【詩】ギブアンドテイク/小瓶
ギブアンドテイク
giveしてgiveしてgiveして
giveしてgiveして…
そしてやっと1回takeして貰える
それくらいの確率なんだ
ってことがいまだに分からない
馬鹿なあなたと馬鹿なわたしに冬がくる
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆
小瓶
整腸剤の入っていたような
透明な小瓶を差し出して
「この瓶に入るぶんしか
持って行けないのよ」
お母さんがそう言ったから
僕はその夜一睡もできず
何を入れるか悩んで悩んで
やっとの思いで詰め込んだ
故郷の町からこの場所へ
持ち出せた唯一のもの
ドス黒く変色してしまった
その中身が何だったのか
今はもう全く思い出せないけど
本棚の隅の小瓶が目に入る度
僕はあの日のお母さんの笑顔を
浮かべて
不意に泣きたくなるのです
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