VRって何にも使われてないよね?

はじめに

Layer Xというブロックチェーンの会社を経営されている福島さんという方が、「ブロックチェーンって何にも使われてないよね?」というタイトルで、ブロックチェーンの実用例を紹介されていたnoteにインスパイアされて書いています。

VRですが、ブロックチェーンと似たところとして、「VRって結局流行ってないよね、何にも使われてないよね、誰も使ってないよね、いっぱいお金は投資されたけどまだきてないよね。」という話をされます。

でも実は、VRの実用ケースや、VRユーザーのコミュニティはかなり広がっています。今日は事実ベース/数字ベースで、その紹介をしたいと思います。


まずはB向けから。

【toB】VR研修 / トレーニング

<店舗>

大手スーパーマーケットのウォルマートは、VRデバイスOculus Goを17,000台導入し、従業員のVRトレーニングを行なっています。従業員100万人にトレーニングを提供する計画とのこと。

どういうトレーニングを行なっているかというと、大規模なセールの準備や、新しく店舗に導入される機材の利用方法などを事前にVRで体験しているようです。

「トレーニングを行った従業員のうち70%は、他のトレーニング方法を用いた従業員と比較して高いパフォーマンスを示した」ようで、効果が実証されているようです。

日本でも松屋フーズが全国1170店舗にて、VRトレーニングの導入を進めることを発表しています。


<スポーツ>

また、少し違ったトレーニングでは、スポーツのトレーニングにも、VRが活用されています。

アメリカのトップアメフトリーグNFLの複数のチームが、VRによるトレーニングを取り入れています。「実際の練習シーンを撮影してから360度動画として投影」し、「臨場感ある練習・視点を追体験することにより、自らの動きの検証を事細かに行」っているようです。

コーチも、「1週間に5分行うだけでも大きな価値がある」と評しており、効果が出ているようです。アメフトに限らず、バスケットボールやサッカーのトッププロリーグでも導入事例が広がっているようです。


【toB】VR不動産


不動産の内見にVRが活用されています。またこの領域はスタートアップ の活躍も目立ちます。

VR内見などの企業向けVRソリューションシステムを提供するナーブ社のシステムは、全国5399店舗に導入済みで、企業としても、すでに総額16億円の資金調達を実施しています。


スペースリー社のVRクラウドサービスは、不動産中心に2000社以上が活用しており、スタートアップとしても4億円の資金調達を実施しています。


【toB】VRエンタメ施設


東京近辺でVRが楽しめる主要スポットは、下記の記事に取り上げられているだけで、約10施設あります。

海外はもっと進んでいて、香港のVRスタートアップSad box VRは、ロサンゼルス、サンフランシスコ、バンクーバー、香港、ジャカルタ、マカオ、シンガポールに自社VRコンテンツを遊べる施設を展開し、本田圭佑やウィル・スミス、その他超有名ハリウッドセレブ複数人を含めた投資家から80億円の資金調達を実施しています。


さて、次はC向けです。「Bは進んでるけど、Cはまだだよね。」という人もいますが、Cも進んでいます。こちらも事実ベース/数字ベースで紹介します。

【toC】VRゲーム

ゲームといえば、まずはBeat Saberです。最も売れているVRリズムゲームです。100万本以上売れました。約2000円ですので、20億円以上の売上です。スタートアップだと、マザーズに上場できる数字感ではないでしょうか。

さらに、VRデバイスOculusを開発するFacebookが買収してしまいました。相当な規模の金額だったとの噂を聞いています。


Beat Saberだけではありません。VRシューティングゲームのSUPER HOT VRは、80万本以上の販売です。約2500円なので、こちらも20億円以上の売上です。

上記二つは海外タイトルですが、日本のタイトルも売れています。

日本のVRスタートアップMyDearestが開発するVRミステリーアドベンチャーゲーム「東京クロノス」は、時間帯の売上がSteam(ユーザー1億数千万人で世界最大規模のゲームプラットフォーム)のVRカテゴリにて世界1位になったようです。販売本数は非公開ですが、小さくないことが想像できます。

またこの作品は、クラウドファンディングで1800万円を集めたことも話題になりました。

また、gumiのグループ会社よむネコが開発する剣劇アクションVRゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」も、同ストアの同カテゴリで世界一位を獲得しています。

この作品は、ソードアートオンライン(SAO)のようなVRMMORPGの実現を目指すという、非常に野心的なプロジェクトになっています。


上記のように、リズムゲーム、シューティングゲーム、アドベンチャーゲーム、アクションゲームと、異なる複数のゲームジャンルのタイトルで、人気なVRゲームが生まれていることがわかります。


【toC】VRライブ


バーチャルユーチューバーのブームと合わせて、VRライブというものが行われるようになりました。

史上初のVRライブは、人気バーチャルタレントの輝夜月が、VRイベントプラットフォームcluster上で実施しました。VRチケットが発売開始後僅か10分で完売したため、映画館全国7都市15ヶ所にてライブビューイング会場が設けられ、5000人を動員しました。


また今年の夏には、「史上最大のバーチャルライブ」をうたった「Vサマ!」がVRライブプラットフォームVARK実施されました。こちらは、ミライアカリやYuniといった人気Vtuberに加えて、初音ミクが参加する、ということで話題を集めました。参加者数は公開されていません。


また、31億円を資金調達したSHOWROOMが、VR/ARライブプラットフォーム「SHOWSTAGE」の本格開始を発表しました。今後も、VRライブのさらなる広がりが期待されます。


【toC】VR SNS

最後にVRのSNSです。

VRChatという海外のVR SNSが300万ダウンロードを達成しました。2018年3月時点の数字なので、今はもっと伸びていると思います。

VRChatは、ユーザーが自分のアバターや空間のCGを持ち込んで、VRで他ユーザーと共有してコミュニケーションできるサービスです。

VRChat上で、日本のHIKKY社が行なっている即売会バーチャルマーケットは、70万人が参加したとされており、注目を集めています。

他にも、Rec RoomというVRのSNSは、100万インストールを達成しています。こちらは、マルチプレイでミニゲームを遊んだり、VR内でクラフトが楽しめるサービスになっています。


日本では、ambrというVR SNSがあり、自己紹介が遅れましたが、僕が代表を務めるスタートアップでこれを開発しています。

上でご紹介したVRChatがイノベーター/クリエイター向きなのに対して、ambrでは、これから広がっていくVRのライトユーザー向けに、日本から世界的なVR SNSを生み出すことをミッションにしています。


おわりに

このように、VRはファクト/数字として、B向けC向け問わずユースケースが広がっています。その辺りの数字感やイメージがあまり正しく理解されていないな〜と思ったので、このnoteを書いてみました。

あと最後に、数字感がどうとかとは関係なく、VRはおもしろいです。みんなが知らない間にすごいことが日々起きています。アンダーグラウンドな世界です。

楽しみ方/使い方もいろいろあります。以前に一回被ったことあるからだいたいわかってる、というのは多分勘違いです。その頃からでもだいぶ変わってる部分があると思います。VRぜひまた被ってみてください。

僕らが開発しているambrも、今少し改修中でアクセスストップしているのですが、2020年の上旬には誰でもアクセスできるようになります。

多くの方が、VRのおもしろさを感じれるようなものを目指していますので、もし興味を持っていただいたら、noteやTwitterのフォローなどぜひお願いします。

▼ambr Official SNS


また、複数の職種で採用も行なっているので、関心持っていただいた方はこちらもご覧ください。

▼ambr採用情報