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【1話完結小説】休日の洗濯物

晴れた休日の朝。
光の中で揺れる洗濯物を見るのが好きだ。

汚れと一緒に慌ただしい平日のしがらみもすっきり洗い落とされたかのようなブラウスやスカートやタオル。
時おり気持ちいい風が吹き抜けて、踊るようにゆらゆら揺れる。
柔軟剤のいい香りがあたりにふわふわ漂う。
今週も一週間お疲れ様。
やっと楽しい休日が始まるよ。
思い切り羽を伸ばそうね。
…それはそうと柔軟剤、変えたのかな?
僕は先週までのフローラル系の香りの方が好きだな。
それからこのタンクトップも色が少し派手すぎやしないか?
あんまり派手な服を着ていると変な男に目をつけられそうで心配になってしまうよ。
君は僕だけの天使なのだから。

晴れた休日の朝。
光の中で揺れる君の洗濯物をこっそり見るのが、僕は好きだ。

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