元カノがLINEのトプ画を変えた

彼女は、友人でも親友でも、家族でも　
ましてや恋人であったわけでもない　

ただ、私と彼女が一緒にいた時間と、
それでも離れてしまった心というもののあり様が　
そうであってほしいと願うから
彼女は私の元カノだった

よく二人で大学近くのコメダに入り浸った
「しにたい」と口にしてしまうような彼女に
何度も「大好きだよ」と投げかけた
あの日々はただ、
ひたすらのエゴをなげつけることしかできなかった
いや、今も多分変わらないけどね

私がいないとだめだと思ってた
私が愛を与えることで、
彼女が生きてくれればいいと思ってた
そんな傲慢な私を、彼女が愛そうとしてくれるのもわかってた
けどそれは愛していると同義じゃない

彼女の「愛したい」という気持ちの裏には
「それでも愛せない」が見え隠れしていて
言葉の節々からそう思ってしまったから私は
彼女と同様に彼女を愛せなくなった
どうしたらいいかわからなくなった

私が彼女を愛したいのに愛せなくなった

もともと彼女は、私が彼女を愛してるという
ただそれだけで隣にいようとしていた
愛せなくなった私を見て、
もうやめようと思ったんだろう
やっと思ったんだろう

ずるい私は、彼女に決断させた
「何で私から離れないの」
「離れれば楽なのに」
いざ彼女がいなくなった
彼女はやっと幸せになるのかなと思った
まったく、別れた彼女への未練のような話
彼女の笑った顔は、とってもかわいかった

彼女の世界から私は消えたけど
私の世界から彼女は消えない

LINEの答えは返ってこない
もう意味なんてないけど、友達欄から消してない
定期的に変わる彼女のトプ画・ホーム画像は
罪悪感を感じながらクリック拡大する
ひとことを見て、悲しんでないかチェックして
LINEミュージックの歌詞を検索して
今どんな気持ちなの？って答えを探す
私のこと思い出したり…してればいいのに

あなたを傷つけた私のことを
ちょっと思い出して
会いたいと思ってくれてればいいのに

別れたくせに会いたくなってる
巷でよく聞く、ダメな元カレのようだと思う
ずっと好きでいてくれると思ってるのは男だけ
女はすぐ次に行って忘れるらしい
私は男ではないけれども
例に漏れず未練はたらたら

彼女のトプ画がまた変わった
美容室帰りの後ろ姿のようで
記憶の中の彼女より大人びていた
今の彼女はどんなふうに笑うんだろう

三日月型になるぱっちり二重の大きな目
あの頃と変わらないはずでしょう？
髪型は変わってもさ
ほら色っぽいその肩の形はそのままじゃんか

寝ればいやでも明日が来る、
このシステムに何度救われたことだろう。