外観審査とは

外観審査は茶問屋と呼ばれる人々が行う、お茶の判別法の一つです。
茶問屋は生産家が作ったお茶を市場で買い付けるのですが、その際にまず外観審査を行います。
その判別法は、一般の方々がお茶を選ぶ際にも活用することができます。


1.外観審査とは
その名の通り、お茶の外観を見てその品質をある程度判断するのが、外観審査です。

お茶の買い付けを行う市場では百種類以上のお茶が並ぶこともあります。
そのような際、一つ一つお茶を飲んで品質を判断するのは現実的とは言えません。
ですので茶問屋は外観のみである程度、お茶の品質を判断します。

具体的には、茶葉の形・色・香りを確認します。


2.外観審査:茶葉の準備
茶葉は市場においては、黒い丸皿か四角皿に入っていることがほとんどです。
それらの皿は拝見盆と呼ばれ、茶葉の色や形を一律に見やすくするために、黒色をしています。


3.外観審査:茶葉の形
まず、茶葉の形を見ます。
抹茶の元である碾茶の場合はあまり関係ありませんが、煎茶や玉露といった所謂『揉み茶』の場合は、形は品質へと大いに関係してきます。

主に、扁平な形の茶葉がないかを確認します。
扁平な形の茶葉があるということは、茶葉が固く育った後に収穫され、上手く揉まれていない可能性があるからです。

茶葉に砕けたものが少ないかもポイントです。
茶葉が砕けているということは、摘んだ茶葉を蒸す工程において、蒸しが強すぎた可能性があります。
もちろん、『深蒸し煎茶』の場合は茶葉が砕けたものが多くても問題はありません。


4.外観審査:茶葉の色
次に、茶葉の色です。
煎茶であれば少し黄色がかった緑、かぶせ茶や玉露であれば濃緑色かどうかを確認します。

煎茶で緑が濃い場合、原因は様々ですが、日光が遮られて成長した可能性があります。
そのような煎茶は適度な苦味や渋味が少なく、もはやかぶせ茶のような味わいになってしまっている場合があるのです。

逆もしかりです。
緑色が薄いかぶせ茶や玉露は、苦味や渋味が強い可能性があります。


5.外観審査:茶葉の香り
最後に、茶葉そのものの香りです。
茶葉を顔に近づけ、鼻息を当てて温めます。温まって返ってくる香りを嗅ぎます。

焦げたような臭いや、油のような臭いがした場合は要注意です。
製造工程でミスが発生している可能性があります。

煎茶では、品種の香りや爽快さのある香りがするかを判断します。
香木のような香りがすれば、それはかなり良いお茶でしょう。

かぶせ茶や玉露では海苔のような香り『覆い香』があるかを探します。
特に、瑞々しいウリ科植物のような香りがする茶葉は、旨味や甘味が豊富に含まれている可能性が高いです。



外観審査は市場での判断法ですので、どちらかと言えば欠点を探すことに重きが置かれています。
ですがもし、お茶を購入する際に茶葉を見る機会があれば、上記のポイントを踏まえて茶葉を見てみてはいかがでしょうか。
あなた好みのお茶と出会える可能性が増すことは間違いありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?