【やんなる短歌】まとめ⑤
PCR検査 3首
結果待つ病院裏の駐車場
空の青さがひとごとのよう
診断のついた瞬間 私を
彼岸此岸の川が隔てる
浅はかな昨日の自分が笑ってる
あとはお前に全て託すと
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草むしり 1首
必要であるかのようにそこに居る
私のような雑草を抜く
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コロナ 3首
「大丈夫みんな罹っているから」と
罹っていないあなたが笑う
正常性バイアスが正常に働いて
何の備えもしてない私
こんな日もいつかは過去になるのだと
2年前にも誰か言ってた
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大型連休(迎える側) 2首
客布団しまい押し入れを閉めたら
夕日差し込むそこは日常
存在に慣れた頃には帰る頃
また半年後お会いしましょう
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日常 3首
挨拶もできひん奴らが
おじいちゃんおばあちゃん
などしている時代
スポ少の広場横目に通り過ぎ
動画見ている子の待つ家へ
幸せで膨らみすぎた風船の
空気吐き出すため息に乗せ
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最後に
ここまで読んで頂きありがとうございました。
どうしても明るい歌が読めません(笑)
明るく希望に満ちた歌は私にとっては眩しすぎて、遠い世界のフィクションのようです。
その(明るい)ラインまで浮上できない。常に深海で生きているような感じの毎日です。
でも深海は深海でそれなりに幸せなんですよ。暗さも温度も静けさもほぼ一定です。私は変化が苦手なので。←進化の過程で滅びがち(笑)
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