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学生が考える「持続可能なまち」は“ワクワク感”が指標に/『持続可能なまちプロジェクト(仮称)』進捗会議レポート

2024年6月10日、『持続可能なまちプロジェクト(仮称)』の学生研究員が集まり、進捗会議を実施し、本プロジェクトの本質について話し合いました。<前回のレポートはこちら

原点に立ち返った進捗会議。その様子を、ファシリテーターを務めた学生研究員の多田がお伝えします。

参加者紹介

※年齢・学年は会議当日現在

議題① 誰のために・何のためのプロジェクトなのか

多田:まずは、本プロジェクトの意義といっても差し支えない部分「何のために、誰のために行っているプロジェクトなのか」について話し合いましょう。
本プロジェクトの目的やゴールは、現時点で次のように決まっていますが、今一度、原点に戻り「何のために行っているのか」本質の部分を考えていきたいと思います。


〈目的〉
若者の意見を反映した魅力あるまちのイメージを落とし込んだ提言書をつくり、国や自治体に提案する
〈ゴール〉住み続けられるまちを創り出す


議題の「①誰のために・何のための」と、「②どこにどういう影響を与えたいのか」には、共通する部分もあると思うので、合わせて考えていきましょう。

村上:私は「ワクワク」の指標になるような提言書をつくりたいです。それは「こうありたい・なりたい」という軸のようなもので「このまちに住みたい!」と思ってもらえるような提案をしたいと考えています。
なぜなら、変化が目まぐるしい社会の中で「絶対に変わらないモノ=指標や軸」がないと変化についていけなくなると思っているからです。逆に「持続可能なまちはこれだ!」という指標があれば、色々なことが変わっていく世界でも、持続可能な社会が保てるのかなと考えました。

多田:なるほど、持続可能なまちをつくっていくために、そのまちに住む人にとって「ワクワク」や「期待」できるまちの指標を作りたいということですね。

村上:そうですね。そもそも、まちに住む人がいないと、持続可能にする必要・意味がないと思うので、そのまちに住む人を第一に考えなければならないと思います。

多田:たしかに、まちに、ヒトは必要不可欠な存在ですもんね。
私の場合は、まず個人をベースとして考えた際、“トラストバンクのインターン生”として、会社、社会のためにも役立つコンテンツを作りたいと思っています。その上で、社会をベースとすると、村上さんと同様に、これからの社会を担っていく人たちが、未来にワクワクできるような指標・提言書を提案したいです。

岡田:僕も、村上さんや多田さんと同じように、人々の「期待」を大切にしたいですね。提言書作成にあたっては「“こういうまち”だったらワクワクするね」「暮らしやすいよね」というように、一旦キーワードを出してみてスタートしてみるのはどうでしょうか。ブレストを重ねていき、最終的にはオリジナリティを持った、目指すまちのビジョンやフレーズを作っていければと思います。

多田:いいですね。村上さんも岡田さんも、指標や都市像といった、持続可能なまちの象徴や軸といったモノを作りたいということですね。

【結論】
■誰のために:そのまちを担う若者、そのまちに住む人
■何のために:次世代を担う若者にとって、「ここに住みたい」と思える都市像を定義するため。ワクワクの指標をつくる。

議題② どこに・どういった影響を与えたいのか

多田:先程の話と重複する部分があるので、ざっくりとお話していきたいと思います。目的として提言書を作る予定ではありますが、実際にこの提言書でどういう影響を誰に与えたいですか?
先程の話では「これからの社会を担っていく方(若者)が、まちをただ“住む”ための場所という考え方ではなく、“ワクワク”や“期待”できる場所という考え方に変化するような、指標(ビジョン)を作りたい」という結果になりました。

岡田:そうですね。次世代を担う若者に焦点をあててアプローチすることで、若者の行動の促進にもつなげたいと思っています。
村上:私も、若者にインパクトを与えられる提言書を目指したいです!提言書を見てくれた若い方々が、そんなまちを作るために行動する、という循環を創れれば。

多田:提言書を提示することで、次世代を担う若者の行動を促進させたり、期待を生んだり、そんなプラスのインパクトを与えていきたいですね。

【結論】
提言書で、”次世代を担う若者にとって”「ワクワク」や「期待」が生まれるまちの指標を提示し、プラスのインパクトを与えていきたい。

議題③ 私たちの目指すまちの方向性とは

多田:私たちが目指すまちは、「住むため」のものなのか、「訪れる」ためのものなのか、はたまたその両方なのかを話し合いたいと思います。

今までの話から考えると、「住み続けられるまち」への提言ということで、私たちの目指すまちは「住むため」のまちになると考えています。「訪れる」人がいるのも、そのまちに住んでいる人や文化があるからこその行動だと思うので、まずは「住むため」のものとして、「住む人」を第一に考えたいです。

村上:私も同じ意見です。また、内部の人たち(そのまちの住人たち)自身が自分のまちを魅力的に感じられれば、きっと発信・自慢したくなると思います。そういう気持ちがあれば、自然と内部の人が、外部の人(そのまち以外の住人)にアプローチをし始めて、外部の人はその魅力に気づき、その過程を通じて内部の人はよりそのまちに愛着を持つ……このサイクルによって、両側からそのまちの魅力度が上がっていくと考えます。そういう観点から、まずはそのまちに「住む人」のことを優先的に考えたいです。優先順位としては①が「住む」、②が「訪れる」に考えています。

多田:そうですね。住む人にとってワクワクできる・期待できるまちを形成することで、自分のまちに誇りをもてる→魅力を伝えたい気持ちが自然と生まれ外部の人にもアプローチ→外部の人がその地域に対しての魅力を感じる。のように積み重なっていくイメージですね。岡田さんはどうですか?

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岡田:住む人を前提にしないと、まちのことは議論できないので、「住む」ためのまちで考えていきたいです。人がお金を生んで、お金があるから人がやってきて……という循環が生まれると思うので「多くの人がそのまちに住み続けられる」というのを前提に考えるべきだと思います。
また、理想ベース(こんなまちに住みたい!ワクワクする!)と現実ベース(人口減少や一極集中などの社会課題)の両方で考えていきたいです。

多田:現実ベースと理想ベースの両側面から考えることで、私たちならではの提言書につながりますね。三人とも「住む」が大前提で、自然と「訪れる」にもアプローチできるという考え方ですね!

【結論】
私たちの目指すまちは、「住む」人を第一に、そして自然と「訪れる」人がうまれるまち。
そのまちに「住む人」がいるからこそ、まちを持続させていく必要がある!

【参考事例】「若者に焦点を当てたまちづくり」をしている自治体

若者が「ここに住みたい」「ワクワクできると思えるまち」とは具体的にはどういうまちを指すのでしょうか。実際に、若者に焦点を当ててまちづくりを行っていると感じた自治体の取り組みをご紹介いたします。

①新潟県燕市:次世代を担う若者が集いアイデアを創発!「つばめ若者会議」

「日本一輝いているまち」を目指している新潟県燕市。“次世代を担う若者が集い、20年後の燕市のビジョンを描きながら、ビジョンに近づくためのアイデアを創発し、実際にアクションを起こしていく会議体”として、「つばめ若者会議」という活動を行っています。

つばめ若者会議webサイト https://tsubame-wakamono.com/

参加者は、燕市を楽しくしたいと思い、まちのために必要なこと、大切なことを創造し、主体的に動こうという気持ちを持った若者たち。
「理想とする燕市の将来像を実現するためのアイデア考案」、「若者のまちづくりに対する意識の醸成」、「若者同士の交流」を目的に活動しているそうです。(参考:つばめ若者会議webサイト
また、そんな「つばめ若者会議」メンバーが、”燕のしあわせのあり方”とそれを達成するためのアクションプランをまとめた「つばめの幸福論」の中には、若者が魅力を感じるまちとして「自分の強みを生かして、自己実現でき、自分らしく生きられるまち」(15ページ)と挙げられていました。

②茨城県日立市:若者視点での魅力発掘と発信に取り組む!「ひたち若者かがやき会議」

茨城県日立市では、「ひたち若者かがやき会議」という若者主体の組織が、まちの魅力発掘と発信に取り組んでいます。(このオフィシャルロゴも、茨城県出身で日立市に通学していたデザイナーさんが担当しています!)
「かがやくこと=”特別なことを実現するだけでなく、自分らしくいられること”」と定義し、学生から社会人まで様々なキャリアをもつコアメンバーと事務局で構成された2023年度の活動は”場づくりプロジェクト”と、”発信プロジェクト”の2つをメインに、座談会やイベントの開催、SNS運営や冊子の作成など精力的に行っていました。

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取り上げた2つの取り組みの共通点は、次世代を担う「若者が魅力を感じるまちづくり」を明言し、若者主体の活動を支援していること。若者自身がワクワクしながら、よりよいまちを目指すことで、まち全体に良いサイクルが生まれ、持続可能につながっていくと考えます。

私たちも、改めて、【”住む人”が「期待」や「ワクワク」であふれ、その期待が”訪れる人”に自然と伝わっていくまち】を目指していきたいと思います。

感想と今後のプロジェクト予定

今回の会議は、学生研究員全員でプロジェクトについて話し合い、方向性を定める貴重な時間になりました。今後も、提言書の完成に向けて、さまざまな企画を行っていく予定です。

具体的には、提言書の作成に必要な要素を調査し、外部の人々を巻き込んだ企画やイベントを行います。そのイベントを通じて、我々学生研究員以外の若者の皆様のご意見もどんどん反映させ、提言書のブラッシュアップを図っていきます。

みなさま、プロジェクトのゴールまで、引き続き見守っていただけると幸いです!

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