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#17 和敬清寂の心

和敬清寂の心

今日の一然は、お茶の湯気に心を委ね、「和敬清寂」のひとときを味わうこと。

秋が深まると、空気が澄み、自然の声が聞こえてくるようです。この季節、湯気を立てる一杯のお茶が私たちに安らぎをもたらします。「和敬清寂」という言葉には、茶道の心が詰まっています。これらの四つの要素は、私たちの日常生活にも大いに役立つ教えです。

**和(わ)**とは、お互いに心を開いて仲良くすることです。茶道では、参加者同士の調和を重視し、共に過ごす時間を大切にします。

**敬(けい)**は、相手を敬う心を示しています。客人や道具、自然に対する敬意は、茶道の根本であり、互いに尊重し合うことで、より深いつながりが生まれます。また、相手への感謝の気持ちを大切にすることで、心に温かさが広がり、より良い関係を築くことができます。

**清(せい)**は、目に見える清らかさだけでなく、心の中も清くあることが重要です。心を清めることで、茶の美しさやその瞬間の価値を深く味わうことができます。

**寂(じゃく)**は、どんな時にも動じない心を意味します。茶道のひとときは、静けさの中で自分自身を見つめ直し、内面の安定を育む貴重な時間でもあります。

手元の湯飲みにお湯を注ぎ、立ち上る湯気に目を向けてみてください。湯気は、形を変えながら消えていく様子が、一瞬の美しさを感じさせてくれます。この瞬間に身を委ねることで、和敬清寂の心が自然と育まれていくのです。

日常生活にどう活かすか?

1. 湯気に集中してひと呼吸
忙しい時こそ、湯気をじっと見つめ、静かにひと呼吸。湯気の動きに心を重ねることで、和やかな気持ちに戻ることができます。
2. 湯気の香りを五感で味わう
湯気の香りには、その時々の自然の風景が感じられます。茶の香りに身を委ねることで、日常に潜む敬う気持ちを思い出すことができます。
3. 湯気の一瞬に「静寂」を見つける
湯気が消える瞬間、その儚さの中に静寂の心を見つけてみましょう。この一瞬を大切にすることで、自然と心が調和し、日々の小さなひとときが静かな安らぎに変わっていきます。
4. 相手への感謝の気持ちを込める
お茶を淹れる際に、相手への感謝の気持ちを思い描いてみてください。「このお茶を一緒に楽しんでくれてありがとう」と心の中で伝えることで、その気持ちが湯気や香りに乗って相手に届きます。

今日の一然

誰かにお茶を淹れてみてください。その一杯は、きっと相手の心に響くはずです。そして、淹れる瞬間のあなた自身も、心が和らぎ、気持ちが良いと感じるでしょう。お茶を通して、和敬清寂の心を分かち合うこのひとときを大切にしてみてください。

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