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受講生レポート:「じぶん軸ととのえ講座」第2回

10月26日(火)じぶん軸ととのえ講座の第2回目を開催しました。
テーマは「描こう。『人生』と『仕事』の理想像」

プロコーチである講師の扇本さんのワークは、問いと対話を大切にしたものです。普段は考えることのない新鮮な問いがたくさん出てきて、自分の内側にある思いを言葉にしながら、それぞれの理想像に向き合いました。

今回も、じぶんはたらき方講座の受講生によるレポートです。受講生目線のリアルな気づきや感情の動きを記しています。執筆は、3児の母で会社員の栗林梨紗さん。グラレコの全体像はページの一番下へ。


「ありがとう」「助かったよ」

今まではそう言われることが、仕事のやりがいだと思っていた。

みんなが幸せなら私も幸せ、みんなが笑っていてくれるなら、自分は少々辛い思いをしても大丈夫。そんなことを、本気で思っているタイプだった。でも、前回の講座で、心の底で求めているものは、まったく違うということに気づいてハッとした。

「迅速に、正確に、確実に、仕事をこなしたい」
それが仕事をする上で、一番大切にしていること。まるで、職人。

もし一日8時間で、何かを100個作らなければならない仕事をしているとしたら、100個作るのは当たり前。何なら明日の分も今日終わられるくらいの勢いで、仕事をしたい。もちろん、ミスなく正確に。

そういえば、小さい頃から「根気があるね」とか「集中力がすごいね」とか言われることが多かった。でも、私にとってそれは当たり前すぎて、価値があることだとは感じていなかった。

今まで、仕事や人間関係のストレスで苦しくなることや、頑張りすぎてしまうことがたくさんあった。若い頃には、心身のバランスを崩して退職せざるを得なくなって、地元に戻るという経験もした。
退職してすぐは、仕事を中途半端なまま投げ出して来てしまったことに、失望していたけれど、実家でゆったりと過ごす内に、自分が過労だったことに初めて気がついた。

それ以外にも、自分では頑張りすぎていることになかなか気づけなくて、気づいた時にはもう手遅れということが本当に多かった。
限界にならないと、無理をしていることに気づけないのは、どうしてなんだろう?どうしたら、無理をしている自分に、気づけるんだろう?それは、私にとって、長年の謎だった。

でも、前回の講座で、その謎がすっきりと解けた。
頑張りすぎてしまうのは、相手を軸にして自分の行動を決めているから。
「お客様のために」、「一緒に働く仲間のために」、「会社のために」…
相手のためにと思いすぎてしまうと、自分が感じているマイナスの感情を押し殺さないとやっていられない時がある。

そうやって、本当の気持ちを無視し続けている内に、自分が今何を感じているのか、どんな気持ちなのか、気づけないようになってしまったのではないか。

でも、誰かの役に立たなくてもいい。
「ありがとう」って言われなくてもいい。
だって、そこに私は本当の価値を感じていないから。

だから、もっと自由にわがままに自分軸で働いてもいいんだ。
そう気づけて、少し心が楽になったのが、第一回の講座だった。

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そして第2回目の今回は、「少しずつ未来を見ていく」ワーク。
投げかけられた3つの質問についての答えを考えていく。

・実現したいと思うこと
・心に秘めている情熱
・今の人生に欠けていること

うーん…、むずかしい。
きっと学生時代なら、こういうこと普通に語れたんだろうなと思う。

昔は、もっと未来を見て生きていた。
将来どんな仕事をしたいか、どんな大人になりたいか、どんな人生を送りたいか。若い頃は、もっと夢があったし、もっと夢を口に出していたような気がする。
でも、今は目の前にあることに忙殺されすぎて、未来を思い描いたり、過去を振り返ったりする時間が、正直言ってまったくない。

家事に育児に仕事に、やらなければならないことが山ほどあって、今日のタスクが終わったと思ったら、また明日になれば明日のタスクが始まる。本当に、目の前のことをこなしていくだけで精一杯。そんな私にとって、この3つの質問はとても難しく感じた。

その後、グループに分かれてシェア。

自分の言葉でゆっくり話す。
相手の言葉をじっくり聞く。

最近、こういう時間ってまったく持てていなかったと思いながら、同じグループの方達の話を聞いた。そして、それはとてもうれしいことだし、大切な時間だなと感じると同時に、子どもたちに対して申し訳ないとも感じた。

職場でこそ、一緒に働く仲間の声は一番に聞くように心がけているけれど、家では子どもたちに「ちょっと待って!」と言ってばかり。タスクに追われすぎて、ちゃんと向き合ってあげられてなかったな。もっともっと周りの人を大切にしなきゃダメだなと、そんなことを思った。

そして、キャリアに役立つ「わらしべ長者」のお話。
うちには、桃太郎や白雪姫はないのに、なぜかわらしべ長者とおむすびころりんの絵本がある。だから、もちろんストーリーは知っているし、真面目に働いてたらいいことあるよ、くらいの話かと思っていたら、色々と深い教訓があって、へぇーとなった。

そして、「自分にとって価値のない物でも、相手にとっては価値のある物かもしれない」というお話に、これまたハッとした。

前回気づいた私の職人気質。
自分ではそんなこと当たり前で、特に価値があることだとは思ってなかったけれど、これを価値のある物=強みとして使って行けたら、もっと自分を生かせる仕事や働き方に出会えるし、その中でもっと満足しながら仕事ができるんじゃないか。

私にとってのわらは、「迅速に、正確に、確実に、仕事をこなしたい」という職人気質なところだったんだ!

そして、「パーソナル・キャンバス」という2つ目のワーク。
すでに仕事をしている私は、今の仕事について書き出してみる。

これは、また次回につながるものらしいけど、今見返してみると、仕事をする上で、実際の業務と一緒に働いている仲間を思いながら書いてる事柄が多くて、この2つを特に大切にしているのがわかった。

あとは、どちらに対しても「信頼」という言葉がキーワードとしてあるのかなと思ったり、コストに対して報酬がすごく多くて、それだけ仕事から得ている物が大きいんだなと思ったり。

最後は、15分ほどのフリートークタイム。
オンラインだと、なかなか一緒に受講しているみなさんの顔を見ることも難しかったから、こういう時間を作っていただけたことがとてもうれしかった。

その中で、江村さんが「皆さんにとってのわらとアブは、何ですか?」という質問をされていた。
講座が終わった後、子どもたちのお迎えに向かいながら、車の中で一人で考えてみた。先ほども書いたように、私にとってのわらは職人気質なところだったり、集中力や根気。

じゃあ、アブは何だろう?
職人の人ってその道一筋で、頑固に伝統を守り抜くってイメージがあるけれど、私はそういうところには、たぶんあまり価値を感じていない。
それよりも、きちんと芯は通しながら、時代や状況に合わせて、柔軟に変化させていくことにおもしろさを感じているかもしれない。

新しい環境やチャレンジに対しても、恐怖心よりワクワクの方が大きいし、好奇心も強いタイプだし…。と考えていくと、自分にとってのアブが何なのか、なんとなく見えてきた。

私にとってのアブは、変化への柔軟性や好奇心。
そして、わらである職人気質なところは、先天的に持っていた気質。
アブである柔軟性や好奇心は、接客業をする中で、身につけてきた後天的な気質だということにも気づいた。

苦しくて、辛くて、辞めてしまった接客のお仕事だけど、自分にとって価値のあるものをちゃんと残してくれていた。
人生無駄なことなんて何一つないって言うけれど、あの苦しかった体験も、ちゃんと意味のあることだったんだと感じることができて、とてもうれしくなった。

そして、一見矛盾しているように見えるわらとアブの気質は、矛盾ではなく私の価値の幅を広げてくれているものなのではないか。
そう思えた時、「じゃあ、これをこれからどうやって人生に生かして行こうか?」と、少しだけ未来のことを思い描けるようになっていた。

writer 栗林梨紗

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グラフィックレコーディング 江村康子

まちの広告や team OHAYASHI(チームオハヤシ)です。すてきなデザインやことばで、まつりばやしのように、この街で活動するあらゆるひとたちを盛り立てていきたいと思っています。