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U.S. and European Markets Topics  

マーケット概況 7月12日

各市場動向

米国株式市場
続落、13日のCPI控え売り優勢
ダウ:30981.33(前日比-192.51、-0.62%)
NASDAQ:11270.69(前日比-101.91、-0.90%)
S&P500:3819.74(前日比-34.69、-0.90%)

米国債券市場
2・10年債利回りの逆転幅、少なくとも10年3月以降で最大
米国10年債利回り2.9650%、米国2年債利回り3.0409%

NY原油先物
原油先物7%超急落、北海ブレントは3カ月ぶりに100ドル割れ
WTIも3ヶ月ぶりの安値を更新
WTI終値は前営業日比8.25ドル安の95.84ドル
北海ブレント終値は前営業日比61ドル安の99.49ドル

NY金先物市場
続落
8月限は前営業日比6.9ドル安の1トロイオンス=1724.8ドル

NY外国為替市場
ユーロ約20年ぶり安値、パリティは達せず
ドル円136.78、ユーロドル1.0030

VIX 
VIX指数上昇、27.52と前営業日の清算値26.17から1.35ポイント高い水準

経済指標

※()内は前回発表値、改は改定値
7月独ZEW景況感指数 ▲53.8(▲28.0)
7月ユーロ圏ZEW景況感指数 ▲51.1(▲28.0)

要人発言

鈴木財務相
「最近の為替市場で急速な円安進行がみられ、憂慮している」
「為替はファンダメンタルズに沿って安定推移することが重要」
「各国通貨当局と緊密な意思疎通を図り、必要な場合には適切に対応」
「過度な変動や無秩序な動きは経済金融に悪影響を与えうる」

イエレン米財務長官
「日米は世界的な食糧安保問題に取り組む」
「米国の見解ではG7諸国の為替相場は市場で決定」
「円買い支え介入の可能性は議論せず」
「外為市場介入はまれで例外的な場合のみ正当化される」
「足元の円下落、金利差で説明できる範疇を超えており投機的な動き」

日米財務相共同声明
「ロシア侵攻による経済的な影響が為替相場の変動高めており、経済・金融の安定に対し悪影響与えうる」
「G7・G20のコミットメントに沿って引き続き為替市場に関して緊密に協議し為替問題で適切に協力」
「適切な場合にはプライスキャップの実現可能性含めエネルギー価格の上昇抑制する方策を引き続き探求するG7の取り組みを歓迎」

鈴木財務相
「為替について日本の立場を説明して、イエレン氏に理解して頂いた」
「日米がより一層絆強め、難題解決に中心的役割果たすことで合意」

イエレン米財務長官
「為替介入はまれで例外的状況でしか正当化されないとの米国の見解に変わりはない」
「最近の円安を振り返ったが、為替介入や関連政策は協議しなかった」

バーキン米リッチモンド連銀総裁
「インフレ率は下がると予想しているが、すぐにまたは予測どおりには下がらないだろう」
「FRBの政策変更のペースは市場を低迷させている可能性」
「商品価格の下落もインフレとの戦いに役立つだろう」

ベイリーBOE総裁
「0.25%の利上げ以外の選択肢がテーブルにある」
「インフレ持続の証拠があれば、我々は力強く行動する」
「インフレは来年、急速に下がるだろう」

ニュースヘッドライン

ロシアの侵攻が為替変動高める、日米が適切に協力-財務相声明-BBG
OPEC、2023年の石油市場見通しを公表-ひっ迫緩和見込まず-BBG
ユーロは0.9ドルまで下落の可能性、ノムラのロチェスター氏が予想-BBG
独ZEW期待指数、7月は大幅悪化-2011年債務危機以来の低さ-BBG
米国債の逆イールド、2-10年債の差が10bpに拡大-07年以降で最大-BBG
米経済、成長鈍化に移行もリセッションではない=ホワイトハウス-Reuters
米インフレいずれ低下へ、進展のペースは予測不可能=リッチモンド連銀総裁-Reuters
英中銀総裁、インフレ率を目標まで引き下げると確約-Reuters
為替介入、「まれで例外的状況」でしか正当化されない=米財務長官-Reuters

概況

経済成長の鈍化とインフレの高騰を背景としたリスク回避の動きが、金融市場の主要テーマとして継続しています。
米国市場のオープン前にドルは勢いを失い、直近の上昇分を失い、殆どの主要通貨に対して小幅に下落して終えています。

ホワイトハウスの当局者は、6月の雇用統計を含む米国のマクロ経済データは景気後退と一致しないとの見方を示しています。労働市場の強さは、米国が低インフレと安定した成長に移行する上で、他の多くの国よりも有利な立場にあるとも述べられています。

米国主要株価指数はこのニュースを受けて上昇しましたが、終値ではマイナスに転じ、投資家は水曜日に予定されている米国のCPIに備えています。

米国債券市場では、2・10年債利回り差が5日連続で逆転し、2年債利回りが10年債利回りを一時12.4bp上回りました 。
米経済のリセッション(景気後退)懸念が広がっているためで、リフ ィニティブによると、2・10年債の逆転幅は少なくとも2010年3月以降で最大となっています。

NY外為市場では、欧州がエネルギー危機によりリセッション(景気後退)に陥るとの懸念からユーロが1ユーロ=1ドルの等価(パリティ)に迫ったものの、パリティには達しませんでした。市場関係者は「1.0000ドルに観測されているバリアオプションに絡んだ防戦買いが入った」とテクニカルな動きが背後にあったとの見方を示しています。

ポンド/ドルは1.1806で底を打ち、その後1.1900付近で推移しています。
英保守党1922委員会は、保守党首選の候補者8人を発表しました。
ベイリーBOE総裁は、25bpsの利上げに代わる選択肢があると述べ、来年はインフレが急激に低下するとの見通しを示しています。

商品関連通貨は、米国株式の低迷を受け軟調に推移、豪ドル/ドルは一時20年6月以来の安値を付けましたが、その後は持ち直し、0.6750付近で取引されています。

ドル円は、米長期金利の低下を受けて円買い・ドル売りが先行し、一時136.48円と日通し安値を付けましたが、米10年債入札後に米長期金利が低下幅を縮めたこともドル買い戻しを促し、136.88円付近まで戻して推移しています。
鈴木財務相は、来日中のイエレン米財務長官と会談し、両財務相は急速な円安が進む為替市場に関して「G7・G20のコミットメントに沿って引き続き為替市場に関して緊密に協議し為替問題で適切に協力する」との共同声明を発表しました。
為替介入に関する議論はなく、イエレン財務長官は「為替介入はまれで例外的な状況でしか正当化されない」と慎重な見方を改めて示しています。

原油先物は7%超急落し、北海ブレント原油先物は3カ月ぶりに100ドルを割り込んで終えています。
ドル高に加え、需要減速を招くおそれのある中国のコロナ規制、世界経済減速を巡る懸念が圧迫要因となり、北海ブレントは4月11日以来の安値、WTIも3カ月ぶり安値をそれぞれ更新しました。

今日の予定 7月13日

今日は、米国の6月消費者物価指数、独も6月消費者物価指数の改定値が発表され、インフレ率に注目が集まっています。
米国CPIは8.8%、独CPIは7.6%に上昇し、数十年来の新記録を達成すると予想されています。
米国CPIは、コアCPIの前月比の動きに注目です。

米国CPIのプレビューはこちら

それでは今日もよろしくお願いします。

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