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餃子の王将の「餃子のタレ」は、なぜ少ないのか?  疑惑編

 
先日、「餃子の王将」(以下、王将)で焼き餃子(一人前6個)をお持ち帰りした。お持ち帰り餃子には一人前につき、タレが一つ付いてくるのだが、家でタレを小皿に入れたとき、思った。
 
「ん?・・・少なくない?」
 
以前から「王将のお持ち帰り餃子一人前のタレの量、ちょっと少なくない?」とは思っていたが、さらにその内容量が少なくなった気がした。
 
昨今の物価高騰の影響で外食産業も値上げが続くなか、「安くて、早くて、美味しい」王将も値上がりはした。が、しかし───
 
果たしてあの「王将」が、料理はともかく、餃子のタレの量を減らすだろうか?
 

年々値上がりし、さらに料理の量も減った気がする王将だが、とはいえまだまだそれなりにお得感はあるであろう王将が「お持ち帰り用の餃子のタレ」の量を減らすなどというそんなセコいことをするかな?と思ったのだ。
 
他の店ならいざ知らず、あの「王将」である。
 
気になりだしたら止まらないのが私の悪い癖。なにより、モヤモヤしたまま、この先ずっと王将と付き合っていくのは、私にとっても王将にとってもプラスにはならないだろう。とはいえ、いきなり不躾ぶしつけに、相手に「餃子のタレが少ない疑惑」をぶつけることもはばかられる。
 
というわけで、まずはネットでの極秘捜査を開始した───

すると早速、興味深い事実が判明した。
 
たいていのお持ち帰り餃子のタレの内容量は一袋10g前後であり、13g入っているものもあったのだが、王将のタレはなんと───
 
「7g」だったのだ。
 
「何か少なくない?」
私のこの直観は、あながち間違っていなかったのである。
 
多くの一人前のタレが10g前後なのに、王将は7g。
 
「何で?」
 
そう思うのは当然だろう。他のお店ならともかく、あの「王将」なのだから。
 
「早くて、安くて、美味しい」そんな愚直で実直な王将が、経費削減そして売り上げを伸ばすためにタレを減らしているのだとしたら・・・そんなの、信じられない。
 
まさに、
「まさかあの人(王将)がそんなことするなんて」
「そんな人には見えなかったんですけど」

な気持ちである。
 
ただ、もしそれが事実だとしたら「何でそんなことしたの?」であるが、とにかく、今目の前にある王将の餃子のタレが7gであることは疑いようのない事実なのである。だとしたら───
 
そこにはきっと何か事情があるに違いない。その理由わけを明らかにしなければ。王将の無実を信じ、私は立ち上がった
 
 
例えば、家でお持ち帰り餃子を食べるとする。そのとき、もしタレが少なかったらどうするか?別のなにか(醤油とかポン酢とか)で代用する人もいるだろうが、もしどうしても王将のタレで食べたいとしたら?
 
実は、そんな人たちのために、王将では「瓶入りの餃子のタレ」が商品として販売されている。価格は287円(税込み309円)で、その内容量150ml。

そしてもう一つ、お持ち帰り用の餃子のタレ20袋入り186円(税込み200円)という「ミニパック」もある。つまり、お持ち帰り用の餃子のタレは一袋10円ということだ。
 
仮にもし、王将がお持ち帰り用の餃子のタレの内容量を少なくすることで、客に別売りの餃子のタレを買わせようとしているのだとしたら、商売としてはアリだが、なんだかガッカリである。王将のそんな姿、私は見たくない
 
ただ、ストレスなくたっぷり餃子のタレをつけたい人なら、きっと瓶のタレを買ってドバッと小皿に出すだろう。大容量の瓶ならお得だろうし・・・と、ここでふと、私は思った。
 
「瓶のタレは、どのくらいお得なんだろう?」
 
細かいことが気になってしまうのが私の悪い癖。そんな自分にやれやれと思いながらも、私は瓶入りの餃子のタレと、袋入りの餃子のタレの比較を始めた。
 
瓶入りの餃子のタレ内容量150mlに対して、お持ち帰り用の餃子のタレ一袋は7gなのだが、ここでひとつ、注意しなければならないことがある。
 
「瓶は150ml、一袋は7g」

mlとg、単位が違うため単純比較ができないのだ。なんだかちょっと難しそう・・・だがしかし、私は諦めない。王将の無実を証明するためだ。
 
 
調べてみたところ、もし物体が水なら1mlは1gなのだが、餃子のタレは水ではない。どうやら、油や醤油の場合は1mlは1.2gぐらい、らしい。
 
そして、それを裏付けるようなものが、たまたま冷蔵庫から出てきた。お寿司を買った時についてきた醤油だが、裏面に「内容量:4.2ml(5g)」とあった。

こうした情報をもとに、餃子のタレ150mlが何gになるか計算してみる。

150×1.2=180g。
瓶入りの餃子のタレ150mlは180g(*1)だということがわかった。

では、180gから一人前7gのタレが何人分取れるかだが───180÷7=25.714なので、計算上、約25人分のタレが入っているということになる。

つまり、150mlの瓶入りの餃子のタレは25人分ということだ。

・・・ん?
・・・んん?????

 私は状況がうまくのみ込めず、しばしフリーズした。そして───

 「・・・嘘やん」 

普段、標準語な私の口から「関西弁もどき」が飛び出すとき、それは本当に驚いた時である。 

「・・・ヤバ・・・少ない・・・」 

まさかの、とんでもない結果がそこにあった。

瓶入り餃子のタレは大容量だからお得なはずなのに、入っているのは25人分。

1人前の袋7gが10円なのだから、25人分なら250円のはずなのに、値段は309円。 なんと割安ではなく割高になっていたのである!

一見お得に見えて、実は損してたなんて・・こんな裏切りがあるだろうか?

王将を信じ、そして王将の無実を証明しようと頑張ってきたのに・・・王将のあまりの仕打ちに、私は言葉を失った───


気づくと私は、部屋の窓から空を眺めていた。

今まで、王将とはいい距離感で付き合えてると思っていた。あんまりお店に行き過ぎたらしつこいと思われる。でも、行かないと寂しさに負けてしまいそう。揺れる王将へのこの想い

だけど───

もしかしたら、王将は最初から私のことをただの「金ヅル」だと思っていたのかもしれない・・・何度も何度もお店に足を運び、時にはアフター(お持ち帰りのことです)にも誘った。

あんなに楽しかったのに。
あんなに幸せだったのに。

「お前なんてしょせん、数多あまたいる客の中の一人にすぎないんだよ」私の中のブラックまるおが言う。わかってる。そんなことは最初からわかってる。けど・・・

 あふれ出す、王将とのたくさんの思い出に、私の瞳からは涙がこぼれ落ちそうだった。 

それもこれも、もとはといえばタレのせいだ。タレが少なかったばっかりに・・・

「タレのバカヤロー!!」

やり場のない怒りと悲しみに包まれるなか、私は窓際に置いていた「餃子の王将目覚まし時計」を床に叩きつけようとしていた。
 
それは数年前に餃子の王将スタンプラリーで50個のスタンプを貯めた時に貰った思い出の品。何度も何度もお店に行って、ようやく貯めた50個のスタンプ。自分のいじましさに泣けてくる。
 
ダメだ・・・やっぱり諦められない。こんなに好きなのに、忘れるなんて出来ない。だったら・・・

私は「最後の手段」に出ることを決めた。それは───


            後半へつづく⇩⇩⇩

(*1)
後日「餃子の王将」のカスタマーセンターに問い合わせたところ「当社では1mlが何gか、ということについて正確な数値は出しておりませんが、150mlは180gぐらいというイメージで大丈夫です」という回答をいただきました。

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