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子供向けの生成AIワークショップをやってみて|意識すべき重要なこと

こんにちは、トヨタコネクティッドAI統括部です。

8月6日、8日にトヨタコネクティッドのファミリーデーが名古屋(NIC)、御茶の水(GLIP)両拠点にて実施されました。

弊社のファミリーデーは、家族と一緒にオフィスを訪れ、職業見学や複数のセッションを体験できるイベントです。

その中で、AI統括部が生成AIを活用して未来のノリモノを創造する、子供向けワークショップを担当しました。

この記事では、どんな内容を行ったのか、どういう気づきがあったのかを紹介していきます!



0. なぜ実施したのか

普段、従業員の方々に研修を実施する私たちがどうして子供向けにワークショップを実施しようとおもったのでしょうか?

いくつか理由はあります。

まずは、子供たちに生成AIについて正しく知ってもらい新しいテクノロジーを体験することで楽しんでほしかったんです。(正直、自分が子供の頃にこんなのあったらハマってたと思います。レゴとか好きだった身としては…!)

そしてもう1つ大切なポイント。社員のみなさんに生成AIをもっと身近に感じてもらいたかったんです。
実は、私たちAI統括部では既に1000名以上を対象に生成AI全社研修を行っています。

でも、業務での活用だけじゃなくて、違う角度からも生成AIに触れる機会から興味をもってもらってもいいじゃないかと考えました。


そう、今回のイベントは、従業員とAIの接点を増やす絶好のチャンス。
普段の仕事とは全然違う視点で、AIの可能性を感じてもらうのが目的です。

それに、ちょっと策略めいてるかもしれませんが…(笑)
子供が興味を持つと、親も自然と興味を持つんですよね。




1. ワークショップについて

ということで早速、実際にどんなワークショップを行ったのか、紹介していきます!

1.1 対象

トヨタコネクティッドで働く社員の家族、特に子供たち向けのイベントとして実施しました。

実際には、3~18歳までと幅広い年齢層の子供たちが参加し、(1グループごとに15名前後の子供たち+ご両親)
子供1名につき1台ずつのノートPCで生成AIに触れていただきました。

1.2 全体の流れ

テーマは「ミライのノリモノをつくろう!」
大まかな流れは以下です。

  1. AIってなんだ?

  2. AIで画像をつくってみる

  3. AIで画像を動画にしてみる

  4. みんなのつくった動画をつなげてみる

1.3 AIってなんだろう?

まずはじめに、「AIってなんだろう?」ということについて知ってもらう説明を行いました。

実際、参加してくれた子供たちのほとんど、95%以上は「AIを触るのがはじめて」でした。(逆にもう触っている子たちがいるのにもビックリしました!)

1.4 AIを提供する側の責任と意識

もしかすると、多くの子供たちにとって、「この先、生成AIが当たり前になるかもしれない人生」において、はじめて生成AIを触れる機会になるかもしれない。

その責任感を土台に、生成AIって面白い!こんなことができる!という側面の裏にある、生成AIの特性やリスク、やってはいけないこともしっかりと伝える設計を行いました。

1.5 AIで画像をつくってみる

https://www.midjourney.com/home

画像生成はMidjourneyのnijiモードを利用しました。
日本語によるプロンプト入力が可能であり、英語翻訳をAIにお願いするなどフローを最小化することができることに期待しました。

(本当は音声認識で子供たちがPC(AI)にしゃべりかける、が一番理想でしたが環境面で断念…!)

結果的に、合計2日間のイベントで840枚ほどの画像が生成されました!

※子供が本ワークショップ内で生成AIツールを利用することに関して、不確実性やリスクを含む注意事項および各利用サービスの利用規約等を事前に、保護者には提示し同意書をいただいております。保護者の監督下での操作を厳守しています。

1.6 AIで画像を動かしてみる

https://runwayml.com/

画像を動かす i2v(Image to Video)にはRunwayを利用しました。

気に入った画像を簡単に動かすことができ、急に人物が消えてしまう破綻とも「なんだこれ!消えちゃった!」と楽しく向き合ったり、どうしたら自分の思い通りにAIが動くか参加者に問を投げかけることで、楽しくご両親と一緒に挑戦する姿が見られました。

1.7 みんなの動画をつなげてみる

現場でAI統括部がみんなの作品を編集でつなげ、ひとつの長い動画に。
それを最後みんなで鑑賞して終了、という流れでした。

自分の動画が流れたり、他の人のかっこいい・かわいい作品に声があがるなど、子供たちのリアクションが嬉しかったですね!

1.8 運営陣の紹介

ちなみに、運営は広報とAI統括部で連携する形でワークショップを実施しました。

AI統括部からは、4名が現場で1人あたり約4~5名の子供たちのサポートを行いながら、進行しました。

大人向けの生成AIワークショップなどでは、10~20名程度を1人で見ることも可能ですが、やはり子供たち向けとなると、1人あたり担当する人数が少なければ少ないほど良いと感じました。

ひとつ補助をしてあげるだけで、一気に手が動き始めたり、分からなかったことがひとつ分かるだけで次はこうしてみようと挑戦が始まったり、「子供 × 新しいテクノロジー」のイベントは、適切で細やかなサポートが満足度に直結すると改めて体感しました。



2. 気づき

今回、実施したわたしたち側が子供たちに気づかされることがたくさんありました。

その中の特に大きな気づきについて、今後子供向けのワークショップを行う大人たちに向けて、共有させてください。

2.1 創造性の活発化

子供たちは「モノ」を見ることで創造性が活発化する、ということを学びました。



🙅‍♂創造性を高めにくい流れ

  1. どういうミライのノリモノに乗りたいか想像してみよう

  2. やり方はこう!

  3. さあ、やってみよう

🙆‍♀創造性を高めやすい流れ

  1. まず、他のともだちが作った動画(画像)を見てみよう!

  2. 自分はどういうミライのノリモノに乗りたいか想像してみよう

  3. やり方はこう!

  4. さあ、やってみよう

グループが3つのセクションを回遊する形でのファミリーデーイベントだったのですが、その中で1グループ目の子たちの作品を初めに見せてから2グループ目の子たちのワークショップを開始したところ、飛躍的にアウトプットの数があがった体験から得た気づきでした。


2.2 わたしたちの責任

改めて、「AIと触れ合う機会を提供する側の責任と意識」は極めて重要だと再認識しました。

設計段階から重視していた内容でしたが、実際子供たちを目の当たりにして、生成AIとつなぐ役割をしてみて。

「子供たちの生成AIとのファーストコンタクトを、我々大人が決して軽率に扱うべきではない」

と強く感じました。
とても貴重な機会を担わせて頂いている、と。

「生成AIってつまらない」というネガティブな印象を抱かせず、「楽しい!すごい!」と思ってもらう、ということではなく(これも大事ですが)

ー 生成AIのリスクやルールをしっかりと伝えた上で触れて、楽しみ方をしる ー
そんな、AIのスタートラインに立ってほしい。実施前も、今もその気持ちでいます。

多くの子供たちにとっていい生成AIとの出会いになってますように!



3. アンケート結果

当日の参加者からのアンケートでは、たくさんの嬉しいご感想をいただきました。

  • 子供に今日一番何が楽しかった?と聞くとAIのお絵描きでした

  • AIワークショップは夏休みの宿題に活かせました

  • AI 研修講師はじめ、褒めて伸ばすことがとてもお上手で、大変楽しく過ごせました

  • 子供がAIに初めてふれてワクワクしている姿をみることができました

  • AIワークショップはいろいろ触れて結果がすぐ出るところは子供も喜んでいた

  • AIは最初抵抗があったようですが、自分の言葉が瞬時に絵になり動画になる体験が新鮮だったようです

などなど…

このような感想をいただけると、運営側として心から「やってよかった」と感じました。

子供たちにとって楽しいワークショップとなり、夏休みの思い出の一つになっていれば、わたしたちも嬉しく思います。


4. さいごに

わたしたち運営も、楽しかったです!
やはり対面のワークショップはいいですね…!

生成AIは一年後、二年後にはまた何段階も飛躍したすごい体験が出来るようになってると思います。

次回のAI統括部ワークショップにもご期待ください!

生成AIによる業務効率化や改善に興味がある方はぜひフォローいいねよろしくお願いします!


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