〈空白小説〉美味しいアイス語録

『空白小説』リスペクト企画!

空白部分を、オリジナルで、埋めてみよう!

『空白小説』とは、書き出しと結末の文だけがはじめから決まっているショートショート集です。

その間の空白をどう埋めるかで、物語は予想できない方向へと展開し、書き出しと文末のもつ意味は大きく変わります。

あなたは「空白」の展開を予想できますか?(Amazonより引用)

今回は「蓋をして3分」~「お召しあがりください」の空白小説です!

タイトル:美味しいアイス語録

「蓋をして3分

経過する前に、ゴールしてください!それでは、スタートです!」

司会進行役の女は、ルールを過不足なく説明したのち、高らかにゲーム開始を宣言した。

会場の空気が、お互い牽制しあうものから、少し弛緩したものとなる。

(大したもんだ)

俺は、その馬鹿馬鹿しい催し、アイスブレイクに、心の中で、素直に賛辞を送った。

【コスプレ双六】

巨大な双六のマス目を進みつつ、その場に置かれたコスプレ衣装を着替えながら、ゴールを目指す、そんな馬鹿馬鹿しいゲーム。

しかし、ギトギトしたラーメンのようにくどかった雰囲気が、見事に中和されている。
因みに、3分とは、【極上のカップヌードル】が、美味しくなる瞬間。

俺は、ヌードル業界の帝王と呼ばれる男の、同業者を集めた道楽に、渋々付き合うつもりで参加したのだが、
今はもう市場に出回っていない【極上のカップヌードル】の味を知ることができるのなら、こちらにも十二分に利のある話。

そして、残り、あと1マス。

「さあ〜【コスプレ双六】もいよいよ決着!先頭でゴールを切るのは、長浜堂福岡店•店主テツヤさんだ!

それでは、最後の着物を

お召し、あがりください」

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