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【散文】日が暮れると安心する症候群3

幸せを受信するアンテナが
壊れているロボット
この社会ではそれを
「不良品」と呼ぶ

外でバーベキューしたい人たち
店で焼き肉を食べたい人たち
前者と後者を戦わせたら
圧倒的に前者が勝ちそうな気がするのは
なぜだろう
すでに僕らは気持ちで負けてるんだ
とぼとぼと炭を買いに出かける

嫌いなら嫌いと思っていいんだよ
ただ
それを周りに決して悟られてはいけない
うまく生きるためのアドバイスさ

三度の食事と本だけ下さい
そしたらそこの懲罰房に
大人しく篭っていますので
===
ネットニュースのコメント欄には
聞いてもいない自分語りが溢れてる。
「私の時はこんなこともありました」
「私はこうされて嫌だった」
だけど
それを見てこの世界の誰か一人でも
安心したり参考にしたり救われたり…
そんな可能性があるのならば。
私ごときが
「聞いてもない自分語りが溢れてる」
なんてしたり顔で言うものではないのだ。
ごめんなさい、もう軽口はたたきません。

夏が来ても秋が来ても
私の温度はずっとおんなじ

どこまで行っても追いかけられている
振り向いても鬼はいないけど
それでも時々見えないところから
頭を叩かれたり足を引っ張られたり
どこまで行っても追いかけられている
今だって
===
深海魚のように
水圧を背負って暗い場所で
生きる術を身につけた。
そんな私を見つけ出して
「素晴らしい進化だ!」と
褒め称えてくれる、
そんな研究者がくるのを
ずっとずっと待っている。

いろんな啓蒙活動が功を奏して
みんな、人当たりが良くなった。
自分と違う人に
みんな、キツイ言葉をかけなくなった。
ニコニコ笑って
「君はそういう考えなんだね」
「嫌ならやらなくてもいいからね」。
それはすごく自由で、傷つく人が減って、
いいのかもしれない。
僕にとってもありがたいよ。
だけど、時々すごく不安になるんだ。
みんなニコニコ笑いながら
この先どこに向かって行くのだろう。
===
「いじめられたからこそ君は
人の辛さがわかる人間になれたんだ」
なんて気休めはやめてくれよ。
人の辛さがわかると、
この世界は余計に生きづらくなるんだぜ。

社交辞令を間に受けて本気で断ってしまった

お金があったらなぁ
なんて言ってる奴は
お金をあげても
たいして変わらない

枯れた花も綺麗だ、って
この世界では誰も言わないから

すみません、もう帰ってもいいですか?

日が暮れると安心する症候群

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