2024甲子園 準々決勝分析② 青森山田(青森)-滋賀学園(滋賀)

青森山田
勝ち上がり
2回戦 9-1長野日大 (長野)
3回戦 5-0 石橋 (栃木)

<チームの強み>
・気が抜けない打線
選抜ベスト8の実績、さらには中学時代から青森山田中で活躍したレベルの高い野手陣が揃う。本塁打を記録したリードオフマンの佐藤洸⑨、4番の原田③を筆頭に下位にも打率5割を超える菊池伊⑤など切れ目がない。どの打順の巡りでも点が取れるので、相手からしたら気が抜けるポイントがなくやりづらい。

・万全に近い状態で投入できるエース
投手の柱である最速152km/h右腕の関①を3回戦では温存し、中5日で準々決勝に投入できるのは非常に安心感がある。連戦だと疲労で球が上ずったりする危険はあるが、それがなさそう。加えて初戦では完投しており、選抜での経験もあることから、立ち上がりで慌てたりすることもなく落ち着いて試合に入れそうなのはチームにとって+か。

<チームの不安要素>
・ちょっとだけ守備が甘いような?
特に3回戦の石橋戦で感じたが、内野安打を許す場面が他チームに比べると少し多く、守備の練度という意味で少しだけ不安感を感じた。初戦も3回戦も快勝だったためあまり気にするようなところではなかったのだろうが、準々決勝以降ではこれまでの相手とはチームの強度が違う、1つのミスが命取りになるので、しっかり切り替えられているかどうかに注目したい。

滋賀学園
勝ち上がり
1回戦 10-6 有田工 (佐賀)
2回戦 5-0 花巻東 (岩手)
3回戦 6-2 霞ヶ浦 (茨城)

<チームの強み>
・対応力の高さ
初戦と3回戦では相手の技巧派の左腕を攻略したと思えば、2回戦では150km/hの直球を投げる花巻東の本格派、小松を攻略した。このように対照的な投手でもしっかり対応でき、各打者の振りは鋭い。どんな投手が来ても対応して得点できるというのは大きな強みだろう。少なくとも0で抑えられるような姿は想像できない。

・二遊間の安定感とバントの上手さ
多胡④と岩井⑥を中心に内野守備には安定感があり、崩れない。また、3回戦で特に顕著だったが、大きく点差がついても確実に犠打を絡めて得点圏にランナーを進め、失敗がない。高校野球の基本である守備の安定感とバントの精度の両方を兼ね備えているのは大きな強みだろう。

<チームの不安要素>
・競った試合展開に慣れていないのがどう作用する?
県大会から甲子園まで、競った試合展開を経験せず全ての試合で完勝している。もちろんこれは凄いことなのだが、準々決勝以降は相手のレベルが何段階も上がる。そういった中で終盤の緊迫した場面に平常心でプレイできるか。点差があったとはいえ初戦と3回戦では9回に相手に見せ場を作られているので、終盤力という点で少し不安がある。

<展望予想>
実力は拮抗しており好ゲームが予想される。両チーム甲子園では特に苦戦していないが、滋賀学園としては関①を頭からとらえるのは難しそうなので、3巡目以降に持ち前の対応力を見せて複数得点を取りたい。滋賀学園の特徴としてはあまり継投を躊躇しないことがあるので、投手の代わりばなをとらえることを意識したい。そんな中で個人的には4-4くらいで終盤に突入すると予想している。終盤の競った展開は両チーム慣れておらず (青森山田のほうがその点は上か)、終盤、甲子園も一番熱くなる (いろんな意味で)状況においてどちらが高く集中力を保てるか…、極限の勝負になりそう。

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