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第34回 村長散歩日記【日常散歩編】 231203(週末配信)

 
(島田啓介マインドフルネス・ビレッジ村長による村長日記です♪)
 
 出張+風邪でこの2回ほどお休みしました。体調を崩して寝込むという経験がこの数年ほとんどなかったので、久しぶりに病気という感覚を思い出しています。若いころは入院ばかりだったけれど、最近は強健となり、体調を崩して欠席することが滅多になくなりました。その滅多があったわけですが、年齢も感じます。しかし年齢という思い込みにも幻惑されないようにしたいものです。
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写真は全て島田啓介村長による提供です。

【第34回:マインドフルネスと平和】


 
*平和と聞くと、今も続いている戦争のことをおもう。ニュースには心穏やかではいられない。今はどんな情報もネット検索で上がってくる。写真や動画もそうだ。そうした刺激過多の中で、オフラインの時間を意識的に設けないと神経をすり減らしてしまう。
 しかし一方で、無関心になるスピードも速い。情報は次から次へと蕩尽されるからだ。情報とはそういうものだ、と言ってしまえば元も子もない。少なくともそれが現実を映している限り、意味のある事実も多く含まれている。
  

 約二十年ぶりに広島に行ってきた。地元のコミュニティからの招きだったが、オンラインでしか接したことのない人でも、旧友のように出会える喜びを知った。彼らの多くは市民の平和活動家だ。広島と言えば平和という既成概念に苦しみながらも、あきらめずに活動を続けていることには敬服する。
 今回二十年ぶりにつながった友人は、広島平和文化センターの理事長にまでなった熱心な人物だが、広島の原爆の火を故郷に返すイベントで一緒に活動していたころから、精神的な側面とくに祈りを大切にしていた。
 ぼくたちは広島市内に向かって歩きながら、よく輪を作って外国からのゲストも交えて祈ったし、原爆資料館の地下のホールでは市内外から来た多くの人たちが歓迎してくださり、アラスカ先住民の長老ボブ・サム氏を中心にした歌と祈りの儀式を行った。
 この一連の催しでは、対立的な言葉は聞かれなかった。つねに良きことを願う、その精神に貫かれた人々の集まりだった。その流れは細々ながら現在にまで連なり、そうしてぼくのもとに届き、今合流した。
 活動を長年続けてこられた人たちは、憎しみを原動力としなかったら続けてこられたんだと思う。切なる願い、本来の自分が望むことをまっすぐ、ごまかさずに生きてきた。それでも彼らの多くが疲弊しているのも知った。戦後77年たっても日本は少しも変わらないと。

 日本は社会意識が極端に薄いことが、国際的な統計でも知られている。戦後の教育やしつけ、政策などが様々に絡み、子どもたちにそうした精神性が植えつけられた。その子どもたちが大人になった。若い人の投票率は低く、保守化が目立つなどと目にする。 
 しかしネガティブなことばかりではないだろう。マインドフルネスを通じて、自分の内なる安らぎや喜びを培う人が増えている。ビレッジに集う人は少なくともそうだ。それは心底から生まれる願い。自分が平和である人が増えれば、自ずからまわりは変わる。 
 平和は心から生まれる。ベトナム戦争を生き抜いたティク・ナット・ハンは、痛切な思いで訴えた。政治も、教育も、社会運動も、すべて人間の心が作り出すものだ。心が穏やかならそれに連なる行動が変わる。その逆も真である。 
 1990年代初め、平和活動にのめりこんでいたぼくがティク・ナット・ハンの著書に出会って知ったのは、「平和へ至る道はない、平和が道である」という言葉だ。ちょうど10か月通しで歩いていたピースウォークの最中だ。 
 平和は着く先で待っているのではない。今この一歩を平和に歩けば、そこから花が咲く。そうしてナット・ハン師は、戦禍の中微笑みの歩く瞑想を続けた。それが今ぼくが実践するプラムヴィレッジ流のマインドフルネス瞑想の始まりだ。 
 「今ここに微笑む」、そのパワフルな瞑想が社会を変える — そういう信念で歩く人が増えることが、今のぼくの願いになっている。なぜなら生きることはつねに変化し、選択し、発見していく行動の上にあり、そのもとは心だからだ。



 
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https://mindfulness-village.mystrikingly.com/schedule
  




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