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INTERVIEW with the artist 真っ新な世界に現した頭角 -人生の文脈をたどる- #3

"INTERVIEW with the artist 真っ新な世界に現した頭角"、クリエイティブ系制作チーム、team Alliesのメンバーが夢を持って挑戦するアーティストの方々にインタビューをさせていだだく連載コラム企画です。


INTERVIEW with the artist 第三弾。
今回インタビューさせていただいたアーティストは、書道アーティスト奈々香さん。
 
看板デザインや制作、商品ロゴなど、イラスト・絵画・書道系全般を全て手描きで手掛けられています。書道とアートを融合した作品や映画のセットなども作られています。書道・絵画・イラストなど汎用性が高いのを武器にデザイン&書道揮毫やイラスト&書道揮毫など複数のご依頼を一人でこなされている方なのです。
そんな多才な奈々香さんが、現在幅広い作品を作り上げるようになるまでの生き方をインタビューさせていただきました!
 
 
◆幼少期の性格
 
小さい頃から何でもしたがりでした。書道の他にピアノなども経験しましたが、すぐに飽きてしまいました。しかし、書道だけは何時間やっても飽きなかったですね。全国大会や合宿もずっと楽しかったです。小学生のとき10時間以上同じ字をひたすら書いていたこともあるくらいで、書くことが嫌になったことはないです。
 

Q.書道を始めたのはいつですか?
 
7歳のときです。その頃は友達と一緒に近所のそろばん教室に通っていました。
そろばん教室の本部で夏祭りが行われ、そろばん教室に併設していた書道教室によるパフォーマンスを見て、みんなの前でパフォーマンスをすることに刺激を受け、私も人前で書道をしたいと思いました。その場で母に頼み込み、書道教室に通うことになりました。
 

◆書道アーティストになった経緯
 
◇美術との出会い

始めたは良いものの、書道の世界には「書道は芸術であってはいけない」という暗黙の了解がありました。私はそれに違和感を覚え、中学校、高校に進学していくにつれ、次第に書道教室を離れていきました。
中学校まではテニスや水泳、柔道など運動系の部活に入っていました。だから高校では、今まで経験したことがない文化系の部活に入ろうと思い、美術部に入部しました。
元々絵を描くことは好きでした。しかし油絵を描くのは初めてだったのでイチから教えてもらいました。それが意外と上手に描けて、もしかしたら絵の才能があるかもしれないと思い始めました。

進路を決めるとき、私の高校は進学校だったので、高校までは散々勉強をしていました。勉強にも飽きてしまったので、美術大学に進学しようかなと思いました。
美術大学の試験は特殊なので、画塾に通わなければなかなか合格できません。しかしお金がかかってしまうので、学校の美術の先生に頼んで毎日放課後に絵を見てもらっていました。そのおかげで無事に美術大学に合格することができました。大学では油絵を専攻しました。
 

◇アパレル時代

大学を卒業後、当時はSNSが今ほど発達していなかったため、芸術の仕事をしようという発想はありませんでした。書道や絵画の次に興味があったアパレルの仕事をすることになり、店長をさせていただいていました。その間も頼まれた際には、副業で書道のお仕事をしていました。
 

◇本当にやりたいこと 

2018年夏、知り合いの空手家師範の方に空手と書道のコラボパフォーマンスをしないかとお誘いをいただき、守口市の夢フェスタで書道パフォーマンスを行いました。そのとき、見に来ていた方が泣いていて、短時間で人の心を動かすことの凄さに感動して、本当にやりたいことはこれだと思いました。それからアパレル職を辞め、書道アーティストになろうと決意しました。
 

◆書道アーティストとして手掛ける作品について
 
Q.現在の活動をしていて楽しかったこと、辛かったことは?
 
辛かったことはないですね。むしろ毎日めちゃくちゃ楽しいです。アパレル時代と違って全てが自分の選択次第です。自らやりたい仕事を選べるので自由に活動ができます。
 

Q.現在仕事で行っているシャッターアートと大学での油絵の違いはどのようなものですか?
 
画材が変わっているだけで描き方はほとんど一緒です。
ペンキはむしろ油絵より乾きが早く、描きやすいです。
美術大学で得た技術をもとに描いていて、書道だけではできなかったことだと思います。
絵の勉強やアパレル時代を経て、いろいろな社会を経験してきたからこそできる仕事であると思います。
 

Q. 書道とアートの融合はどんな瞬間に生まれたのでしょうか?
 
ずっとそのようなものを創りたいという思いはありましたが、書道の先生の「書道は芸術であってはいけない」という言葉がずっと引っ掛かっていました
教室では、先生の言われた通りにするのが基本であったのですが、それよりも、もっとこうしたほうがいい、自分の好きなように書きたいと考えていましたね。練習のときに半紙を横向きにして書いて怒られたこともありました(笑)
好きなようにできないのであれば、自分自身で書道はアートである、という作品を生み出そうと思って、書道と美術が融合された作品を創ろうと思いました。
自分自身が先生に指摘されたり、こうしなさいと決められたりすることが嫌いでした。だから先生をしたり弟子をとったりしないのかと聞かれることがあるのですが、多分私には向いていないなと思います。
 

Q.作品へのこだわりはありますか?
 
型破りなものがアートだと言われたりもしますが、自分のアートで型破りなことをしているつもりはないです。どんな作品を創っても誰にも文句を言われないように、書道や美術の基本はやっておこうと思いました。そういった基本のことを理解できているからこそ、きっと独学だけでは生まれなかった表現ができているのだと思います。あとは好きなことをやっているだけです。
 

Q.今の活動のなかでインスピレーション受けたものや参考にしているものはありますか?
 
沢山あります。いいなと思ったものすべてから影響を受けています。
特に、学生のとき授業で出会ったエゴン・シーレさん、クリムトさんの絵画作品が好きです。作品に込められた思いがストレートに伝わってくるからです。
 
 
◆作品への想い
 
私は絵画や芸術作品は自己中心的なもので良いと考えてます。作品に対する想いや、これが伝えたいという絶対的なメッセージ性はなくて、見る人に自由に感じてほしいです。その代わりに自分が良いと思うものや好きなものを取り入れています。
人それぞれ感じ方が違っていてもいいと思います。私の思いを人に押し付けるのではなく、見てくださる人の感性のまま何かを感じ取ってほしいです。
イラストなどのお仕事でデータを渡す際に、描いたものを全てお客様に送るようにしています。実際ほとんどの方が自分にとっては力作ではなかった作品を採用されます。面白いですよね。
それから、私は自分の作品に満足してそれを溺愛することはありません。手放して次から次へと新しい作品を作りたいと思っています。だからこそずっと作品を描き続けてこれましたし、きっと満足のいく作品を創ることができていたら活動をやめているだろうなと思います。


◆親御さんへの想い

幼いころからやりたがりの性格だったのですが、親から強制されて何かをしたことはなく、やりたいことはなんでもさせてもらえました。書道に関しても練習しろと言われたことはなかったです。
美術大学を受験しようと決めた際も、反対されるかと思いましたが、「高校から美術の学校に行けばよかったのに」と言われただけでした。こうして自由になんでもやってこられたのは、母のおかげです。
 

◆今後について

Q.これから挑戦したいお仕事はありますか?
 
アパレルブランドとコラボして作品を創りたいです。
以前はアパレルで販売をしていましたが、これからはどこかのブランドとコラボしてTシャツなどを作ってみたいです。
1番興味があるのはアパレルですが、書道や絵画だけでなく別の分野の方とコラボしてみたいです。
現在はエアリアルダンサーのシュリアースさんと何度かコラボパフォーマンスをさせていただいています。コラボをしなければ、書道や美術以外の別のジャンルを知る機会もありませんでした。
コラボをすることで、お客様により贅沢にパフォーマンスを見ていただけると思います。自分の作品だけでなく他ジャンルで好きなものの選択肢を広げてほしいと思っています。
 

Q.今後の展望や目標を教えてください。
 
これまで、流れるままに活動をしてきましたが、今までのなんでもやろうという、スタンス通り多くのことに挑戦していきたいです。
明確な目標はなく、探しているところです。とにかくユルく過ごしていきたいです。自分の作品を好きでいてくれている人もこのユルいスタンスが好きなのではないかと思います。


 
書道やイラストなど幅広く活躍している奈々香さん。幼い頃から活発な性格で、書道教室や美術大学での経験を経て、このような迫力のある作品が生まれているのがわかりますね。今後新たな挑戦をされて、どのような作品を生み出されるのか、楽しみです。
奈々香さん、インタビューさせていただきありがとうございました。

インタビュー・記事=Junka by team Allies

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