【140字小説】地図にない国

トイレに入るたび地図が目に入る。息子が保育園の時から壁に貼ってある世界地図。今やもうここに描かれた国境線は過去の産物。無くなった国もある。名前が変わった国もある。僅か数十年で世界がこうも激変するなど誰が予想できただろう。新設された徴兵制により、息子は今この地図にない国の戦火の中。

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