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開発中のレビューサイトで、森を歩くように映画を探そう/映研活動報告001

東京大学映画研究会は、新しい形のレビューサイトを立ち上げた。
レビューサイトは映画研究会の公式サイトから見ることが出来る。

私は、レビューサイトを設計・デザインした当人として、今までとは違った、次観る映画の選び方の提案をしたい。そこで、このレビューサイトの使い方について、何回かに分けて、少しずつ説明していこうと思っている。
まずは、なぜ新しい形のレビューサイトを作るに至ったか、という話を。

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1・観たい映画をどう見つけよう?

さて、私たちは観ようと思えば、様々なタイトルの映画にアクセスし、それを観ることができる時代にいる。だけど、膨大な種類の映画の中から、自分の観たい映画をどうやって見つけ出せるというのだろう?

結局、口コミやメディアの紹介、あるいはストリーミングサービスのリコメンド機能を頼りに、次に観る映画を決めているという人が大半だと思う。その時私たちがまず知らされるのはタイトルだ。「○○」が流行っている、とか、あなたにお勧めの映画は「△△」だ、とか。既存のレビューサイトは、タイトルを知らないうちは機能しない。なぜなら、レビューを観るには、まず何の映画のレビューを観るのか選ぶ必要があるからだ。


先入観なく読む映画のレビューが、知らなかった作品のタイトルを知るきっかけ、見る予定のなかった作品を観るきっかけになったらどんなにいいだろう。映画のレビューの森を、タイトルに縛られることなく、より自由に、よりストレスなく、駆け回る方法。それを見つけるべく、私はレビューサイトのデザインに取り掛かった。
まずは「森」について考えることから始めた。9月某日。私は京都の哲学の道にいた。哲学の道を歩き終えるまでの間、私は「森」のようなレビューサイトについて思考を巡らせることにした。

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2・森のようなレビューサイトを探索する

そう、目指したのは街ではなく、森なのだ。会社名がデカデカと書かれた看板や、有名なタレントのポスターに溢れた街ではなく、視界の狭い森。確かに、森では木に覆われているから、全体を見ることができない。しかし、見えなくても、いや、見えないからこそ、人間はどちらの方向に行くかを決められる。気になったものが、より良く見える方向に行けばいい。それは森を歩くだけで実現できる。歩くだけで、自分の気になったものがどんどん見えるようになる。そしてその途中で、次に気になるものを発見する……。かつて人間が森の中で生きる4足歩行の猿だった時、こういった世界の中を彼らは生きていたはずだ。そして、それは現代の私たちにとっても、馴染みのある、しっくりくる方法であるはずだ。

この新しい形のレビューサイトは、木ではなく、文章の森になっている。文章はレビューの一部分、断片である。全体を見ることはできない。だからこそ、私たちは主体的に探索することができる。今まできた道をそのままいくか、気になったものに近づいてみるか。その2択を自分で選びながら歩く森は、きっと楽しいし、その先には自分が本当に気になる映画が待っているはずだ。

……とこんな大層なことを書いたけれど、まだレビューしている映画が10数作品しかない。まだ荒野にポツポツ木が生えている程度で、自分が夢想しているレビューサイトの形になるには、もう少し時間がかかりそうだ。それまで、気長に見守って頂けるとありがたい。また、レビューサイトにレビューを提供して下さる方も募集している。そしてそして、これから映画研究会は様々な活動を行う予定なので、活動に参加してくれる人も募集している。詳しくは公式サイトで。
この続きはいつか。


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