【ネタバレあり】この素晴らしい世界に祝福を!17の感想
「お前、毎度自虐から前置き始まるよな?」
から始まり、何かネタを仕込んでいたのですが、いざ書き始めるとスッカリ頭の中から消えていました。
さて、始まりました第2回の感想はこちらの作品。
角川スニーカー文庫から発売の。
この素晴らしい世界に祝福を!17
暁 なつめ先生著の大人気シリーズ最終巻。
前回の記事を書いた後、寝れないからとそのまま読んでいたら、読み終わってしまったので、やる気という勢いをなくさない内に書いてしまおうと思った次第。
さて、今回の目次は以下の内容になります。
あらすじ
国民的異世界コメディ、遂に完結!
大量のマナタイトを使用し、めぐみんの爆裂魔法で魔王城の結界を破ったカズマ達。先に入ったアクア達とも合流し、魔王の配下を蹴散らして(?)遂に魔王の元へと辿り着き――
購入場所
各書店さん、もしくは電子書籍からお買い求めください。
最終巻の魅力は何と言ってもカズマ×アクア
前巻である16巻から家出をしたアクアを連れ戻しに魔王城まで足を運んだカズマ一行。
ダクネスとめぐみん(強い)に圧されてちょっと影が薄い……いや、正確に言えばキャラはみんな濃いから薄いわけじゃないんだけど、この場合は『ヒロイン』という枠ではもうターンアンデットで消滅したんじゃないかな? ぐらいには影が薄いメインヒロインだったはずの宴会芸駄女神がついにメインヒロインに晴れて復活されたのだ。
何と言ってもカズマさんが魔王を倒して神界へ死に戻りシーンでエリスの胸元に顔を埋める所、その後のテレポートを抵抗した所で屈託のない笑顔は卑怯。
もう駄女神とは言わせない。
カズマも読者もドキッとしたのは間違いなく、流石看板メインヒロインの貫禄だな! と手のひらをクルッとさせずにはいられなかった。
一癖も二癖もあるキャラ達……いや、癖ありすぎだろ!
この作品に限らずだが、暁 なつめ先生の描くキャラクターは本当にみんな濃い。
癖がありすぎて、よくこのキャラクター達をコントロールしているな……と称賛せざるを得ないのだ。
自分が書いたと仮定しても、プロット作るまではいいが、実際に本文書き出した所で暴れだすのは間違いない。
この癖のあるキャラクター達、癖がありすぎると難ありな場合が多いのだが、『嫌』感情に行きすぎない丁度良い塩梅なのだ。
例えばアニメ放送済みの『けものみち』に出てくるキャラクター。
主人公である柴田源蔵は獣愛が強すぎる癖100%みたいなキャラだし、カーミラはアクアを彷彿させる残念感。アクアから僅かな可愛さを取り除いて馬鹿さを小さじ一杯追加して馬鹿に拍車がかかっている。
シグレはツッコミ役と思いきや、お金周りに限ってはクズマさんの欲望部分を大さじ一杯追加して、最後の最後に持っていく所がまたいい。
花子は食い気に全振りしていると思いきや、正直に言うと他3人に比べてマシなので、最後の良心的な所がある(花子可愛いよ)。
ちょっと『けものみち』に話がそれてしまったが、暁 なつめ先生の描くキャラクター達は魅力満点なのだ。
もう全部めぐみんでいいよ
話は17巻冒頭に戻るのだが、さすが最終巻。
冒頭から飛ばしており、『エクスプロージョン』連発はやばい。
もう全部めぐみんでいいまである。
作中最強の殺戮マシーンが誕生した瞬間を我々読者は目撃してしまった。
最終巻だから何やっても許されるだろ感が凄いくて興奮していたのだが、そういえば魔王城の中にアクアやミツルギ達がいたのは正直私もこの時点では忘れていたよね。
最終巻でも変わらないクズマさん
戦闘でアクアを盾にする所や相手の声真似をして同士討ちさせる所は、流石俺達のカズマさんや! っと姑息な手段で応対するカズマに称賛せざるを得ない。
戦闘時にペインとドレインタッチで泥沼の戦いを繰り広げる最中に友情が芽生えかけた所は、こいつら早く何とかしたほうがいいと感じた。
最後の決着を全てゴッドブローで持っていくアクアさんは流石の一言。
やっぱカズマと一緒のアクアは生き生きしてる
アクアと合流できたカズマさん、やっぱりカズマと再開した時のアクアは生き生きしているなと読んでて感じた。
やっぱりミツルギじゃ駄目だったんだよ。
正確に言えば、アクアはギャグ漫画のキャラクターで、ミツルギはファンタジー漫画のキャラクター。この両者が噛み合わないのは当然なのだ。
カズマもカズマでお互いボケとツッコミを繰り返す、本当にいいコンビだなと思う。
お互い背中合わせで戦闘開始する所は本当にいいシーンで、ここを挿絵にした三嶋 くろね先生には頭が下がる。
アクシズ教徒……というよりも実際はアクシズ教の女神なのだが、エンガチョされる所は盛大に笑った。
その報復なのか、お茶をお湯に変えて何度も嫌がらせするのは流石アクシズ教の女神だな。
お茶を持ってきた騎士は泣いていい。
魔王城でも変わらないドMを貫くクルセイダー
ノスに変装してるカズマがダクネスに「魔王城に乗り込んだ女騎士は、敵に捕らえられればどうなるか……。仮にも女騎士などをやっているのなら常識として分かるだろう!」は笑ったけど、そんな常識は(ない)です。
それに頬を染めながら鎧を脱いでいく所で、魔王軍の連中がみんな。
「「「「おおっ!」」」」
は絶対にコレを思い出した。
抗いがたい感覚で上気した顔のダクネスは、もうカズマから絶対に抜け出せないでしょ。
めぐみんはシラケた顔で見てた時に『……勘の良いめぐみんとはいえ、いくらなんでもバレてないよな?』は絶対にバレてたと思う。
にしても、「……分かった。どの道私は攻撃など当たらん。……ほら、これでいいか?」は最初から攻撃諦めてて笑った。
緊張感が欠片もないカズマPTとミツルギPTの差
隣の芝生は青く見えるって言うじゃない? カズマからしたらミツルギは羨ましいんだと思うんだけど、ミツルギもカズマと同じ感覚を持ってるんじゃないかな。
カズマPTとミツルギPTの差ってさ、言ってしまえば真面目でシリアス世界のキャラクターがこち亀時空に迷い込んだみたいなもんだよ。
だからミツルギがカズマPTの誰かと一緒に居ても絶対に上手く噛み合うことはないんだよな。
魔王をカズマが討伐した際の問題
これはハッキリ言ってアイリスの婚約問題でしょ。
最後の方に作者がチラッって書いてたけど、魔王を倒した場合の報奨として王族との婚約も入ってくるんだよね。
所謂ドラクエの最後的なやつ。
カズマが余計マズイのが、アイリスからパクッた指輪がその関係でかなり重要になるんだと思うんだよ。
しかも持ってるのがカズマで、アイリス自身もお兄様! って慕っているから非常にマズくて、他の大貴族が横槍入れたとしても覆す事ができなくなるんだよ。
だからダクネスは大貴族としても個人の気持ちとしても焦ったんだろうな。
お頭はメインヒロイン、いいね?
カズマの首がポロンと落とされた時よ……。
ひたすらエリスがカズマにバフを掛けつつ語りかけるが、当の本人は中半諦めのように独白をするのだが。
「でも、楽しかったでしょう?」
は本当にズルい。
みてよこの顔、本当にエリス様可愛い。
カズマを送り出す際の。
「――それじゃあキミが現世に戻る前に、最後の選別をあげようかな」
このセリフの『キミ』は「女神エリス」としての言葉ではなく、地上に降り立った時の「盗賊クリス」という一個人として心の籠もった言葉なんだよね。
完全に正妻(めぐみんファンごめんね)。
夫を送り出す正妻感、さすがお頭だよ!
やだ……カズマさんがカッコいい
ここまでカズマがかっこよくなるなんて誰が思った?
『テレポート』を使ってダンジョン最下層に自身と共に移動させたカズマ。
1VS1の構図に持ってきた所は本当に主人公。
いつもの情けなくて、肝心な所でヘタれるカズマではなく、胸張れる主人公をしていたよね。
魔王を煽って逃げないように口上述べたり、小手先の手を使ってキチンとダメージを蓄積させる。
カズマ自身が使えるあの手この手で必死に戦ってる所は本当にカッコイイよね。
最後の最後にカズマ自身が何とエクスプロージョンを使う場面は本当に。
だって使えば死ぬの分かってて、怖いし本当はやりたくないんだけど、それでもやるのはみんながいたからだし、それにアクアに適当な口上だけど言っちゃってたからね。
絶対に外せない所は外さない、男の中の男だよ。
魔王、八坂恭一に勇者と同じ名前? であるらしい佐藤和真
これ本当に謎。
魔王軍が人類を滅ぼそうとする本当の理由も魔王の名前の秘密も語られないまま最終巻が終わってしまったからさ。
もし後日談が出るなら、ここは是非書いて欲しい。
理想的な2つ目の選択肢があるのにも関わらず三つ目を選ぶカズマさん
1つ目はこのまま天界で平和に暮らすか。
2つ目は体を得て、日本に帰る。その際に一生を掛けても使い切れない金銭と理想の相方。
3つ目が体を得て、もう一度ろくでもない世界に戻る。
この3つの条件を出されて、カズマが選んだのは迷いなく3つ目の世界。
アクアだけじゃなく、エリスもこの3つ目を選ぶと確信していたんだろうな。
でも、ちゃんと『このすば』らしくオチを持っていくのは本当に楽しい。
「ありがとうね」
この記事の冒頭辺りでも書いた所なんだけど、みんな『テレポート』でアクセスの街に既刊する際、アクアが抵抗してカズマと2人きりの状況を作るわけよ。
それで
「……まぁそんなわけだから。私は上手な言葉を探せないから、一言で言うわね」
からの屈託のない笑顔で。
「ありがとう」
ここ、本当にメインヒロイン。
そりゃカズマさんもドキッとするよ。
後日談だけで1巻丸々使って刊行して欲しい
みんなあとがきをきちと読みましたか?
・迷宮入りとなった魔王の名前の由来と人類を滅ぼす理由
・魔王の娘の苦難の人生
・めぐみんとの「帰ったら凄い事をしましょう」
・王族と結婚する事が出来る権利
後日談として読みてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
しばらくの休息後、ぜひ暁なつめ先生には書いて欲しいですね。
最後に
こうして最終巻を迎えたこのすばワールドは終わりとなりましたが、他にもアニメ化済みの『けものみち』やアニメ化が決定している『戦闘員、派遣します』という作品もあります。
このすば面白かった人は上記の作品を是非チェックしてみてね!
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