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フワちゃんTVとYoutube放送作家の時代


フワちゃんのYoutubeチャンネルで『フワちゃんに1日密着したら風呂も着替えも全部見せるねん』を見ました。モーニングルーティン系の動画はたくさんありますが、全裸で起床したり、鼻くそを処理したりとタイトルの通り全部見せる内容で最高でした。動画をみて、ふとフワちゃんの躍進を支えているのは誰だろうと思い調べると、Youtube放送作家という新しい時代の放送作家像が見えてきました。
 
コロナをきっかけとして昨年から芸能人のTV→Youtubeへのシフトが進んでいますが、今後、演者、視聴者だけでなく、それをサポートする放送作家のTV→Youtubeへのメディアシフトも進みそうに思います。
実は、芸能人の人気YoutubeチャンネルにはYoutube放送作家がサポートしてることが多いようで、白武ときおさん(『しもふりチューブ』、『ジュニア小藪フット』等)、谷田彰吾さん(『上原浩治の雑談魂』等)、関口ケントさん(『はなわチャンネル』等)を初めとして、多くのYoutube放送作家さんが活躍されてるようです。
彼らの多くは、元テレビマンだったり、演者としてTVで活躍していた方だったりして、TV関係者であるケースが多く、また、その多くは若く、エネルギーのある若手TVマンがどんどん、TVを飛び出してYoutubeの世界に来ているようです。そして、その彼らがYoutubeの世界で次々活躍していることで、Youtube放送作家という新しい時代の職業が形成されてきています。(必ずしもYoutube専業というわけではなく、TVの仕事も手掛けられているケースも多いようです)
 
フワちゃんのYoutubeチャンネルをサポートする長崎周成さんもその一人で、長崎さんは大学時代にカジナガサキというコンビ名でお笑い芸人として活動されており、『学生才能発掘バラエティ 学生HEROES!』にも出演されていたそうです。芸人を辞めた後、AD、放送作家等を経て、Youtuber事務所から仕事をもらったことをきっかけにYoutube放送作家になっています。Youtube放送作家として活動し始めたころ、当時芸人としてはあまり売れてなく方針を模索していたフワちゃんと出会ったそうです。その際に、フワちゃんの言語化は難しいけど「なんか面白い」要素がYoutubeでは活きるのではないかと思いタッグを組むに至ったようです。
当然のこととして、Youtubeが軌道に乗るまでは先行投資が必要になりますが、250万円ぐらい貸したりもしていたようです。また、Youtube動画を作る上でも、フワちゃんは編集に非常にこだわるようで、納期とのバランスの舵取りの難しさ等もありながら、フワちゃんの良さを活かしながら、上手くバランスを取って動画を作ってこられたようです。
これらのエピソードからも分かるようにお金も時間もかけて一心同体でここまでチャンネルを作ってきたのが伝わり、長崎さんも憧れるダウンタウン-高須光聖さんのような、TVの時代と同じ、演者-放送作家の関係性がメディアを変えて再現されているように感じました。そして、演者-放送作家の関係性がTVからYoutubeへメディアシフトしていく中で、Youtubeという新しいメディアを理解できる若さが強みとなっていくのではないかとYoutube放送作家の方々の活躍を見て思いました。
長崎さんの仕事への取組み方も若い世代ならではの感性が感じられ、Youtubeで重要となる動画のタイトルに対するこだわりにもその一端が表れているように思います。

他にもTwitterやYoutubeで急上昇ランキングを見て情報収集したり、人気Youtuber100組を選んでその特徴や再生数が一番伸びている動画を分析したりといったエピソードからも若い世代ならではの情報収集の仕方や、感性が感じられます。
 
Youtuberの世界も出演から編集まで「なんでも一人でやる」Youtuberの時代から、Youtuberの分業化が進んできていますが、芸能人というこれまでTVというメディアで演じることに徹してきた人たちがYoutubeというメディアに進出してきている中で、企画等において芸能人をサポートすることが出来るYoutube放送作家の活躍を目にする機会はますます増えていくのではないかとフワちゃんTVの面白さの裏側を探る中で感じました。彼らの手掛けるYoutubeチャンネルが今後ますます活躍していくことが楽しみです。
 
<参考文献>
Youtube放送作家を調べるにあたって、下記の本を参考にしました。
・『Youtube放送作家的思考』
・『YouTube放送作家 お笑い第7世代の仕掛け術』
・『メディアシフト YouTubeが「テレビ」になる日』

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