【詩】空白/物語
空白
真っ黒い心のどこかに
まだ空白が残されているという
そんなおとぎ話を信じて
今日も僕は旅路を行く
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…
物語
現実が辛いと
映画や小説に逃げ込む
この国のどこかが舞台の
少し不幸で悲しみ漂う物語
辛いのは私だけではないのだと
主人公に共感し安心する
やがて
物語が終わる頃
主人公は愛を見つける
救いの兆しが描かれる
バッドエンドだとしても
死をもって解放される
また一人ぼっち
取り残された私は
良かったねと泣きながら
所詮物語は物語なのだと
辛い現実に
引き戻されて行くけれど
そんな私の不幸な現実もまた
あなたから見れば
所詮物語に過ぎないのだろう
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