【ネタバレあり】弱キャラ友崎くん Lv.8.5の感想
なんでチラムネの後にこれを読まなかったっていう理由はもちろん心がしんどくなるからと思ったからなんだよね。
であればちょっとコメディを間に取り込みたいじゃない?
ってことでこのすば最終巻を挟んで読んだ次の作品はこちら。
ガガガ文庫から発売の。
弱キャラ友崎くん Lv.8.5
本職はエゴサと言われている屋久ユウキ先生が執筆する弱キャラ友崎くんシリーズの最新刊。
8巻まで読んだ人なら思わず「あっ」ってなること間違いなしなあのレナちゃんが表紙を飾ってます。
8.5と通常のナンバリング巻ではない短編巻ではありますが、実質本編。
時系列は8巻後から9巻になるまでに関わるお話になります。
さて、今回の目次は以下の内容になります。
あらすじ
文化祭が閉幕した翌日。
2-2の面々は、打ち上げ兼クリスマスパーティを開催する。
各所で盛り上がるなか、友崎は、ふたりで話す日南と菊池さんの姿を見かける。
あいまいに誤魔化されるも、友崎はその内容がやけに気になって――。
NONAME誕生。みみみと菊池さんのカフェトーク。カラオケ会。友崎と出会う前のレナなど……。
年が更けていくなか綴られる、それぞれの人生。それぞれの選択。
アニメ化企画も進む人生攻略ラブコメ、待望の最新刊。
ドラマCD付き特装版と同時発売。
購入場所
各書店さん、もしくは電子書籍からお買い求めください。
表紙レナちゃんだったので、全編レナちゃんだと思ったらそうでもなかった件
いやだって表紙があの小悪魔レナちゃんじゃないですか。
丸々1冊使ってレナちゃん深堀りするのかな? とか勝手に思ってたけど、そうでもなかった感じ。
ただ、レナちゃんの過去に触れてるのですが……そこは後で語りましょうか。
とりあえず言いたいことは、これ*.5巻でやる内容じゃなくて、本編でやる内容だったこと。
通常(っていっても俺の観測範囲内だけど)この手の巻は短編の集まりみたいな感じが多くて、実は自分あまり好きじゃないので買うのすら飛ばす時があるんですよね。
今回の『弱キャラ友崎くん Lv.8.5』はそんな読者を作者である屋久ユウキ先生が全力で殴り倒す感じ。
札束ではなく原稿で読者の両頬を「いつもの威勢はどうした? ほらほら!」って8.5巻でペチペチされてる感覚。
正直7巻まで読んで8.5巻読んでないのは絶対に損すると断言できる。
買え、そして読め。
友崎くんと菊池さんが尊い。
開幕早々思ったのはこれ。
フライ先生の挿絵が入ってる手作り雪だるまの所。
粋なことするな~って思ったよね。
2人で記念写真撮ってさ、でも雪だるまは電車乗れないから寂しそうな顔の菊池さん。
「次いつ会えますか……?」
「今度は……二人で会いたくて。……いまみたいに」
だなんて言ってよ!
しかもこの「いまみたいに」の『いま』という字を『今』で表現せずに開いた状態にしてるの本当に好き。
この感覚分かる人いる? っというよりも、菊池さんが言うセリフって基本開いてるよね? って思った。
その後、明後日と明々後日が開いてるという友崎くんの言葉に。
「じゃ、じゃあ、あさって!」
って弾ませて言うの、これ絶対に前かがみの体制で顔近づけて言ってるよね!? って脳内妄想してキュンとした。
この後元旦の約束も取り付けるんだけど。
「……どっちも、会いたいです」
これがもう駄目。
俺の心が死んだ瞬間のセリフでした。
唐突にぶっこんでくる実質弱キャラ0巻
その次は切り替わって日南の過去シーンになるんだよね。
これ実質弱キャラ0巻みたいな内容だよこれ。
中学生時代の彼女は目標をエクセル書いて、それをクリアする様にやってるわけで、現在友崎くんがやってることなんだよね。
その中の一つに。
『バスケ部で全国一位を取る』
という目標があったが、全国二位になって達成できなかったんだよね。
日南にとって自分に課した課題。
そして唯一クリアできなかった。
もちろん涙したことはこの悔しさだけじゃなくても、もちろんバスケも好きで大事なメンバーと一緒に頑張ったんだから凄く悔しかっただろうね。
他のメンバーも悔しかっただろう。
それでもどれぐらい悔しかったのか、辛かったのか。
書いていた通り、日南の気持ちは日南自身にしかわからなかっただろうな。
ただこの出来事があったからこそ。
『nanashiを超える。』
この目標に繋がる。
そして『弱キャラ友崎くん Lv.1』に繋がるとなると言葉にしずらい気持ちになるよね。
みみみファンは8.5巻を読め。
好きな人のカノジョとの会話。
つまりみみみが菊池さんとお話する回になるんだけど……、その会話の内容がなんと。
友崎くんについて。
二人して友崎くんのそういう所あるよね~みたいな会話でお互い同意するの本当に尊い。
その中で、みみみがカノジョである菊池さんに。
「私……ちょっと前、ブレーンにさ。……好きって言ったんだよね」
って……みみみすごい勇気あるな!? って思ったよ。
下手したら喧嘩になったりするのにさ、筋を通そうとしてるんだよね。
友崎くんを好きになった所を言ったみみみに対して同意する菊池さん。
ガチの対談できる所って……本当に君たち高校生かい? と思ったよ。
大人でも喧嘩になることが当たり前の様にあるのに対してこの二人は……。
やっぱりみみみは強いわ……。
しかも。
「私さ。たぶんまだ、友崎のこと好きなんだよね」
って選手宣言、つまり菊池さんがカノジョだと分かってるけど、それでも私は「自分の気持ちに素直に行動したい」とキチンと言葉に対してぶつかっていくみみみ。
それに対して複雑な表情をしながらも。
「だから私は――七海さんが友崎くんが好きだって気持ちを、尊重したいです」
だなんて、菊池さんからの受けて立ちますっていう攻撃姿勢。
こう二人の会話を読んでいると、菊池さんも強く成長したよねって思う。
文体だけで作中の雰囲気を一気にガラリと変える技法が凄い
実質8.5巻の本編みたいな所であるレナちゃん深堀り回。
今までの文体からガラリと変わって一気にアダルティになるんだよ。
これ本当に驚いたし、読んでてドキドキした。
何だか初めてイケナイ本を読んだ時の気持ちの様にね。
読んでて思わず「うっ……!」って来た所って、やっぱりカラーにもなってた。
「それじゃ私たち……酔っぱらい同士だね?」
からの
「ね。ジミーさんのおうちいきたいなぁ」
これがもう駄目。
本当に悪い女やで……。
二十歳で男の扱いが上手く、こんなセリフと態度してきたら正直男はみんな耐えれないでしょ。
その後朝帰りするレナちゃんがとったSNSの行動。
バニラに対して見せしめるようにジミーから『いいね』されたのを確認してからフォローリクエストを承認するという行動。
まさに七つの大罪である『淫蕩』にふさわしいキャラだよね。
学園ラブコメでここまで『性』に対してストレートなキャラって実は中々いないんじゃないかなって思う。
水島がカラオケで歌う曲の選曲がズルい。
言ってしまえばいつもどおり友崎くんが『デュエット』をするという目標をクリアする回になるんだけど、ここで一番……いや、どうしても言いたいのが。
水島のカラオケ選曲がズルい!
Official髭男dismのPretender
からの
Radのスパークル。
曲の選曲もイケメンすぎるよ。
男でも惚れる。
水島の声が羨ましい、俺にも欲しいです。
にしても、中村がワンオク一本でいってたけどさ、よく歌えるよね。
えっ今の高校生ってワンオク歌えるの!? って思った。
いや、英語ばかりで無理じゃん! ってなるよね。
中村のワンオクもガチで聴きたい。
そんな私が今歌いたいのはDATSのGame OverとラックライフのLily。
日南の闇と菊池さんのご実家シーン
文化祭の打ち上げ終わり際で二人が話していた内容がここで語られるんですけども。
日南が隠していた自分の芯にある部分がアルシアというキャラに入ってたからこそ出てきた所。
ここ読んでて思うのは、本当に菊池さんって相手を見抜く力がすごいってこと。
あまりにも確信的な所を言うもんだから、思わず日南も。
「――聞いたの?」
っていう短い言葉とその後に続く地の文はまさに返答によってはお前を殺すみたいな勢いがあったよね。
菊池さんのご実家シーンについては、弟やお母さんお父さんの事にも少しだけ触れられてたのでよい家族のワンシーンを見れてよかった。
しかし。
菊池さんのお父さんは泣いていいよ。
まぁついに来たって感じだよね。
娘に彼氏が出来ました。
最後に
ボーナストラックでの竹井が強烈だった。
ここまでやるなら、登場人物全員竹井になるボーナストラック読みたい。
竹井ファンよ、月に手を伸ばせ!(違う)
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