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洋楽オタクがKPOPを聴くーNCTの”Golden Age”で思い出す、Red Velvet”FMR”の混沌

皆さんこんばんは、お元気ですか?僕はお金がないので空元気です。

さてさて、私事ではございますが9月のNCT Nationに参加してまいります。今から非常にわくわくしてますが、箱がでかすきて米粒みたいな推ししかみれないと思うと耐えられるかどうかわかりません。

本題ですが、NCTのGolden Ageを聴きました。クラシックのサンプリングということで「あーー知ってるけど誰の何かは存ぜぬー」というもどかしさの中、改めて思ったのはSMの楽曲はメロディーがしっかりしているなと。パーツのつぎはぎじゃなくてしっかり動きがあって起承転結もしっかりつける心意気はさすがだなと思いました。
そしてなんだかさわやか。夏終わらせちゃうじゃんという涼やかな感じもありましたね。NCTのボーカル群は総じて透明感がすごいのでより清涼感に拍車をかけてますね。

クラシックのサンプリングで引き合いに出されているのがRed Velvet。昨年リリースのFeel My Rhythm(以下FMR)は昨年リリースのSM楽曲の中でも断トツの音源成績で、Psychoを思い出させるようなカムバでございました(コロナ感染でステージが少なかったことも相まって…)。
クラシックの活用は前例がないわけではありませんが、メインストリームを鑑みると非常に異質なチャレンジでした。それを見事に落とし込んだことでの大成功はSMにとってもいい勉強だったのかなと、今回のNCTのカムバを聴いてて感じました。

そして改めて思ったのはFMRのまあ見事なこと。あの成功はもう再現できないのではないかと思ってます(現にレドベルのガーシュインのサンプリングはなんともだったので…)。ということでリリースしてから1年以上経っているのにFMRについて考えてみようと思います。

FMRとPsycho

上述の通り、FMRとレドベルの名曲Psychoはかなり近しいところがある楽曲でPsychoを引き合いに出さずにFMR語るのはなかなか難しいかなと思ってます。
音楽性としても似ているところが多いです。どちらも弦楽とシンセサウンドのマリアージュ(おもろい言葉だけど使っちゃう)がすごすぎる。特にこの点についてはPsychoがパイオニアでありながらも大正解を叩きだしちゃってるんですよね。
こちらについては以前書いたレドベルに関するnoteにて記載しているので丸々コピペしちゃいます。

いやーーーー歪んでんなーーー弦の品の良いピッツィカートとポップな電子音、絶妙みディストラクティブな低音群そしてすげえ歪んだノイズ。というまあこりゃサイコだわっていう編成。けーぽ史上最高にゴージャスで破壊的なインストではないでしょうかモチーフにぴったりですね。

オレのnoteより

なんか雑な書き方で草。まず低音の音作りについて、ノイジーでパンチのある音ですが、ポップスにしては音の頭が緩めになっていますよね。これって管弦の波形に近いので弦との相性がいいなと思ってます。
あとはサビの高音部。こちらも同じようなアタックが弱い音になっていますね。これも弦の華やかさを思わせながらも、シンセのもつポップス的なニュアンスが相まって、品がいいのに盛り上がりも演出してるいい音なんですわこれ。
何が言いたいかというとですね、シンセの音をしっかりオケの音に寄せながらもポップスとして成立する楽しさもある素晴らしいプロダクションということですね。
これはFMRにも当てはまることでございまして、Psychoのいいところをしっかり受け継いだ曲作りになっているんです。なのでFMRについてのカムバ会議のときに”クラシックのサンプリングしよう!”っていう感じではなくて、”Psychoのオケ×シンセ良かったよな…クラシックでやってみる??”みたいな流れだったのではと勝手に思っております。

サンプリングにおける課題

PsychoとFMRの大きな違いとしてはやはり”既存の曲をベースにしているかどうか”というところです。しかもバチバチに聞き覚えがある曲という。
ここで難しくなってくるのは、サンプリング曲のメロディや和音の動きが曲作りに大きく作用してきちゃうということです。クラシックとポップスでは音の動きが全く違ってくるというか曲としての考え方や在り方が全くちがってくるので、ここは非常にネックになってきます。ここを無難に解決するには”メロディを一緒にしちゃう”か”サンプリング箇所をメインの一節に絞る”という方法です。そしたら違和感が生まれようがないです。下記が例ですね。

この課題をFMRはありえない克服をしてきます。”春の混沌”をモチーフとして持ち込んできたんです

春の混沌と調和

はい、個人的な話になりますが、僕は環境の変化にめっぽう弱く新学期などになると必ず熱を出していました。特に春。”希望と不安を胸に抱いて”とか言いますが、僕としては不安10割なのに気候は浮かれてる感じでそのミスマッチが本当に無理でした。
FMRは僕ほど陰湿ではないですが、この春のニュアンスが非常に強いと思ってます。春風と一緒に目まぐるしく新しいことがやってくる感じ。相容れないものの共存がサンプリングで非常によく表されてます。
特にブリッジ。ボーカルの動きとバックのサンプリングが全く違う色を持ってるんですよね。この二つが全然違うことこそが表現になっているというテーマの恐ろしさですよ。
ボーカルの方が長調のニュアンスが強い感じがします。サンプリングの方がどんどん暗い方に進んでる感じもあって、向かっていくゴールが違う感じ。というかサンプリングの方がさまよってるくらいの感じにもきこえる。
サビもじんわりそういった印象を出してます。サンプリングの美しく少し感傷的な感じの上にこの上なく楽しそうなボーカルが乗っかってくる。その割にはサンプリングと重なるような動きもあるから2つの感情が複雑に混ざりあってる感じがします。
和音やメロディの作用をしっかりかみ砕いて、それと反らせたり乗せたりすることで矛盾する”人らしい感情”がよく出ています。素晴らしい。

さてさて、いろいろと書いてまいりました。もう疲れましたので終わろうと思います。そろそろXGについても書かなきゃ。


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