「ファビング」を考える:マインドフルネスとコンパッションでつながる食卓へ
こんにちは。
Teachers代表の中場牧子です。
マインドフルネスを基盤にしたデジタルデトックスのプログラム「デジエット」づくりを手掛けています。
それで、しばらくの間は「マインドフルネス×デジタルデトックス」をテーマに書いていこうと思います。
それでは早速ですが、
「ファビング」という言葉をご存じでしょうか?
これは、Phone(電話)と、snubbing(冷遇)を組み合わせた言葉で、目の前の人よりもスマートフォンを優先する行為を指します。例えば、友人と食事をしているときにスマホに意識を奪われてしまう、これが「ファビング」の典型例です。
この行動は、相手とのつながりを感じさせる大切な時間を奪い、人間関係に目に見えない溝を生む可能性があります。
前回が取り上げた味の素が、昨年より行っている取り組み、「飯スマホやめ~い」も、ファビングの一形態といえます。食卓というつながりの場で起こるこの現象は、相手との関係を冷え込ませるだけでなく、自分自身も食事の楽しさや満足感を見失う原因となります。
「ファビング」と向き合うマインドフルネス
マインドフルネスとは、「今ここ」に意識を向けること。食事中にスマホを手に取ろうとするその瞬間、自分にこう問いかけてみてください。
「私はなぜ今、スマホを触りたいんだっけ?」
もしかしたら、退屈や不安感を埋めようとしているのかもしれません。この問いかけを通じて、自分の行動の背景に気づくことで、スマホを手にする代わりに、目の前の料理や相手との会話に意識を向ける選択ができるようになります。
コンパッションでつながりを取り戻す
一方で、目の前の相手がスマホを手放せない様子を見ると、不快に感じることもあるかもしれません。そんなとき、直接的に注意するのではなく、「この時間を一緒に楽しみたい」という自分のニーズを認めて、その気持ちを伝えてみることが効果的です。これは、他者への思いやりや配慮を意味する「コンパッション」の実践です。
また、相手の行動の背景を想像してみることも大切です。
「何か大事なメッセージを待っているのかもしれない」
「ストレスが溜まっているのかもしれない」
といった視点を持つことで、一方的な批判的から共感的な理解へと切り替えることできるかもしれません。
食卓をつながりの場に
私たちが日常的に行う「飯スマホ」や「ファビング」は、知らず知らずのうちに大切な時間や関係性を損ねてしまいます。だからこそ、食卓をもっと豊かな時間にするために、次のような小さな工夫を取り入れてみるのはどうでしょう。
食事中はスマホをテーブルから外し、目の前の人や料理に集中する。
食事の前に「今日の感謝」をひとつ共有する。
食事の最後に「一番おいしかった料理」を話し合う。
これらの取り組みは、ただスマホを遠ざけるだけでなく、食卓の喜びを取り戻すものです。
ファビングを手放し、共にある時間を楽しむ
「飯スマホ」や「ファビング」の問題は、現代のデジタル依存を象徴するものです。しかし、この問題を解決することで、私たちは食事の時間を単なる栄養補給ではなく、人とつながり、自分自身と向き合う豊かな時間に変えることができます。
マインドフルネスで「今ここ」に戻り、コンパッションで相手とつながる。この二つの視点を取り入れることで、食卓はさらに特別な場所になるでしょう。そして、そのつながりは私たちの心を満たし、未来の人間関係をより良いものへと導いてくれるはずです。
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