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米国 6月消費者物価指数プレビュー

6月消費者物価指数(CPI)
(前月比)前回:1.0% 予想:1.1%
(前年比)前回:8.6% 予想:8.8%
6月消費者物価指数(コアCPIコア)
(前月比)前回:0.6% 予想:0.6%
(前年比)前回:6.0% 予想:5.7%

  • 市場予想では、6月もコアCPIは0.6%と見込んでいる

  • コアCPIが前月比で0.5%以下に低下すれば、経済が減速していることを示し、利上げ回数を減らす可能性も

  • 予想を上回る数値は、株価に大きな影響を与える

6月の米国消費者物価指数(CPI)も、コアCPIに焦点を当てることになりそうです。

エネルギー価格と食料価格は世界市場で設定され、コアCPIから除外されるため、中央銀行の金融政策はほとんど影響を及ぼしません。しかし、他のすべてのコストは、FRBが金融政策を介して影響を与える需要によって影響されます。借入コストの上昇は、お金を節約することがより意味を持ちます。

FRBは7月のFOMCで50bpまたは75bpの利上げを行うか、金利のピークはどこなのかなど、市場が抱えている疑問の答えは、米国のインフレがすでにピークに達しているかどうかにかかっています。

年間の物価上昇率を見ると、CPI前年比は5月に8.6%となり警戒されましたが、エコノミストは、エネルギー価格が5月に引き続き上昇したため、6月は8.8%への上昇を予想しており、店頭でのガソリン価格の高騰がCPIを2桁台の上昇へと物価を押し上げています。

コアCPIでは、年率で5月の6%から6月は5.7%と鈍化が予想されていますが、前月比は0.6%の上昇と予測され、年率換算すれば7%の上昇と同等となり、2ヶ月連続でコアCPIが前月を上回る上昇となると、インフレがピークに達していないことを意味します。

市場は、結果に対して素直に反応すると想定され、コアCPIの上昇は金利の上昇とドル高を意味し、借入コストの上昇は、貯蓄の魅力を高め、リスクの高い株式への投資を控えることにも繋がります。

1.予想通りの結果
コアCPI前月比が0.6%で予想通りなら、ドルにはプラス、株にはマイナスになると思われます。
これは、価格圧力が依然として高いことを示すだけでなく、市場の現在の傾向を示すものでもあります。
仮に、0.5%と言う結果になった場合でも、ドルは買われ続け、然程強くないにせよ上昇圧力を受け続けると思われます。
このようなシナリオでは、75bpの利上げを固め、長期金利の期待を据え置くことになります。

2.予想を下回る結果
前月比0.4%の上昇は年率換算で5%の上昇となり、前月を下回るため、インフレ率の低下、つまりピークを迎えたということを意味し、ドルは下落し、株価は上昇します。
この場合では、7月に75bpの引き上げではなく、50bpの利上げを行うとの見方が広がり、FRBがターミナルレートを3%未満に落ち着けるのではないかという憶測を呼び起こすことが想定されます。

3.予想を上回る結果
0.7%以上の意外な上昇となれば、株価には大きな打撃となります。
投資家は7月に100bpの急激な利上げを検討し始め、最終的にターミナルレートは4%に達すると予想し始めるかもしれません。
また、世界的な景気後退の懸念が高まり、安全資産であるドルへの資金流入を誘発することが想定されます。

上記の想定の中で、コアCPIが0.5%の上昇となった場合は、当初はインフレが予想より軟調であることを理由にドルが下落し、株価が上昇する可能性が想定されます。
しかし、投資家はそれが小さなミスであり、年率6%のコアインフレはまだ高く、さらに重要なことは、必ずしもインフレのピークを反映していないと評価すれば、結局はドル高・株安になり、トレンドが拡大することが想定されます。

6月の消費者物価指数(CPI)は市場にとって重要であり、非農業部門雇用者数よりも変動が大きくなることが予想されます。
インフレがピークに達したという兆候があれば、市場は安堵すると思われますが、コアCPIは頑強に高いままである可能性が高いと思われます。


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