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訴求力=聴く力

物事を伝えたいのにイコール聴く力が大切なんて申し上げると、
なぜ?って思う方は最近はむしろ少ないのではないでしょうか?

その通り。聴く力を持たないと、自分の伝えたいことも伝わりません。
この基本をお忘れになっている方がたくさんいらっしゃるのは残念です。
国際会議、日本の大手企業の会議、普通入られないような様々な会議を
黒子として傍観していますと、
”聴いているつもり”  ”聴いているフリ” の万国共通バージョンや
ご当地バージョンなどカタログ作成したら面白そうなほど、
残念な方々がいらっしゃいます。

オーディエンスは正直です。
面白くない、話が長いというのであれば、関心も持てませんから聴いているフリになりますよね。演台にいるとこれすぐ伝わるので話者は軌道修正が求められます。私が一番厳しいと思うのが、子供のオーディエンスです。
集中力も社会的規範もありません。
彼らが一番正直ですよね。
鍛えられます!

もう一つ厄介なのが最近のスタンダード、zoom meeting。  
(他のシステムもいっぱいありますが、最近、英語では総称としてzoom meetingを使う方が増えてきたように思います。公共放送では困ってしまいます。)

先日100名の聴衆に向けてオンラインでお話をさせていただきましたが、
相手が1人でも100名でも画面越しは伝わっているのかが
分かりにくいので辛いです。
カメラオンになっていても一点をボーッと見ていらっしゃる。
反応がない。
オフスクリーンの黒い画面や写真は、
その先にいらっしゃるかも分かりませんが、
心を強く持って、一言一言に入魂!です。
終わった後の疲労度は通常の倍だったので
きっとテンションも相当アップしていたのでしょう。
会場でお話をする時のように空気を掴むことが
中々できないので違うアンテナをいっぱい駆使していました。
オンライン環境では”聴いているよ”のボディーランゲージ。
いつもより、大きくうなずく。
スクリーン上のこの動きが話者には励みになりますので
皆様も是非話者の方に応援の気持ちを込めて
”聴いているよ”アピールをお願いします。

聞いているな。と話者に思わせると、
その後のコミュニケーションが円滑化されます。
一対一の会議でも、相手のお話を真剣に聞き、
一通り終わったら具体的な質問や確認をする。
ここで”この人はちゃんと聞いていたな”と差が出ます。

相手のお話を聞こうという姿勢
(表情、ボディーランゲージなど)
そして聞いていたかの証拠は質問や意見などその後の会話に出ます。

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日本の記者さんがやりがちなのが、
想定した問答集を作って録音、撮影して、編集するからという安心感なのか
聞くべきときによく聴けていないということです。

外国人の取材対象に
”Why did President Trump decided to file law suits? ”
そこで想定していた通り 
”まだ大統領選を諦めていないから”
という内容が出てきたらこれは予定調和。
そこで、この専門家が、例えば
”I think he also had no choice but to do so、as to secure more options for his next move. ”
”次の動きを考えたら、多くの選択肢を確保するためにも訴える以外方法がないのでは?”
とおっしゃったとします。 
皆様でしたらきっとこの話題をふくらましますよね。
“ええ、次の動きって?選択肢って?”と
でも、質問表に用意したものを全部、与えられた時間に収録したい。
英語のヒアリングはあまりよくないから、あとでじっくり聞いて、
使えるところだけを編集しようという考えの記者さん。
聴く力があまりなく、スルーしてしまったら?
”OK. Next question is about how Biden camp will deal with …”
 と次の質問に行ったら。。。
残念ですよね。

傾聴力があれば、相手の投げたボールをキャッチしてまた返すことができます。
ボールが見えないでスルーされては
相手もこれ以上話してくださらなくなってしまいます。

聴く力の欠如が伝える力も損なう。
この基本を是非忘れないようにしたいものです。

グローバルの前に、
人間としての原点回帰をしなくてはと、
自戒の念を込めて共有させていただきました。
少しでも皆様の訴求力にお役に立てていただけたら嬉しいです。






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