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【1話完結小説】空飛ぶストレート(407文字)

舞の学校に伝わる七不思議のひとつ、“空飛ぶストレート”。
放課後、誰もいない5年2組の窓の外をストレートヘアの生首が横切るらしい。

そんな訳で舞たちは5年2組になった時、「こわーい!」などと大騒ぎした。
しかし2学期も終わりに近づいたこの時期まで、誰ひとり生首の目撃者は現れなかった為、その話題も自然と忘れ去られていった。

ある放課後。
舞は友達との交換日記を机に忘れた事に気付き、取りに戻る。
薄暗い教室で交換日記を机からサッと抜き取り、そして何気なく窓の外を見た。

何かがゆっくりと横切る。右から左へ。消えたと思ったら今度は左から右へ。
サラサラのストレートヘアをなびかせた少女の生首だった。

「いいな…」思わず呟く。舞は最近自分の天然パーマを気にしていたからだ。

「じゃあ変わってあげる」生首が急にこちらを向いてニタァと笑った。

翌年以降、学校の七不思議は「空飛ぶウェーブ」に変わっており、舞の髪はサラサラストレートになっていた。

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