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衆院選を終えて

一晩明けて、「やるしかない」という心境。思ったより失望していない。現状を把握しきれてないだけかもしれない。

開票してみれば、政権交代なんてありえなければ野党共闘の議席も思ったより伸びなかった。というか、共産党ってこんなに議席少なかったんだと驚いた。そもそも今の議席配分を知らなかった。知っていたらもっと現実的な選択をしていたのかもしれないけど、今回は「政治に興味をもった」で十分な気がしている。今まで投票したことは何度もあるが本まで読んだのは初めてだったから、今年が自分の政治参加元年。ここから2022年7月の参院選に向けて、日常的に政治のことを考えていきたい。

自民が単独過半数を獲得したことを自分でも意外なほど、客観的に受け止めている。マイノリティに属していることも改めて確認した。自分を知った。失望している人を俯瞰しているのが、今の自分の立ち位置なようだ。

苦しみや辛さは耐えないにせよ、自分が自分らしくいられる場所に今いることは本当に幸せだと思う。ただ、それは自分だけが幸せという状態に近い気がする。親とも話していないことが象徴するように、マジョリティとは対話をせずに分断したままだ。なぜマジョリティの人々がそう思うのかをちゃんと聞いていない。深く考えていなかったり、現状に満足している人が多いのかもしれないけど、その推測すらマイノリティの人々の持論を鵜呑みにしているに過ぎないなと思う。情報の集め方がそうだから。

今まで何度か、90年代の考えを引きずったまま(この時代すら戦後の高度経済成長を引きずっている)の人間と一緒に働いて、精神を患ったことがある。ちょうど今年実質の解雇を言い渡されたのも、そういう人間にだった。そのときは相手の考えと自分の性質を切り離して考えることができて、別に自分だけがおかしいわけではないと状況を理解できたことで病まずに済んだし、単純に不当解雇に該当していたので正しく相当額を請求することができた(メールを送ることすら嫌で何度もフリーズしたけど)。一緒に働くことは断固拒否するが、彼らの思考の背景を読み取ったうえで、彼らが社会の中で能力を発揮する場面があることはわかる。自分にできないことができるから。

そうやって、自分の位置を変えないまま、相手の位置をはかる術を身につけるとちょっと見通しがよくなった気がする。たぶんこれは、趣味でいろんなものに興味を持ったおかげだ。そしたら書き仕事でもフラットさが加わったようで、「本人(当事者)から言えないような視点で良さや熱意を伝えられる文章を書いてほしい」と依頼をいただけるようになった。

仏教では「中道思考」というのがある。ざっくり言うと「ここだ」「これだ」と決めつけずに常に真ん中(ベスト)を探り続けて変化すること。これを自分の生き方の真ん中に置いておきたい。両端がどんな状態で、その平衡点はどこか。BUMP OF CHICKENは「なないろ」で「やじろべえみたいな正しさだ」と歌う。

傾き続ける政治で、社会で、真ん中はどこか。すべて自分の思い通りになったら、それはこちらに傾いている状態だ。それを肝に銘じておく11月1日。だからこそ失望だけではないと前を向ける。象徴ともいえる勝利だっていくつもあったのだから。

本を買って、いろんな方に貸出もできればと思っています。