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私の育児回想(長男編)

長男が育っていくとますます私の男児像と違う事が見えてきた。

男児は動き回って大変なんだと思っていた。しかし長男はじっとして動かない。喋り出すと、敬語で標準語。そして論理的に話す。

3歳の時には何か話す時に

「お母さん、一つ質問よろしいでしょうか」

といい話をした。
どこから得たかわからない情報を延々と喋る。

お父さんからキャッチボールをしようと誘うと

「本日の天気予報では湿度○パーセント、天気は○○ーーーー」

といい、グランドコンディションが悪いためにキャッチボールには向いてない気候だと話しだす。

動くくらいなら食べませんといい、動かなかった。
小さい時には動かず楽だったが、大きくなるに連れて、あまりにも世間の男児像と違うので心配になった。

標準語、敬語で話をするので保育園の先生もうちの子と話すときには丁寧語で話をしていた。本人の口調にみなつられるのだ。

じっとする長男は浮いていた。だからはみごになったりいじめられたりするが、本人はなんとも感じない。

何か言われても痛くも痒くもないからなんともないらしい。でもそんな長男が顔を蹴られ、前歯を折られた。

流石にその時には私は怒った。本人も、

「顔を蹴られるのはいやですね、お母さんと先生と僕とでお話しをする時間をとって頂けませんか」

と言っていた園児だ。園児がそんな話し方をしていた。それがうちの長男だ。

蹴った側のお子さんは空手を習っていた。だから蹴りが顔まで届く。歯は乳歯だったからよかったものの永久歯だったら大変なことだったと思う。

小学校にはいるとすぐにアメリカに住んだ。突然の現地校への通学。日本人は学年に4人だった。彼は頑なに英語を話すことを拒んだ。

いまでもアメリカ生活がトラウマだったと言っている。そして英語がすこぶる嫌いであり苦手だ。

長男は好きなことはとことんするが嫌いな事は一切しない。算数や理解は好きだが英語と国語は嫌いであり苦手。

僕は記憶力はないので暗記はできませんというが、歩く百科事典のごとく色んなことを覚えていた。
テレビに動物がでると、ナレーションの前にその動物の弾丸トークで説明をした。

そんな長男は私の色んな価値観をことごとく破り。私に新しい価値観を与えてくれた。ムカつく事が多々あったが、その度に他人と思って接しよう、離れようと思った。

そんな長男は大学生になり、いま普通を装っているらしい。どこまで普通になりきれているのか、そもそも普通ってなんなのかというところもあるが遠い地で一人暮らし。元気に過ごしているようだ。親は子から離れるのがよいと思う。どうしても自分から生まれると自分の価値観を押し付けたくなる。そしてそんな時にはうまくいかないように思う。

子供は家族だけど、別人格。そんな違う価値観の子供たちそれぞれを尊重したい。


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