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team KOIが出してきたアウトプット

徐々に山に行く週末を取り戻し、絶望的だった2020年夏の登山も、全くできない、というわけではないかもしれない。

前回の投稿の「team KOIが生まれたとき」にもあった通り、我々が集まったきっかけは、たしかに新型コロナウイルスの感染拡大だった。しかし、その当初の目的は、自粛を促進したい、ではなかった。

team KOIができた瞬間、まだメンバーの人選をしている段階で2人で話していたことは、「この登山自粛ムードをどう戻していくか、そして登山を社会的に是とするためには何をしなくてはならないか」だった。

初回のzoomミーティングのアジェンダには「解除メッセージ(段階的になるかも)に必要な医療・医学的情報と根拠」がゴールとして書かれていた。ミーティング開始5分でその目論みは、もろくも崩れ去ったのだけれども。

議論している中で、医療側のメッセージはより強固で、我々がマスコミで得ていた情報よりもより深刻だった。

ならば、自粛期間をより短期間で終わらせるためにも、この医療側のメッセージをきちんと伝えよう、ということで出来上がったのがヤマケイオンラインに寄稿した1回目の提言だ。

なぜ、いま「登山を自粛」なのか。その先の出口はどこにあるのか――。医師2名を含む、山を生業にする関係者8名の声

team KOIのメンバーのほとんどは登山業界の事業者側の人間だ。山小屋も、ツアー会社も、ガイドも、メディアも含まれるが、いずれにせよ登山者が増えてナンボ、の世界にいる人たちだ。

だから、どんな状況になっても、「はい、そうですか。では登山をやめましょう」というわけにはいかない。少なくとも長期的には。

だから、1回目のアウトプットが出た後も、どうすれば再開することができるのか、丹念に議論を重ねてきた。今は登山のガイドラインがいろいろなところから出ているけれど、議論を重ねた量と紆余曲折の曲がり具合ならどこにも負けないと思う。その結果、我々の役目は、「ガイドライン」を提示するのではなく、「みんながルール作りをするうえで、考える材料」を提示すること、という結論になった。「最後に自分たちを守ることができるのは、自分たちで考え納得して作ったルール」だと考えたからだ。

ヤマケイオンラインへの2、3回目の寄稿では、「準備にあたって」「登山中、下山後に気をつけること」に分けて、リスクマネジメントの提言を行なった。

登山を再開するために。「登山 withコロナ」のリスクマネジメント【前編】 山に登る前に・準備にあたって
登山を再開するために。「登山 withコロナ」のリスクマネジメント【後編】 登山中、下山後に気をつけること

登山というのは不思議なモノで、人によってこれほど捉え方が異なるものもないのではないか、というぐらい、定義が異なる。ある人はスポーツだと考え、ある人はレジャーだと考え、ある人は反社会的な行為だと考える。そして、それを常に内包してきたのがこれまでの、まさに「登山」だ。

ただ、ひとつ私に言えることは、そのダイバーシティこそが登山の豊かさの源泉だし、失ってはいけないものだ、ということだ。高尾山でハイキングしている人から、ヒマラヤで登攀している人まで、全員、「登山者」だ。こんなに幅広い定義を持つ言葉もなかなかないのではないか。

さらに豊かで、健全で、愉しく、お互いを尊重しあえる登山の世界を作っていくために、team KOIに何ができるか。コロナが、“禍”でも、これまでと全く違う登山をする“転換点”でもなく、これまでの延長線上にある、より良い何かへの変化のきっかけとなるように。

(山田淳)

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新型コロナウイルスの流行を機に、今後の登山活動を考えるべく集まった山を愛するメンバー。山岳ガイド、医師、山岳旅行ツアー会社、山小屋事業者、メディアなどそれぞれの立場から参画。日本の登山社会が健全に活発に発展していくよう、これからもさまざまな活動を行ないたいと考えている。