渋では、ABCDEの5つの法則を順に紐解いています。

Aim(目標設定)の法則

今日はAim(目標設定)の法則で、これはとても大切です。
共通の目的があって初めて、チームはチームになれます。
3つの目標があります。

行動目標
成果目標
意義目標

たとえばチームについてわかりやすく伝えましょうというのが行動目標です。
行動目標では、事例を使いましょう・チャートを入れましょうというアクションがわかりやすいのがいいです。

成果目標の例は、10万部売る。最終的に手にいれたいものにあたります。

意義目標とはその先にある実現したいことです。
日本のチーム力を高めるなどがそれにあたります。
これがあることでブレイクスルーが生まれて、関わる人の自主性・創造性を引き出すことができます。

今までは定められた行動目標通りに行動する人がチームに求められていました。
もっとも、状況がどんどん変化していくので、最初にたてた行動目標通りに行動してもなかなかうまくいきません。
これからは意義からさかのぼって自主的に動く取り組みの取り組むことをメンバー自身ができなければ新しいチームに適応できない可能性があります。

Aimの法則については、目的やパーパスが大切だと対談させてもらったことがあり、チームに対する熱い想いをもたれているユニリーバ取締役の島田由香さんをお迎えしました。

WAAそしてTeam WAA!とは

Aimの法則の回に選んでもらったことが超嬉しいと島田さん。ほかの原則も素晴らしいのですが、チームについては悩みましたし、今でも悩んでいたりするからです。
チームの話に具体的に入る前に、島田さんはWAATeam WAA!についてもふれられました。

Team WAA!という活動をしています。
2016年7月からユニリーバでWAA(Work from Anywhere and Anytime)という仕組みを取り入れています。
どこで働いでもいいし、いつ働いてもいい。結果さえ出していればいい。
このコンセプトに共感する人達とともにTeam WAA!というコミュニティでも活動していて、毎月セッションを行っています。昨年Team WAA!のセッションでキングダムがテーマになった時のゲストに麻野さんにお越しいただきました。
*その時のレポートはこちらから

島田さんにとってのTEAM とは?

自分の所属しているところがグループなのかチームなのかという見方をもってみるといいです。違いはさきほど麻野さんもおっしゃっていたように、共通した目的があるかどうかですね。
共通する目的が行動なのか意義なのか、ここのレベル感が人によって違っていると混乱します。一人じゃできないことを成し遂げられるのがチーム。
このチームに属しているから、自分がもっともっと大きな役割を実践できるという夢にもつながり、エネルギーの源泉でもあります。
チームはとっても大事です。

TEAMを島田さんは次のように定義しています。

Trust     信頼
Engagement 主体的にかかわる。
Authenticity  ありのままでいる
Meaning   意義・意味

これらはTHE TEAMの5つの法則 と共通していると思いますと島田さん。

Meaningについては3つの段階があります。
1. 自分のやっていることに意味や意義を感じるかという観点。
2. 何人かでつくっているチームでやる意味・意義があるか。
3. 私がいて、このメンバーでこの場所でこのことをやっているから、世の中にどんな意味・意義を提案しているか。

私自身は、麻野さんのいう意義目標からすべて入る傾向があります。これに対し、自分のことからだんだん広げて考えないとわからない人もいますと島田さん。

意義目標やパーパスで、自分とチームはつながる

今日の島田さんのくれた観点でいい視点だと思ったのは、自分に意義目標とかパーパスがあるのが大切で、それがないと自分とチームがストーリーでつながらないというところです。
Facebookのマーク・ザッカーバーグがハーバードの卒業式のスピーチで、みんなパーパスを持つんだと話していますと麻野さん。

*マーク・ザッカーバーグ スピ-チ ハーバード大学卒業式 日本語字幕付き

正直にありのままに本音を伝えよう!

島田さんはこう話します。
気になる点が2点あります。
理念とかビジョン、ミッションがない会社はなくて、どの会社も素晴らしいことがかかれている。誰でも書けてしまうことが書かれていたりすること、そのことと自分がどうつながっているところまで落とせているのか。

今日から皆さんにやめてほしいことを言います。

わかってないのにわかったふりをすること
できないと言ってはいけないということ

言われないとわからないことがいっぱいあります。
こちらが心を込めて言っても伝わっていないことがあります。
みんな正直にAuthenticにありのままであってほしいです。
そうでないとTrustがありません。

これに対して、麻野さんは次のようにお話されました。
僕たちのチームを変えるきっかけになった言葉がTrueです。Trueには真実というよりも広い意味を持たせています。

弱音、本当に自分の思っていることを言ったら「いいTrueだね」と言っています。
本当はモチベーションが下がっている時にそれを言った方が解決に向かうので、弱音を吐くこともTrueです。
また陰口・悪口を言わないこともTrueです。
陰口って、自覚なく言っている人が多いです
そこでその人に面と向かって言えないことは陰口だと決めました。
その人にどれだけ面と向かってなら言ってもいい。そうでないなら言わない。
それだけでみんな幸せになりました。
メンバーから直接きついことを言われたときも「いいTrueだね」と思って受け入れています。
自分の知らないところで悪く言われていないということが幸せにつながっているのです。
弱音を吐く、悪口を言わない、嘘をつかない。いいTrueにより、いい関わりがお互いできるようになって、ちゃんと問題がお互いに認識できるようになり、一緒に考えられるようになりました。

相手の存在そのものをとても大切にして、Respectを持ったうえのTrueがあるとさらにいいですね。どんなに仕事ができなくても、そこにいるだけでも価値があることを認めてあげることが必要なことがありますと麻野さん。

陰口からTrustは生まれない

島田さんはこう言います。
一人ひとり解釈が違います。
否定ではなく、あなたの解釈はそうなんだね、でいいのです。
なんか違っているという時に出てくるのが陰口です。
私のチームに対する方針は一貫していて、言ってもらわないとわからないからということで進めていました。
ところが、陰であることないこと言われていることがありました。それを信じる人もいて悩んだけど、ほっておくことにしました。
いろいろとやりとりするなかで、いい意味でぶつかり合う。マナーとともに言いたいことを言う。これでしかTrustは生まれない。相手を肯定しているTrueというのは大切ですね。私も取り入れたいですと島田さんはおっしゃいました。

麻野さんとは価値観やものの見方や捉え方が同じだから、Trustがあるし、共感ができるし、安心感があると思いました。
嫌な相手、嫌いな相手に対しても、この人にも家族がいて、お子さんがいて、と思うとマザー・テレサみたいな気持ちになります。それにはある意味修行も必要です。
2年間くらいずっと許せなかったことがあったことをお話します。
すごく信頼していたけれども、裏で違っていました。
裏で違っていたということに、人から聞いてなんとなく気づいていたけど、それでも疑いたくなくて、きっと何かあったんだと信じ続けました。そうやってかかわり続けたけど、やはり結果として裏で違っていました。
それによる副作用も大変でした。それが人の耳に入り、そのことを信じられてしまいました。
人のことを嫌いにならないタイプなのに、それでも許せないと思いました。怒りの炎で燃えあがるような自分と、ここで怒っても仕方がないと冷静でいる自分がいました。

2年くらいたった時に、ふと「彼女も人の子なんだよね。お父さんとお母さんがいて、そのお父さんとお母さんにしたら大切な子どもなんだ」と思った瞬間に、「もういいや」と思えた時に、自分の心の中に幸福感が生じました。これを学ばせてくれるために彼女はいたんだと思えた体験でした。
その後はどんなことがあっても、この人も両親から大切に育てられた人の子なんだ、とどこかで思えるようになりました。

幸せに働くために

島田さんはこう言います。
みんな幸せでありたいと思っています。
働くということに幸せを結びつけるのは違うと思っている方もいます。
働くということは、つらく厳しく修羅場であると考えている人もいるのです。
その人達にとってはそれが真実。
ハッピーでいることが、最高に自分が一番いい状態でいられる条件の一つ。
日本は母親とか先生とか役割責任をまわりから期待される社会。
そうやって枠をはめるよりも、楽しい・Happyと言っている人が増えるようにしていきたいと私は考えています。

幸せに仕事するとか、仕事を感じながら仕事をするという前提は、仕事とかはさておき、自分がHappyかどうか。
幸せになるではなく、幸せであること。だからBeing。自分て誰?どんな時に嬉しくて楽しくて、どんな時に嫌な気持ちなのか。
そこしかないと思っていますと島田さん。

今毎日がすごく楽しいんです。昔よりも毎日がめっちゃ楽しいんですと麻野さん。
昔は何をやるかというTo doもそうだし、何を得るかというTo have が自分を動かす源泉でした。
昔はTo have。執行役員に最年少でなると研修の時に書いていました。社内でどう思われているか、経営陣にどう映っているかを気にしていました。
その後はTo do。執行役員になった後は、顧客を変える、社会をこう変える。売上を上げる、いつまでに時価総額をあげるとか書いていました。
そうしているうちにTo be、何が幸せでやっているんだろうということにに目が行くようになりました。
でも最近明確に気づいたのは仲間。仲間と一緒に熱い時間・濃い時間を過ごすことが大切ということに気が付きました。
社会を変えるよりも、仲間との時間を楽しくするために社会を良くしようと思うようになりました。仲間と一緒に進むことができていることに幸せを感じています。
仲間を大切にしていくことが幸せ。苦しい中でもみんなにとって意味のある体験にしよう。
全部の瞬間が仲間の幸せになっていると麻野さんは話されました。

Well-being(継続的幸福)とは

島田さんはこう話します。
その人にとって必要な学びは最善の時におこると思っています。
幸せの瞬間の連続で、幸せが続く状態につながっていきます。

麻野さんのその状態は、Well-being(継続的幸福)です。

Happyは、今この瞬間のポジティブな感情、楽しい・嬉しい・満足を表しています。
これに対し、Well-being(継続的幸福)とは、中長期的に継続して幸せ・居心地がよい。自分に自信が持てている。
Well-being(継続的幸福)の人は、いろんないい結果が出ていて、パフォーマンスが高い、収入が高い、長寿だと言われています。

Well-being(継続的幸福)の状態になるためには、PERMAという5つの要素があります。

1. Positiveな感情
2. Engagement
3. Relationship 人間関係
4. Meaning
5. Accomplishment 達成。熟練。
Achievementだと目標を達成して終わってしまう
そこに向かってやれている感じ、昨日よりも今日の方ができている感じがAccomplishment

きっと麻野さんはPERMAが高くなっているんだと思います。
麻野さんみたいな体験がチームメンバーすべてに起こったとしたら、本当に大きな違いが出てくると思います。

チームメンバーのことをどうやって知るようにしていますか

ここから質疑応答に入りました。
麻野さんは次のように答えられました。

ドラマや物語が好きなので、会社で働くこともドラマのようにとらえて、この四半期の物語をSTAGEで書きます。

STAGE
Situation(現状)
Trouble(課題)
Action(戦略)
Goal(目標)
Epilogue(意義)

心理学者の河合隼雄さんが
「自分の人生の主人公になれていたら、人は心を病んだりしない」とおっしゃっていますが、
こういうことを大切にしたいとか、この人にこの配役をしたらこの人が主人公になれるということを考えます。
必ずみんなが主人公になれるように配役して、お互いにめっちゃ大切なキャストだねというのが見つかったら、3か月間元気で働けます。

島田さんは、こう答えられました。
すごくよくメンバーのことを見ています。
キャリブレーションと言って、「聴く」ようにしています。
目で表情を見たり顔の動きをみたり、心を通わせます。
ホットボタンを見つけます。
輝く瞬間、光を放っている瞬間を見つけ、光を放つ瞬間を増やすようにアドバイスしたりする。
どれほど自分が光を放っている存在なのか、思っている以上に大きな存在なのかを気づかせるのがリーダーの役割だと思っています。だからキャスティングなんです。誰一人欠けてもダメだし、いてくれることが大切です。
どこかでみんな自分の評価を下げる。自己否定と自己卑下をやめましょう。
Feedforwardするようにする。つまり、相手のいいところを見つけたら、どんどん先に言うようにしています。

最後に一言

まず島田さんから。
朝渋の活動が素晴らしい!!
楽しいからエネルギーをもらえました。
皆さん一人ひとり花を咲かす。
花を一番咲かせられるのは自分。
ただまわりから与えられる刺激によってワーっと咲かせられることはあっても、咲かせるのは自分です。
チームの5つの法則は、それを実現する具体的な考え方とプロセスだと思うので、いいチームをつくって楽しくHappyに行きたいなと思います。

麻野さんからは、
チームの意義目標が大切だけど、一人ひとりが意義目標をもって、そこがつながる物語ができると最高だという話に共感できました。

この本の中にはTo doTo be がたくさん書いてありますが、自分がチームの中でどういう人間でいたいのか。Beingというのは誰にも左右されない。
最後にこの本を読んだ後にチームの中でどんな存在でいられたら幸せなのかを考えてもらえるといいのかな、という気付きが今日ありました。

***

この日は4月1日から5日間連続のTHE TEAMについての朝渋の最終日で、最後に麻野さんに花束が贈呈され、5日間の締めくくりにふさわしくイベントは終了しました。

イベントリンク

登壇者プロフィール

麻野耕司(あさの・こうじ)
株式会社リンクアンドモチベーション取締役 株式会社ヴォーカーズ取締役副社長 2003年 慶應義塾大学法学部卒業後、リンクアンドモチベーション入社。2018年 リンクアンドモチベーション取締役に就任。同年 同社からヴォーカーズに出資し、ヴォーカーズ取締役副社長に就任。リンクアンドモチベーションにて国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」、ヴォーカーズにて国内最大級の社員クチコミサイト「Vorkers」を展開。投資家としてHRTechを中心にビズリーチ、ネオキャリア、あしたのチーム、Fondなどに出資。主な著書に「すべての組織は変えられる~好調な企業はなぜ『ヒト』に投資するのか~」(PHPビジネス新書)。
「THE TEAM 〜5つの法則〜」はAmazon初登場1位、4月3日(水)発売。発売前に重版が決定し、3万部突破。

島田 由香(しまだ・ゆか)
1996年慶応義塾大学卒業後、株式会社パソナ入社。2002年米国ニューヨーク州コロンビア大学大学院にて組織心理学修士取得、日本GE(ゼネラル・エレクトリック)にて人事マネジャーを経験。2008年ユニリーバ入社後、R&D、マーケティング、営業部門のHRパートナー、リーダーシップ開発マネジャー、HRダイレクターを経て2013年4月取締役人事本部長就任。その後2014年4月取締役人事総務本部長就任、現在に至る。学生時代からモチベーションに関心を持ち、キャリアは一貫して人・組織にかかわる。米国NLP協会マスタープラクティショナー、マインドフルネスNLPトレーナー。日本の人事部HRアワード2016 個人の部・最優秀賞受賞。中学2年生の息子を持つ一児の母親。

文:宮崎恵美子
(Team WAA! プロモーションチーム)

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次回のマンスリーセッションは4月18日!
Team WAA! 4月セッション ” ポジティブ心理学超入門講座-パフォーマンスを高める最高のヒント“

申し込みは下記のリンクから
Facebookイベントを参加にし、
https://www.facebook.com/events/374372493405899/?ti=icl

Peatixで会場参加かリモート参加を選んで下さい。
teamwaa-april.peatix.com

🔹2019年度 Team WAA!マンスリーセッション日程
*やむを得ず、日程の変更を行う場合もございます。
*8月開催なし。7月にスペシャルイベント予定。
1月18日 金(初の大阪開催!)
2月18日 月
3月15日 金
4月18日 木
5月15日 水
6月17日 月
7月20日 土:WAA FES / キングダムカンファレンス
9月18日 水
10月15日 火
11月15日 金
12月18日 水
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