人生ツイているか

「これまでの人生は、ツイていると思いますか?」
オンライン面接で、何度もされた質問だ。

自慢じゃないがまともに就活をしなかった私は(本当に何の自慢にもならない)、面接の対策を知らない。一瞬だけいた某アニメ会社はコネ入社だったし、その後4年ほど勤めた日本語学校は、「今から面接来れる~?」「いつから働ける?」という非常にフランクな職場だった。
ちなみに、大学3年の頃に1社だけ面接を受けたが、案の定落とされた。

ライターとして活動するようにになった当初、クライアントとはクラウドソーシングサイトで文面のみでやりとりするだけだった。しかし、自分もわずかながらスキルアップし、「企業案件」なるものに手を出せるようになると、「オンライン面接」というものがついて回る。
なんとなく募集要項や企業サイトを見て臨むものの、毎度緊張してオドオドしてしまい、「あ~こりゃ不採用だろうな」と感じることも少なくない。

とはいえ、別にオフィスに出向いて日々顔を合わせ、さまざまな業務をこなさなければいけないわけではないので、不採用の理由は私のライターとしての力不足、もしくはほかにもっとよい希望者がいたということなのだろうが(知らんけど)。

話を戻すと、ここ数年で30回以上は受けたであるオンライン面接のなかで、7回以上は聞かれているのが「ツイていると思うか」ということ。
なぜこのような質問をするのだろうかと思って調べたところ、理由まではよくわからなかったが、とりあえず割とされることのある質問のようだった。

ちなみにこの質問をされるたびに、私は「ツイていると思います」と答えるが、正解がわからない。

「ツイている」と思う理由として、なんだかんだで行きたい高校や大学に進み、好きなことを仕事にできているから、と回答している。しかし、「ツイていないというとネガティブな感じがする」「挫折や不幸をあまり感じてこなかった」というのも理由だといえる。
私は特別何かができるわけではないし、大金持ちの娘でもない。平々凡々に毛が生えたような人間だが、それでも身の丈以上の幸せを与えられ、それを噛みしめられると自負している。

で、さきほどのような回答が正解かはよくわからないが、結局同じことを答えても落とされるときは落とされるし、面接時間を間違えて1時間遅刻した企業でも、お仕事をいただけることはあるので、結局のところ面接官が何を求めているのかは、わからないままなのだ(人間性?考え方?とある程度の予想は自分のなかでついているが)。

ちなみにこれ以上に嫌いな質問が、「長所と短所」だ。相手に「この人と仕事をしたい」「仕事を任せたい」と思わせるような魅力などないと思っているので、自分で語れるはずもない。短所についても、「子どもに怒りっぽいです」「実はなまけものです」などと、初対面の、しかも自分を雇ってくれるかどうかという相手に伝えたくもない。
まともに就活をしなかったのがいけないし、毎度聞かれるのだから答えを用意しておけという話だが、いい年をして人見知りなので、用意したとしても同じだろう。

それでも「この仕事やってみたい」と純粋に願っていれば、とんでもない面接でも採用していただけるので、やっぱり私はツイているんだなぁと思っている。

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