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GBP/USD 来週のポイント

  • ポンドドル は、反発したにもかかわらず、2週連続のマイナス

  • FRBとBOEの政策対比と英国のインフレ先行き不安がポンドの重荷に

今週の動き

またしても週足で下落となり、ポンドのブル派にはほとんど猶予がないかもしれません。
FRBとBOEの金融政策の相違と厳しい英国経済の見通しを背景に、ポンドドルは2年ぶりの安値1.1933からの回復を試みましたが、売り圧力に押されています。
来週は、重要な英国のCPIとパウエルFRB議長の証言に注目が集まり、ポンドドルトレーダーにとって新たな取引材料となりそうです。

ポンドドルは、重要な週の始まりに、リスクオフの流れが強まるとドル需要が高まりました。
先週末の米CPIの8.6%増を受け、FF金利の75bp引き上げ観測が高まり、世界の株式が大きく売られるきっかけとなりました。
FRBによる積極的な政策引き締めは景気後退を招く恐れがあるとの懸念が強まり、投資家の信頼が損なわれたことが要因の一つです。
一方、英国経済は4月のGDPがまたもやマイナスとなり、景気後退懸念を煽り、ポンドドルは火曜日に1.1933と2020年3月以来の低水準に下落しました。

水曜日、ポンドドルは、FRBが75bpの利上げを決定した後、2年ぶりの安値から急転直下で上昇しました。
このFRBのインフレ対策への決意は、債券市場に救済をもたらし、長期債利回りの大幅な引き下げを誘発し、最終的にドルを引き下げました。
木曜日には、ハト派的なBOEの利上げに触発された下落を1.2040レベルで抑えたため、ポンドドルの回復は加速しました。
BOEは、市場予想通り、主要金利を25bp引き上げ1.25%としましたが新たな経済状況に直面し、緩やかな引き締めアプローチを示唆しました。

ドル需要、利回り、リスク動向をめぐる構図は変わらず、スイス国立銀行(SNB)が50bpのサプライズ利上げを実施したことで、再びパニックが市場心理を支配することになりました。
BOEの予想レートもリスクオフムードに拍車をかけ、最終取引日に安全資産であるドル需要が復活しました。
英国政府がブレグジット協定の一部を覆す法案を計画し、EUが法的措置を取ると述べたことから、ブレグジット懸念が潜み、ポンドに重くのしかかった。1.2400レベル上で抵抗によりポンドドルは下落しています。

▼BOEレビューはこちら

来週のポイント

来週は、月曜日は米国が祝日のため、比較的軽いスタートとなります。
週明け2日間は、米国の中古住宅販売件数以外は主だった経済指標の発表がありません。

水曜日は、英国CPIの発表があり、英国のCPIは4月に前年同月比9%と40年ぶりの高水準となっています。BOEの利上げ予想に影響を与えるため、ポンドに大きな影響を及ぼします。
米国では、パウエルFRB議長が上院銀行委員会で半期金融政策報告書について証言する予定です。

木曜日は、英国と米国の製造業とサービス業のPMI速報値、パウエルFRB議長の証言の2日目も注目されます。

政治的な動きとしては、英国政府がブレグジット協定の一部を覆す法律を発表することも焦点となり、。英国に迫るブレグジットと景気後退のリスクは、ポンドのブル派にとっては懸念事項として浮上しそうです。

テクニカル的見通し

ポンドドル日足チャート

今週の水曜日と木曜日に回復を見せたにも関わらず、短期的なテクニカル的見通しでは、強気の変化を示していません。
水曜日と木曜日の上昇は、先週の高値も越えれず下落しており、紫SMAは引き続き下向きで角度も変化が見えていません。

ポンドドル4時間足チャート

4時間足では、紫SMAで抵抗に遭い反落しています。
上昇しても、紫SMAがまず抵抗として存在し、次に青SMAが抵抗となるかどうかが試さることになります。
サポートとしては、1.2200、1.2150付近が意識され、これがサポートして機能すれば、1.2400,1.2500に向けて上昇することも想定されます。

<参考>
紫SMA 60、青SMA 240、赤SMA 720、茶SMA 2880

TEAM MAGICIANS FINANCEはFXに限らず、幅広い投資に対応することを目的とし、マクロ経済を中心に、米国、英国、欧州、アジア主要国の経済動向を配信し、ファンダメンタルズ分析の基礎を学べるコミュニティです。

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