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"真空管ソーラーは冬でも使える?" は、本当か?

太陽熱ソーラーの専門店、Team朝日エコです。
良く間違えられますが、「電気を作る」太陽光発電パネルではありません。「お湯」を作る「太陽熱利用給湯システム」の専門業者です。

今回の記事は、
「真空管タイプの太陽熱ソーラーは、給湯器無しで冬に使えるか?」 です。

沸かない時のフォローはどうするか?

結論だけ言うと、"給湯器は必要です"

【給湯器は、必要】です。

立て続けに、2件の問合せを頂いたお客様からの「声」が、キッカケでした。

給湯システム."太陽熱ソーラー"の種類?

太陽熱ソーラーは、以下の大きく三つのカテゴリーがあります。

【1】最も一般的で、スタンダードなのは、●自然循環の太陽熱ソーラーです。

最も一般的な自然循環の太陽熱ソーラー

【2】冬でも凍結しない不凍液を熱媒体として「熱変換」で、沸かすタイプの
●強制循環タイプ太陽熱ソーラーは、パネルのみ屋根に設置し、貯湯タンクは、地面に置きます。

不凍液で沸かす強制循環タイプの
太陽熱ソーラーは凍結はしません。

【3】保温効果が高いのは、
●真空管タイプの太陽熱ソーラーです。
●熱媒体として不凍液で熱変換して沸かすタイプもあります。

Chat GPTが作ってくれた
イラストイメージ、不凍液タイプも

この度の記事では、それぞれの細かい説明は割愛しますが、これらが "太陽熱ソーラー" の大まかなカテゴリー分けです。
当社は、それぞれのアイテムの取り扱いをしています。
太陽熱ソーラー専門店です。

真空管タイプの太陽熱ソーラーとは?

良く沸くと言われる「真空管の太陽熱ソーラー」は、「冬場でも使えると言われたので施工した。」と、昨年末に設置、使用中のお客様からお電話頂きました。

「冬場に使えると思って設置したのに、全然ダメだ。」と、、

真空管タイプの太陽熱ソーラーだと冬場も使えるのでしょうか?

結論から言います。
風呂場で使う温度上昇は可能か?と言えば、現実は、とても厳しいという事です。
もちろん、使える時もあります。

真空管ソーラーは、魔法瓶の原理で、保温効果高く、一般的にはよく沸く機種と言われています。

「高い保温効果!冬でも使える?」は本当か?

特に、太陽の力が弱くなる冬場の昇温と保温効果を強みとしてアピールされています。
日照が良い日が数日続けばですが、冬場はそうとも限りません。
なので、「真空管タイプの太陽熱ソーラー」であっても、現実、冬場は期待通りの沸きには至らない日は多くあります。

沸かない時、風呂へは無理!

先日、
岡山県久米南町の方、
広島県の湯来町の方から、
たて続けに、同じ様な相談がありました。

「真空管の太陽熱ソーラーは、冬場でも沸くので、温度の不足分を補う、ボイラーなどの "給湯設備" は要らない。」
との知人からのアドバイスを受け、太陽熱ソーラーを各所(風呂、洗面所、台所など)へ直接配管を敷設されたそうです。

給湯設備は設置せずです。

ところが、「良く沸く」とアドバイスを受けた「真空管太陽熱ソーラー」ですが、今の時期(冬場)は、さっぱりダメだとの事。

不足の温度を補う "給湯設備" を設置していないので、
娘さんから、「お風呂に入れない!」と怒られたと、ブーイング!の嵐!

LINEで問合せを頂きました

業者さんは、説明する時に、日常生活に支障をきたす、冬場の入浴が難しいとのアドバイスは、何故しなかったのでしょうか?

施工業者さんは、どうお考えだったのでしょうか?

沸かない!やっぱり給湯設備は必要?

それで、「太陽熱ソーラーを生かせる接続可能なソーラー対応給湯設備」についての相談を受けたという事です。

多くの湯が必要となる「冬」こそ"沸き"が必要!

多くの湯量を必要としない「夏」には、ムチャクチャ沸いて、大量の湯を余らし、

身体が冷える「冬」こそ、たくさんの湯が欲しいのに沸きが少ない??

当たり前ですが、お湯廻りは年間通じて快適温度で、安定して使えるのがスタンダードですよね。

真空管の太陽熱ソーラーを "水" から沸かす場合は、一般的な太陽熱ソーラーと遜色無い沸き具合です。
また、一般的な太陽熱ソーラーも、今は昔より保温効果はアップしていますし、真空管ソーラーは、それよりも更に高いです。

残った湯温度からスタート

ところが、前日の湯が残っている場合の真空管ソーラーは、保温効果が一般的な太陽熱ソーラーより高いので、その残り湯の温度をスタートとして再び太陽で沸かします。
なので、冷たい水から沸かすよりも、更に熱くなります。

太陽熱ソーラーの使用頻度が低い場合は、多くの残った前日の湯を再び沸かすので、沸騰する温度(100℃前後まで沸くことも?)に達する事もある様です。(※夏場)

沸き過ぎリスクとは?

沸くこと自体は、歓迎される事と思いきや、100℃近くに沸くのは、実は "リスク" です。
ソーラー設備を故障させてしまう事があるからです。

前日に沸いた多くの湯を残してしまう、使用頻度が低い場合は、あまりお勧めはしていません。

広島県湯来町の方は、セカンドハウスとして生活されるそうです。
生活するのは、週二回なので、夏場の故障リスクは高いと言えます。

沸き過ぎ問題とは?

100℃近くにまでの温度上昇の場合は、太陽熱ソーラーが沸く時に発生する膨張水を逃す "安全弁" の故障リスクが高まります。

毎日使う事が可能ならば?ですが、週二回ほどと、使用量が少なく、多くの湯を残す場合、
故障リスクは高いと言う事です。

給湯器へ接続する場合?

太陽熱ソーラーの湯の沸きが不足する時のフォローとして、最近は、給湯器への接続を望まれるお客様はとても多くなりつつあります。

例えば、熱く沸いた湯を "ガス給湯器" へ入れるのは、故障リスクがあるので、そのまま入れる事は出来ません。部材やユニット接続などの対策が必要です。

また、90℃越えの湯を、ボイラーに通すと "エラー発生リスク" が拭いきれないので、夏はリモコンの電源を、"OFF" にして使ってもらっているケースはあります。

水で温度を下げるミキシング弁?

その様な、面倒臭さを避けるためには、沸いたお湯を水で薄めて、温度を下げるために、"ミキシング弁" や "ソーラー接続ユニット" を取り付けて給湯設備に接続する方法もあります。

せっかく沸いたのに湯温を下げて給湯器へ接続

温度を下げれば、"ガス給湯器" や "灯油ボイラー" への接続が可能になります。
なので、
給湯器へ接続する場合、"ミキシング弁"
"ソーラー設置ユニット" 等を取付ける施工が推奨されてます。

しかし、お客様からは、せっかく太陽で沸いた湯を、わざわざ水で薄めるなんて、、?
それを再び沸かすなんて、、?
太陽エネルギーとしての意味が無いし、

エネルギーを捨てる様なもので、もったいないとのご意見も頂きます。

その通りだと思います。
せっかく沸いた「お湯」なので、それを有効に使って節約したいですよね。

水で薄めて、再び燃料を使うなんてナンセンスだとのご意見も、もっともかも知れません。

どちらを選ぶべきか?

夏場は、真空管太陽熱ソーラーの沸き具合と比較して、一般的な太陽熱ソーラーも負けてはいません。かなり多くの水で薄めて温度調整して利用するので、どちらも、夏場は問題無くたっぷり湯が使えます。
むしろ、余らす事の方が多いかも知れません。

しかし、給湯器へ接続して使う事を想定した場合は、沸き過ぎる真空管の太陽熱ソーラーは、対策をしないとリスクが高いと言う事です。

一般的な自然循環の太陽熱ソーラーと真空管ソーラーの、冬場の温度差も僅か10℃ほどです。どちらも、不足の温度を補う給湯設備が必要なのは間違いありません。

故障リスクや、せっかく沸いた湯を水で薄めない事を念頭に考える場合、どちらを選ぶべきか?との問いに対しては、
直接シャワーカランへ接続したり、風呂のみに落として使う事がメインの場合は、真空管タイプの太陽熱ソーラー、

給湯器に接続して使う場合は、一般的な自然循環タイプの太陽熱ソーラーの様な気がしています。
皆さんは、どうお考えでしょうか?

※追伸

●真空管タイプでも、
●強制循環タイプでも、
●一般的な自然循環タイプでも、
接続可能な給湯器はあります。

※地下水利用の場合は難しい場合があります。要相談です。
以下のリンクをクリック↓↓

この様な方法もあります。↓↓

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