見応えと歯ごたえ
昼下がりから友人と待ち合わせして、都内の展示を見て回った。梅雨が近づいている東京は低い雲が空を覆い、雨は降らないが湿気を帯びていた。風が吹くと少し肌寒い。
伊藤桂司・中原昌也「ROMANCE」(WISH LESS/田端)
白髪一雄展(Fergus Mccaffrey/表参道)
グループ展「CUT and PASTE -Term 1」(The blank gallery/原宿)
コラージュ、ペインティング、コラージュ。我ながら濃いセレクト。アングラや前衛芸術ばかりでなかなかのエネルギーを受け取り、嬉しい疲弊。天候も相まってか、なかなかにずしりときた。
(アナログ)コラージュは雑誌などの一部を切り貼りして作ることが多い。もともとの素材が小さいので、大体卓上に置けるくらいのサイズの作品に出来上がるが、細部の情報量が多い、たいてい。白髪さんは日本の前衛芸術全盛期の方だから、とにかく大きくてダイナミック。筆などの道具は使わず、全身でたっぷりの絵の具を紙上に踊らせていた。鑑賞するこちらも、どしっと全身で受け止める。手法としてはシンプルだけど、無意識に生まれる素材のディテールがまた素晴らしかった。
素材の大きさに限界があるコラージュ、作品は小さいが凝縮された見応えがある。ペインティングはキャンバスサイズが自由だが、大きいゆえにディテールが見えやすい。大味になってしまうリスクもある。それぞれの手法の一長一短がまた作品の味わいになっていて面白い。
三茶の來來來で皿うどん(細めん)をパリパリしながら、そんな振り返り。
本を買って、いろんな方に貸出もできればと思っています。