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まだ、LINE聞いてます? ~連絡先交換でわかるセンス、そしてD2CとTikTok~

こんにちは。TCOミカミ・リョーです。突然ですが、ナンパするとき(されるとき)連絡先って何を聞いてます?(聞かれてます?)もしかして、まだLINEですか? それ、もう古いかも。

いやいや、私の経験ではありませんよ。同じ業界にいる某A氏が、東京都港区西麻布のラウンジで働く女性から仕入れてきた話です。こうした「生きた使い方事例」の収集も大事です。教科書には載っていないので。

令和3年式「コミュニケーションの入り口はどのSNSだ?」をシミュレーションしてみた

誰がどのSNSをどんな風に使っているか、これは"現場"を知らないと語れません。例えば、この動画。見たことありますか?

LINEよりもInstagramはハードルが低い! いや、ガードが下がる! というか、このケースだと、Instagramはナンパしてきた相手とのコミュニケーションを許容できる距離感のツールなんですね。興味深いです。

といった事例をもとに先ほどのA氏と議論をしていたところ、「最近はTikTokのコミュニケーション利用の優先度が上がってきている」という話がポロリ。もちろん、A氏が西麻布から仕入れてきた情報です。

そこでA氏の知見をもとに連絡先交換(=ナンパ)のシミュレーションを重ねました。セオリーとしてフロー化したのが下図です。

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最初の一手、どのカードを切るかでセンスが問われますね。

つまりですね、注目すべきはTikTokなんです。いま、コミュニケーションの入り口はTikTokなんです。今の子たちは、TikTokが主流なんです。大事なことなので3回繰り返しました。

最近は「採用もTikTokで!」という企業が出てきたそうです。この流れは、D2Cのコミュニケーションを考える際も無視できません。そう、前置きが長くなりましたが、TikTokが今回のテーマです。

ミカミ的TikTok概論

そもそも、TikTokって何でしょうか? カンタンに言うと、15秒から1分ほどの動画を作成・投稿できるショートビデオプラットフォームです。現時点でTikTokに馴染みのない方でも「あー!うちの子が見てる見てる!」なんて人も多いかもしれません。TikTokがキッカケで楽曲人気に火が付いて、紅白歌合戦に初出場なんてニュースも記憶に新しいですね。まさにTikTok Dream。

投稿される動画は「ダンス」「口パク」「自撮り系」が定番です。まさにTikTokの代名詞ですね。最近では「フィットネス」や「楽器・歌」「料理・グルメ」などの実用的なジャンル、「アニメ・漫画」「エンタメ」といった娯楽ジャンル、ほかには「ペット」や「赤ちゃん」などの癒し系ジャンルも伸びを見せています。

また、TikTokは、ユーザーの閲覧履歴をもとに趣味嗜好にマッチした動画をレコメンド形式で表示してくれます。ツボにハマる動画との偶然の出会いは、なかなか心地よいものです。気づいたらかなりの時間が経過していた…… なんて経験がある人はいませんか? かくいう私のレコメンドフィードは、ゴルフ動画ばかり…… TikTokでの動画イメトレは完璧です(笑)

一般的にSNSではフィードのホームボタンがあります。TikTokの場合、ホームボタンが「レコメンド」なのです。このレコメンドから動画を"流し見"する人がほとんど。そうです、TikTokのホームは、動画との「偶然の出会い」を作る仕様になっているのです。

さらに、このレコメンドに広告が流れています。そもそも"流し見"しているユーザーが多いのもありますが、通常の投稿動画なのか? 広告の動画なのか? 見ている人にはその境目が曖昧です。企業からすれば、通常のコンテンツと同じように広告を見てもらえるプラットフォームと言えます。YouTubeだと、ザ・広告感が出てしまうので。

つまり、TikTokを戦略的に活用するうえで、レコメンドは大切な要素なのです。上に掲載した連絡先交換シミュレーションのフローで、初手は「TikTokを見せ合う」からでした。フォローによるフィードではなく、レコメンドによるフィードゆえに、アンコントローラブルだけども個性が出るわけです。「あ、こんなの出るんだ!」とか、「やっぱりそっち系だよね」とか、見せ合うことで会話も広がります。

で、そんなTikTokですが、私は、このプラットフォームを訪れるユーザーに「目的意識はさほどない」と考えています。明確な目的を持って訪れるより、「無目的」で、ちょっとしたスキマ時間に“流し見”するユーザーが多いのではないでしょうか。レコメンドに意識を委ねることで、無目的からの発見があり、新たな出会いからファンになり、結果としてフォローにつながる。D2CがTikTokをコミュニケーションに活用する場合、この流れは意識したほうがいいかもしれません。

では、D2Cに興味のある方には、ぜひチェックしてほしいTikTokの事例とTikTokerを紹介しましょう。

ミカミが厳選! TikTok活用事例ベスト5

↓こちらで紹介されている事例から、ミカミが注目した事例です。事例の説明も記事から引用しています。参考までに実際の動画もセットで紹介します。

企業のTikTok活用方法は?成功事例12選から学ぶ、利用するメリットと3つのポイント | PR TIMES MAGAZINE
https://prtimes.jp/magazine/tiktok-official-account/

第5位 ユニクロ「#UTPlayYourWorld」

@_funka_

UNIQLO × funka☁️私が着用したUTはミニーちゃんとペコちゃんです👧🏻❤︎ #UTPlayYourWorld #PR

♬ #UTPlayYourWorld - UNIQLO UT
「UT」がTikTokを活用して行ったのは、「#UTPlayYourWorld」というUTのグローバルインフルエンサーを選出するオーディションです。このキャンペーンは日本、アメリカ、フランス、台湾、中国の5カ国で開催。
オーディションへの応募はTikTokアプリから「#UTPlayYourWorld」の楽曲を選んで動画を撮影し、期間中にハッシュタグ「#UTPlayYourWorld」をつけて投稿するだけで完了です。世界中のユニクロファンやモデルを目指す人をターゲットとしたこのハッシュタグチャレンジは、2週間という短い期間にもかかわらず、動画投稿数が約20万件を超えました。

>ミカミのヒトコト
ダイレクトに商品の認知度を上げつつ売上に直結させる手法ではなく、インフルエンサーの選定というコンセプトが特徴です。目先の利益というよりは、次につながるようなマーケティング戦略ですね。

第4位 江崎グリコ「#ポッキー何本分体操」

期間中に「#ポッキー何本分体操」のハッシュタグをつけたTikTok動画を投稿すると、選ばれた動画が11月11日のポッキー&プリッツの日に渋谷にある街頭ビジョン「グリコビジョン渋谷」やポッキー公式Twitterアカウントで放映されるキャンペーン。
このキャンペーンは平成30年の11月6日から11月11日の間に行われたものですが、わずか5日間で投稿された動画はなんと2万3,600本。「#ポッキー何本分体操」のハッシュタグがついた動画の総視聴回数は2,730万回を記録しました。

>ミカミのヒトコト
アップテンポかつ耳に残りやすい楽曲が特徴ですね。振付けが指定されているわけではなく、表現に自分のカラーを出せるのも評価ポイントです。実際にポッキーを使用した動画を撮影しがちですが、中には自分の指をポッキーに見立てて投稿するコスパ重視のユーザーも。

第3位 ローソン「#いつでもLチキチャレンジ!」

ローソンの人気商品である「Lチキ」の音楽をTikTokに提供し、音楽に合わせて食べるというキャンペーンが、「#いつでもLチキチャレンジ!」です。
このキャンペーンでは、景品が当たるなどの特典はありませんでしたが、指をLの形にして踊る「Lチキハンドサイン」が簡単で可愛いことが女子高生の間で話題となり、商品の購入にも繋がりました。

>ミカミのヒトコト
Lチキタイム♪ ワン・ツー・スリー♪ ものすごく耳に残りますね。なんならこのnoteを執筆しながら口ずさんでいる自分がいます。エブリバーディーチキチキLチキ♪ パクッ♪

第2位 ワイモバイル「#と思いきやダンス」

「#と思いきやダンス」は、18歳以下を対象にした「ワイモバ学割」を訴求するためにワイモバイルが行ったテレビCMやYouTubeとTikTokを掛け合わせたキャンペーンです。TikTokで「#と思いきやダンス」動画を投稿した人の中から1名に、テレビCM出演権をプレゼントするというキャンペーンを行いました。
テレビCMでは吉岡里帆さんや芦田愛菜さんなど、若者に人気のある芸能人を起用することでTikTokのキャンペーンの存在を周知することに成功しました。キャンペーンが終わってからも動画投稿数が伸び続け、総視聴回数も1億回を超えるなど話題になったキャンペーンです。

>ミカミのヒトコト
エヴリバディ・ダンス・ナウ! そうです、評価ポイントは、私自身が元の楽曲に馴染みがある点です(笑)。また、ターゲット層がTikTokユーザー層とめちゃくちゃ合致している点も◎です。

第1位 日本マクドナルド「#ティロリチューン」

※こちらは現在、動画が再生できないようです。

日本マクドナルドの「#ティロリチューン」チャレンジは、マックフライポテトが揚がった時の”♪ティロリ ティロリ”という有名な音に合わせて、ダンスをしながら『500円バリューセット』を食べる様子を撮影する企画です。
このプロモーションの特徴は、インフルエンサーを起用したインフィード広告からハッシュタグチャレンジへ誘導した点です。その結果、期間内で投稿された動画は5万件、総再生数は1億回を突破し話題になりました。

>ミカミのヒトコト
マクドナルド店内で耳にしたことがある「ティロリ~ティロリ~」の音を楽曲に盛込みつつ、簡単な振付けも評価ポイント。TikTokに投稿するためには、バリューセットの購入が必要になるのもミソですね。

ミカミが注目! フォロー推奨TikTokerベスト5

続いて注目のTikTokerです。こちらはミカミの好みもかなり影響していますが。では第5位から見ていきましょう。

第5位 あーてぃん

@a_thin0815

タロー社長とデュエットしたかったのにでちなかったちーん

♬ 勝たんしか症候群 - Takayan
人気インフルエンサータロー社長の恋人。「あーたろカップル」としてTikTokをはじめYouTubeでも活動を行っている。https://vt.tiktok.com/ZSJk3PDjm/

>ミカミのヒトコト
どこか親近感が湧くナチュラル系TikTokerですね。笑顔が素敵です。

第4位 ふーりー(古澤りさ)

Abema TV大人気恋愛リアリティーショー「今日、好きになりました」に出演。ガーリーファッションが若い子から支持を得ているドーリーフェイス。
https://www.tiktok.com/@fuuuuu_ri?

>ミカミのヒトコト
泣きボクロフェチ日本代表としては高ポイントです。ガーリー系TikTokerですね。

第3位 しなこ

原宿の竹下通りで働く、原宿系クリエイター。独特なファッションやメイク、かわいいスイーツを美味しそうに食べる姿が人気。
https://www.tiktok.com/@ssshinako?

>ミカミのヒトコト
バズるスイーツ系投稿が多い印象です。原宿系TikToker。店舗の店員という親近感も◎。

第2位 タナカガ

YouTuber「パパラピーズ」で活動中のタナカガ。美人でツッコミが面白いと人気。K-pop系ダンスも得意。
https://www.tiktok.com/@tanakaga

>ミカミのヒトコト
YouTube「パパラピーズ」でお馴染みですね。端正な顔立ちとツッコミの面白さがいいですね。

第1位 なぐもふうか

コスメ・ファッション・美容に関する情報を発信。女性の悩みに寄り添ったダイエット動画が人気に。
https://vt.tiktok.com/ZSJyH7QAJ/

>ミカミのヒトコト
14kg太っていた自分をさらけ出しているところが好印象です。痩せたい願望を持つ女性たちに勇気を与えてくれる存在でもありますね。

ミカミ的まとめ

TikTokの人気の理由は「受け入れやすさ」です。ハッシュタグチャレンジであれば、いかにして「自分もやってみよう」と思ってもらえるかどうか。これが鍵を握っています。

それが企業キャンペーンの場合、ユーザーマインドとしては、その企業を応援したい!という気持ちよりも、「音楽もかわいいし、振付けもカンタンだし、なによりキャンペーンに参加すれば注目度が高まるし、フォロワー数を増やすキッカケ(チャンス)になる!」と捉えているのかもしれません。ムダを極力省きたいという最近の若者の思想にマッチしたプラットフォームなのかもしれませんね。

いずれにせよ、TikTokがめちゃくちゃアツイのは間違いありません。これからも、さまざまな企業やメーカーがTikTokをプロモーションに取り入れていくでしょう。とくに10代~20代への支持が圧倒的に強いプラットフォームであることは、とても大事です。

D2Cにおいても、いかに動画を通じて、嫌味なくブランドや商品の認知を高めていけるか、いかにユーザーやTikTokerにエバンジェリスト(伝道者)として参加してもらえるか、といった視点が重要ですね。

とはいえ、これまでもさまざまなSNSが流行と没落を繰り返してきました。当然のことながら、TikTokが未来永劫、若者に対して絶対的なポジションを保持し続けるのは難しいかもしれません。常に、誰がどのSNSをどんな風に使っているか、アンテナを張っておきましょう。

そうそう、冒頭のコミュニケーション論(ここまで読んでいただければ、単なるナンパの話でないことはご理解いただけましたよねw)において、TikTokの有用性を紹介しました。

“TikTokには偶然の出会いがある”

TikTokのレコメンドフィードによる偶然の出会いが演出する、誰かとの偶然の出会い。その偶然を「必然」に変えられるかどうかは、みなさん次第です。教科書に載っていないスキルは現場で磨きましょう。

ではまたー。

ミカミ・リョー@ハッシュタグチャレンジ検証中




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