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2020年1月の音楽(とか)のこと

去年末から人生で初めて毎日の日記をつけ出した。始めて1ヶ月にしてパラパラと振り返って読んでみると中々におもしろくていいものです。去年の12/30の僕はコンポタカルボナーラ (コンポタの粉末と生卵とゆで汁ちょっとを和えるだけで抜群に上手いコンポタ風味カルボナーラができる!!)を作ろうとしたらコショウが切れていたので、代わりに1年くらい前に沖縄で買ってきた原産の香辛料「ピパーチ」を決心し開封して使ってみたらしい。ちょっと甘みがついてるのは気になるが、充分コショウの役割は果たしてくれた「ピパーチ」。未だにソーキそば以外に「お前がファーストチョイスだ!」と自信をもって振りかけられる料理は分かっていない。


無印の文庫本ノートに書いています。マジで文庫本で可愛くて触り心地も最高、なのですが厚みがあって小さいため、工夫しないと結構書きづらいです。

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12月は年間ベストを書ききって更新の気力がなかったので年間ベスト以来ですね。あけましておめでとうございます。ちょっと変で、分かりにくいスタイルになったからか一昨年と比べて反響は減ったけど、嬉しい言葉もたくさんいただいた。なにより自分がとても気に入っているまとめになっています。

そういえば年間ベストをアップしてものの1分くらいで「青春ゾンビ」のヒコさんにツイッターをフォロー頂いたときは嬉しさと恐れ多さで思わずフリーズしました。こぼれ話。


新しく聴いた音楽

16:00~19:00というとんでも営業時間からこれまでチャンスの無かった吉祥寺BALL ROOM RECORD。年末初めて訪ねてみたらSSW系もそれ以外も大充実、一枚一枚の盤への解説も丁寧で、値段もお手頃でと素晴らしいレコード店でした。視聴してこれは!と思い購入したEllie Greenwich「Let It Be Written... Let It Be Sung」が素晴らしくて何回も聴いている。​

かの有名なロネッツ「Be My Baby」の作者ということは買ってから知りました。胸のすくような「アメリカンポップの神髄」と称したくなるソングライティングに、岡田拓郎(特にサポート時)のそれと近しいギターの音色や各パートの演奏も絶妙なちょうどよさがあって、とにかく何においてもバランス感覚が完璧な作品です。早くも今年の旧譜ベスト候補と言いたい。


アルゼンチンのピアニスト Juan Fermin Ferrarisの作品は聴いていたら確実に年間ベストにも入れていたでしょう。この1ヶ月繰り返し聴いていますが、毎回奇跡のように美しくて感動しています。ピアノのメロディだけですでに研ぎ澄まされた圧倒的な美しさがあって、時折重ねられるコンクレートが実にハートウォーミングでたまりません。



Polly NilesというSSWが70年代に残した未発表アルバムが去年丸ごとリイシュー 。日の目を浴びることになりました。Ellie Greenwichにも通ずるフォーキーなSSWを基盤にした良ポップアルバムです。The Bandなんかのカバーもいい。

ちょっと話題になっていたので、ふと聴いてみた家主というバンドも「家主のテーマ」や「p.u.n.k」という曲に一番好きなときのthe pillowsを感じて好きでした。久しぶりにパワーポップみたいのでグッときた。

Dirty Projectorsのライブ盤は独特の箱庭感があってかなり好きです。デイブが楽しそうに演奏している様子が思い浮かぶな。


新年明けてからいい新作が多くて予想以上に聴いています。一番好きなのはAndy Shauf。

ただただ美しいソングライティングもさることながら、リズムセクションも巧みで楽しいのが本当に最高ですね。比べるのもどうかと思うけど、Whitneyよりこっちでしょ!!というのを敢えて言いたい。某ライターの人も言ってましたが、字余り気味のメロディも手伝って思い浮かぶのはこの作品。

去年のVampire WeekendやそれこそWhitneyとか、ついポール・サイモンのことを思いながら聴いてしまう作品の多いことよ。「Still Crazy After All These Year」はいつ聴いても最高のアルバムです。「500 Ways to Leave Your Lover」のイントロ ― ヴァースは聴くたびに「世界で一番好きだな」と思う。なのにコーラスが何回聴いてもやっぱりそこまで好きではなくてちょっと興奮が落ち着くところまで愛おしい曲だなと思います。ボートラに入っているシングルの「Slip Slidin' Away」のデモもこれぞSSWの弾き語り!という感じで熱烈に好きです。ポール・サイモン、偉大だな。





他はここら辺の3枚が特によかった。60年代デビューのSSWがしっかり円熟の作品を2020年に作ってくれるというだけでグッときてしまうBill Fay。TortoiseのギタリストJeff Parkerのソロ。Mura Masaもずっと好きです。岡田拓郎の待望の歌ありポップス系の新曲も。今年あたりアルバム出てほしいところです。

そして、とんでもなすぎるGEZANの新作。もっともっと聴きこみたい。


直近はなぜか鈴木慶一とムーンライダーズ「火の玉ボーイ」ばかり聴いています。なんと最近初めて聴いたんですが、予想の数倍モダンな仕上がりに驚く。あ~1stのceroだ!と多くの人が10年近く前にやったやつを2020年にやっています。


ライブ

1/22 Bon Iver @ ZEPP TOKYO

念願が1つ叶ってしまった。Bon Iver。

重点的に演奏された4thの曲たち、ライブで聴けば印象変わるかなと思いましたが、やはりこの日特に心つかまれたのは1st 、3rdの曲でした。印象的だったのは、1stの「Creature Fear」や2ndの「Towers」といった比較的過去曲のヴァース部が元のメロディーでなく断片的なフレーズがポツポツ浮かんで消えるような歌い方に変更されていたこと。4thの曲にもかなりそういう継ぎはぎ的な要素が歌だけならむしろ3rdよりある気はしていたので、今のBon Iverのモードが自分の中でちょっとは明確になった気がしています。


その他雑記

年末にTOHO日比谷の先行上映でパラサイトを観た。半地下(便座の高さ!)、坂道、階段だらけの街、豪邸の地下室、テーブルの下、ベッドの下等々上下に(たまに横にも!)視界が揺さぶられる未だに印象的なショットの数々、素晴らしい映画でした。私が選ぶNo.1ショットはこれでしょうか。かっこよすぎだ…

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映画では大橋裕之原作の「音楽」も実によかったです。

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音楽演奏のシーンもどれも最高にかっこよかったんだけど、それ以外の平常のシーンでも、間の取り方にグルーブをビシビシ感じて、坂本慎太郎が主演声優という事実がなんだか腑に落ちてしまった。「古武術」と「古美術」ってバンド名からしてもう最高にキャッチ―で味わい深い。坂本慎太郎の「古美術~」の発声がめちゃくちゃ好きです。

エトガル・ケレット「突然ノックの音が」を読んだ。

ケレットの書く話に通底する「悲しさ」が大好きです。軽やかな筆致で心をグッシャグシャに揺さぶってくるような5ページ足らずの短編「喪の食事」に脱帽。


野木亜紀子脚本、「コタキ兄弟と四苦八苦」は4話まで毎週見ています。おもしろかったり、全然だったりその日見てみないと分からない感じですが、芳根京子が全秒最高ということだけは確か。カフェ店員としての話への介入具合がありがちっちゃありがちですが、絶妙で可愛い。


数週遅れで追っているスカーレットの安定のよさに救われている。噂を聞くに冬野ユミさんの音楽のさらなる本領発揮があるらしい、楽しみ。

どうぞお気軽にコメント等くださいね。