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■東京駅から始まるJR東 とベルメゾン 変革の時

・東京駅 常設店Disney Fantasy Shop に潜入
  

 兼ねてから、JR東日本と千趣会の業務提携に関連して、お互いの強みをどう生かすのかに僕は注目していて、JR東京駅 京葉線地下八重洲口改札前に向かいました。結構前の話ですけどね。

 ここでの話は『Disney Fantasy Shop by BELLE MAISON』がオープンし、潜入させてもらった時の話。

 初の常設店ですからここにどんな意図があるのだろうと、千趣会 取締役 佐野太さんに説明してもらったんです。


 佐野さんは元々JR東日本出身でディベロッパーの経験もあります。リアルを熟知する中で、その価値を生かすべく、彼はこのプロジェクトの第一線に立って考え抜いて、千趣会こそが最高のパートナーと選んでいる人だから何かしらの想いがここにあることを僕は知っていたからです。

 店内について説明するなら、52坪という広さを活かし、ずらりと並んだディズニー商品が壮観で、生活雑貨やレディース・キッズアパレル商品は幅広いラインナップです。「BED ROOM」「KITCHEN ROOM」なども用意するなど、シーン提案も抜かりない。

 また、投資しているなーと思ったのは、正面と右側の会計のところに大型モニターを数カ所に設置していたからです。ここでディズニーの動画を流すなどして、視覚的工夫を取り入れていて、リアルならではのメリットをフルに活かします。

・買うために訪れる拠点にする施策

 早速、佐野さんの話を聞く中で僕が注目したのは下記のような『ポイント還元』。それ自体は目新しいことではありませんが、ただそれを駅という特性に当てはめて考えてみると気づきがあるんですよね。

 駅は基本、移動場所。衝動的に商品を購入することが多く、目的買いをする場所ではありません。敢えてそこを覆すかのように、彼らはこの「ポイント還元」をフックにして、このお店の告知をメルマガ配信をJRE会員に対して行なっていたのです。

 こうすることでポイント還元を目当てに来ることになれば、それは「ついで買い」ではなく目的買いとなるわけです。それを試すためのポイント還元ってわけです。

 ここに駅としての価値の見直しがあるわけです。

 しかも、佐野さん曰く「実はメルマガ会員の方で、このお店で買ってくれたお客様は何をどう買ったのかわかるように設計して」リアルでありながらメルマガの効果検証をしっかりできるようにしています。

・商品作りの部分にも着目

 上手いなーと思うのは、JR東日本が千趣会を単純に通販企業として以外の価値も見出している点なんです。

 それは自社でものを作れるメーカー機能を持っている点です。

 その上で佐野さんの話にハッとされせられます。「JR東日本の商業施設は主に、食品を軸としたものが多く、雑貨に関しての商品開発はまだ得意とは言えない」と。

 考えてみてください。ベルメゾンショップは雑貨や家具などの製造に長けているんです。

 つまり、JR東日本の商品の幅の狭さをカバーして、商品企画や商品ラインナップの点で補完しているわけです。

・女性が駆け込む場所を生み出す為に

 それ以外でも、JR東日本は駅での女性の変容を実感して、子連れの母親に重きを置く姿勢にスライドしているんです。だからこそ、ベルメゾンとの業務資本提携だったりするのですが、 とはいえ、キッズアパレルなどの商品などを、東京駅のど真ん中でお店を構えるのは少々、やりづらい。

 だからこのような形態のお店なんです。(冒頭話したような)メルマガなど、お客様を狙い撃ちして、そこから、このお店を目指してくるような仕掛けなどを併せ持てば、東京駅のど真ん中でも、それが成立するんです。

 駅としての幅が広がることを意味するわけで、それを思えば、この常設店にかける想いは並ではないことがわかります。

 変わりゆくJR東日本は上手にベルメゾンの持つ通販と商品力の要素をたくみに、自分達と融合させて、彼ららしく経済圏として進化しようとしているというわけなんですよね。

 今日はこの辺で。

出典:145MAGAZINE 2021.11.01

ペンは剣より強しと言います。だから本気でここで書く一言、一言で必ず世の中は変わると思っています。そのあたたかなサポートが僕への自信となり、それが世の中を変えていくはずです。