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副業フリーランスWEBデザイナーに発注できそうな仕事を、依頼者側の立場で考えてみる

元WEBデザイナーが、WEBデザインの仕事についてつらつらと書いていきます。今回は仕事を依頼する側から見た、「副業フリーランサーに発注できそうな仕事」について語ります。職業訓練・スクールで学んでいる人、就活中の人に読んでいただければ幸いです。


急ぎの案件はまず無理

そもそもですが、本当に急ぎの仕事は外注している暇などありません。可能な限り自社内で対応するのが普通です。しかし、リソースの関係でどうしても無理な事もあります。

そのような場合、取引実績のある信頼のおけるフリーランサーに仕事を発注するという事はあります。取引実績の無いフリーランサーにいきなり急ぎの案件を発注するなどという事は、よほどのことがない限りありません。

フリーランサーが副業であった場合、稼働時間も本業の休日や、平日の隙間時間に限られてきます。当然ながら、空き時間にしか仕事ができない業者に急ぎの仕事を振ろうなどとは、余程の事でもない限り検討されることすらないでしょう。

急がないけど、重要なポジションは任せられない

プロジェクトの中核をなすような重要なポジションの仕事を、アルバイト感覚の「副業」フリーランサーに任せようと思う依頼者がいるでしょうか?

大抵の場合、そのようなフリーランサーに重要な仕事を任せたいとは思わないはずですし、請け負う側もそのような重い仕事は望んでいないはずです。

如何にプロジェクトのスケジュールに余裕があろうとも、外注先には片手間でやっているフリーランサーではなく、本業として取り組んでいて、かつ信用のおけるフリーランサーか、制作会社等の企業を選ぶのが普通だと思います。

無難なのは更新作業あたりになってくる

緊急性も重要性もなく、割と簡単にできる仕事となると、ホームページの更新、ECサイトの商品ページ作成や商品登録、SNSの記事作成、投稿あたりに絞られてきます。

企業のホームページ更新作業は比較的スケジュールに余裕があり、急がない場合が多いので内容的に外注するには丁度良いのですが、セキュリティ上の問題、特に情報管理が厳しい企業は内製を基本としていたりと、大手企業のそのような案件がクラウドソーシング等に出回ったり、フリーランサーに回ってくる事はあまり多くはありません。

ECサイト、SNS運用・管理は一見楽そうに見えますが、タイミング重視の仕事が多く、スケジュールやノルマが厳しい事があります。計画性なく請け負ってしまうと、フリーランスのメリットである「自分の都合で働ける」「時間の自由」が失われる可能性があります。

「返事がない」「融通が利かない」「仕事が遅い」だと更新作業すら無理

SNSの運用作業の場合、企業案件であればある程度のスケジュールは決まっている場合が多いですが、突発的に記事の作成&投稿が発生したり、スケジュールの変更が発生したりする事もしばしばあります。そのようなときに連絡しても「返事がない」「納期変更等、融通が利かない」が頻発してしまうと、その業者との取引は考え直さざるを得なくなります。

ECサイト運用の仕事においては、バナーや登録する商品写真の量が膨大なサイトも多々あります。状況によってはバナーを一日100本以上作成、などという事も発生します。そのような案件の場合「仕事が遅い」と思われてしまうと、今後の関係に悪影響を及ぼしてしまいます。

「自分の都合」を優先したいためにフリーランスという働き方を選ぶ人達は多いと思います。一方、依頼者側も「自分達にとって都合の良い人」に仕事を依頼したいと思っています。

依頼者側が仕事をしている時間帯に返事が返ってこない、自分の都合最優先で融通が利かない、隙間時間だけしか仕事できないので仕事が遅い等々の対応をしてしまいがちなフリーランサーは、依頼者側から見ると「都合の悪い人」という印象になってしまいます。

外注管理って、手間がかかる

自社ホームページの管理のため、自社サービスの開発のためにデザイナーやWEB制作担当者を社内に抱えたいと考える企業は増えているようです。それはなぜか?

  • 自分達の思い通りにならない、品質のコントロールが難しい

  • 進捗管理に手間がかかる、思いのほか時間を要する

  • 無駄が発生しやすく、外注費用が意外と高くつく

  • 機密情報、個人情報漏洩等のリスクがある

等の理由が挙げられます。外注する事にメリットを感じず「コスト」と捉えている企業は案外多い様です。

実際にフリーランサーに仕事を発注してみるとわかりますが、相手の能力次第で楽にもなれば地獄と化すこともあります。

発注先にフリーランサーを検討する事に対して慎重になる企業は依然多く、進捗管理の面倒さ、仕事に対する信用度、クオリティ管理の難しさ等を考慮すると、フリーランサーは発注先候補から外される事も多々あります。

「後は自分たちでやります」と言われないようにしよう

仕事を請負う側の企業でもフリーランサーでも、このフレーズを聞く機会は結構あると思います。どのような意図、感情でこの言葉を依頼者が発しているのかは、依頼者にしかわかりませんが、良好な関係を続けていくのは難しくなることもしばしばあると思います。

副業でフリーランスデザイナーをやるのは結構ですが、相手の事情、都合を考慮しないで自分の都合ばかりで動いていると、この言葉を投げかけられる結末になってしまうこともあります。

自分の都合ばかりでなく、相手の事情も考えてみると、「副業」フリーランスという立場がどのようなものなのかが見えてくるのではないでしょうか?


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