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#アイヌ

「菜の花の沖」第三巻の巻 まつろわぬ民編

「菜の花の沖」第三巻の巻 まつろわぬ民編

みなさんは「まつろわぬ民」という言葉を知っていますか。

「菜の花の沖」は、貧しかった淡路島の少年が故郷を飛び出し、神戸で船乗りの見習いからどんどん大きくなって、大きな船を何隻も手に入れ独立し、海運業を始めるストーリーです。

背景の、江戸時代当時のメインの航路は瀬戸内海と日本海。そのエリアでのほとんの商売は、先に商売を始めている人達に太刀打ちできないため、彼は蝦夷と大阪とのダイレクトな交易に夢を

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「菜の花の沖」第4巻の巻 択捉島をめぐる

「菜の花の沖」第4巻の巻 択捉島をめぐる

司馬遼󠄁太郎の筆の力で、私は択捉島まで連れてこられた気がしている。

そこは大自然に抱かれ、海と森と山と魚たちの楽園のようだった。

小説の主人公、高田嘉兵衛は、貧しい淡路島の漁村を飛び出し、江戸時代としては巨大な船を含む何隻もの船を持つ廻船商社となった。

そして、当時寒村だった蝦夷の箱館の港に目をつけ、大きく貿易を始めようとしていたところ、幕府から声がかかった。当時幕府は焦っていた。

蝦夷

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