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【140字小説】欲しいのは言葉じゃなく

どんなに熱い励ましの言葉も、完全無欠の正論も、
ただ隣で手を握り話を聞いてくれる人の「辛かったね」には敵わない。
だから母はあの日、教祖様と逃げたのだろう。

今なら僕にもわかるよ。
願わくば今、貴女にこの手を握っていて欲しかったな、母さん。

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