見出し画像

スクールに高額課金して結果が出ないデザイン初心者に救いはあるのか?という話

元WEBデザイナーが、デザインの仕事についてつらつらと書いていきます。今回は、スクール卒業後、就職できない、仕事に結びつかない人が救われることはあるのか?について語ります。デザイナーを目指したい人、デザインを学んでいる最中の人、デザイナーを目指して就活中の人に読んでいただければ幸いです。


スクールも「商売」なので、客引き文句は美味しい事しか言わない、書かない

数あるデザイン系のスクールは基本的に「ビジネス」として運営をおこなっています。故に集客のためには「ターゲットの興味を引くような事」「ターゲットにとってメリットのある事」を喧伝し、都合の悪い事、デメリットは詳らかにしない、あるいは秘匿します。

そのような行為は集客の基本であり、スクールビジネスに限らず全てのビジネスにおいて、大なり小なり行われている事です。そして、スクールビジネスの絶妙なところは、大げさな言い方をしているかもしれないが、決して「嘘」は言っていない、というところにあります。

カリキュラムに沿って学習して、卒業後プロとして活躍する人が全くいないか?というと、実際にそういう人もいるので、スクール側は嘘をついていないし、詐欺というわけでもありません。

ただ、受講者全員が希望する職業に就くことは出来ない、という現実があるだけです。

ちなみにデザインを仕事にするという事は、自分自身がターゲットを扇動するのに加担する立場にもなりえる、という事でもあります。

結局、自己責任ということに・・・

スクール卒業後、なかなか結果を出せず、自分が想像していた将来とは異なる現実に直面して、「ハメられた!」「カモられた!」と感じる人もいるかもしれませんが、そのような状況に陥る原因はスクールだけになく、社会全体の経済状況、業界のニーズ・トレンド、自分自身の能力や経歴、素質・適性等々のさまざまな要因が複雑にからみあっての結果ですので、スクールだけを責める事はできません。

スクール側も、悪意ある業者もごく少数あるようですが、大半はデザイナー志願者のためを考えて運営しています。

最終的には「すべては自己責任」「高い社会勉強代を払った」「自分の考えが甘かった」等々で自身を納得させる結果になる人がほとんどではないかと思います。

残念ながら全員が報われることはない。早い段階で見切りをつけるのが賢明

デザインの仕事にあこがれて、デザイン系のスクールに高いお金を払って受講しても、卒業後にどんなに頑張っても就職できない、フリーランスになることを目論んだが仕事が全く取れない、という話をSNS界隈でよく聞きます。

数ヶ月程度頑張っても何の成果も得られなければあきらめる人も多いようですが、一部で手を変え品を変え、元を取ろうと必死にあがく人もいるようです。

そもそも、数カ月間スクールで学んだ程度で即戦力になれるはずもなく、業界が期待する最低限レベルに到達する事ができる人も、それほど数はいないのではないでしょうか。

卒業後、デザイナーとして仕事に就くことが出来る人、フリーランスで上手くいく人も少数はいると思いますが、大抵はデザインの素質、適性を持った人、ビジネスの素養のある人ではないかと思います。

デザイン、クリエイティブの仕事は良くも悪くも実力主義の世界です。デザイン初心者が不遇な環境、劣悪な環境に身を置かざるを得ないのは、大抵の場合は自身の実力不足や、自身の実力を客観視できないで無謀な挑戦をしているからだと考えられます。実力無き人、見込みのない人がデザイン、クリエイティブの仕事に執着しても、自分で自分を苦しめるだけです。

いくら頑張っても結果を出せない、不遇な環境、自己犠牲を強要されるような仕事にしか結びつかない状況におかれているのであれば、現段階の自分の実力と伸びしろを冷静に分析し、継続することに不安を感じるようならできるだけ早いうちにデザインの仕事には見切りをつけて、別の道を模索するのが賢明でしょう。

「さらに課金」はやるべきではない

スクールを卒業してもなかなか就職できない、卒業後すぐにフリーランスになって、仕事に結びつかない状況に焦り始めると、結果を出せないのは「何かが足りないから」と考え、新たなスキルを得ようと考える人も多いと思います。

そして、また新たな事を「学ぶ」ため、新たな「資格」を得るために、スクール課金沼に嵌っていく人もいるのではないでしょうか。

スクールを出たばかりで結果を出せていない人達に足りないものは「学び」「スキル」「資格」ではなく、「実戦経験」「スキルの練度」「成果」「成功体験」です。それらはスクールで学ぶだけでは何時までも得る事ができません。

また、結果を出せず焦る人達の前に、キャリアカウンセラー、メンターといった新たなる課金沼が現れる事があります。

それらのサービスが全くの無駄だとは言えませんし、人によっては劇的な効果が出る場合もあるかもしれません。謳い文句を鵜吞みにしないで、第三者の客観的な情報を収集し、冷静に検討したうえで利用する・しないを決断しましょう。

正直なところ、いくら頑張っても結果を出せずにいる人にとって、その状況を打開する有効な手段はこれといって無いのではないか?とも思います。

デザインの仕事は学習方法の簡易化と参入への敷居が下がった現在でも、アウトプット、サービス共に質の高さを要求される、要求される水準に到達できる人は素質・適正のある人に限られている仕事です。

いくら頑張ってもプロとアマチュアの境界線を右往左往しているレベル感から脱する事ができないようでは、まともな仕事を得るのは難しいし、仕事を得られたとしても続けていくのは困難でしょう。

頑張っても芽が出ない、仕事に結びつかないのは、デザインの仕事に縁がない、またはその人本来の役割はデザインの仕事をすることではないのに、無理やりデザインの仕事をやろう、続けようと執着しているから成功しないのかもしれません。

デザインの仕事の現況~今後の事を考えると、求められるレベル感の低い仕事、クラウドソーシング界隈の平均的なレベル感の仕事に関しては、無理をしてでも頑張り通す、何があっても耐え忍んで続けるほど価値のある仕事ではないと思います。

デザインの仕事は今や誰でもチャレンジする事はできるけれども、誰でもできる・続けられる仕事ではないと筆者は考えます。ある程度の期間、数を打ってみてもまったく成果を得られないようであれば、早々に見切りをつける位の思い切りの良さをもってチャレンジするのが良いのではないでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?