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子ども達の学びの選択肢をどれだけ増やせるのかという視点が大切

昨年から、中央教育審議会の「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会」で、新しい学びの在り方が議論されています。
その部会に設置されている「教科書・教材・ソフトウェアの在り方ワーキング」では、GIGAスクール構想で導入が進んでいるオンラインドリルなどのデジタル教材や、デジタル教科書について議論しています。

デジタル教科書の議論では「紙」と「デジタル」を巡って紙の良さやデジタルのデメリットなど、様々な意見交換がなされました。
そのような議論の中で特に印象的だったのは、紙かデジタルかの二項対立ではなく、児童生徒の視点に立って議論することの必要性を訴える声であり、「プロダクトアウトからマーケットイン」への転換を促すものでした。

児童生徒の視点に立てば、紙がしっくりと馴染むものもいれば、デジタルを使いこなすものもいます。また、両方を上手く組み合わせて使い分けるものもいます。
紙かデジタルか、どちらか一方に決めて、敢えて窮屈な環境を児童生徒に押し付ける必要はありません。
児童生徒の求めるニーズが多様化する中で、紙かデジタルかという二項対立を超えて、児童生徒に応じて適切に多様な学びの手段をハイブリッドに組み合わせることが必要であると、ワーキングでは示されています。

中央教育審議「教科書・教材・ソフトウェアの在り方ワーキング」資料

ワーキングで、ある委員は「子ども達の学びの選択肢をどれだけ増やせるのかという視点が大切」と発言されていました。
限られた資源の中で、選択肢を増やすというのは、決して簡単なことではありませんが、教育関係者が忘れてはならない視座だと感じています。


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