#79 自然の流れに身を任せ、不必要なものを外に出す【アーユルヴェーダ】
おはようございます。インド嫁です。アーユルヴェーダを勉強したり、ブログを書いたり、イベントを運営したりしています。
最近はzoomを使った勉強会が本当に多くなりました。インドは電波が悪かったり停電がおきるなどいろいろ問題もありますが、自粛が続くなか唯一のコミュニケーションツールとなっている事はまちがいありません。
このブログにも何度か書いていますが、私のヨガのグルジでもあるコーシャルグルジの座学は本当にzoom越しでもその気迫が伝わります。
今は、自粛でほとんど家にいるので、アーユルヴェーダやヨガの本を読みまくっていてそれが本当に楽しいです。読書の夏になりそうです。
それでは、今日の質問にいってみましょう。
と頂きました。今日のテーマは 心と体のダイエットは同じ「不必要なものを外に出す」です。
まず、英語あるあるを一つ言いますと、普段よく使っている「ダイエット」は日本語としては痩せる(または痩せるなにか)として使われていますが、海外では「食習慣、食事法」などで使われます。
私も、普段話す時は、日本の感覚で話すようにしているので、ダイエットと使いますが、基本ドクターと話す時には気を付けるようにしています。言葉っておもしろいですね。
さて、質問者さんの回答はこちら。
夜に運動すると逆にドーシャを乱して毒素をためて太るって本当ですか?という質問に対しては、太るかどうかは年齢や代謝に関係するので一概に言えません。今日はアーユルヴェーダ的「やせる」を説明しますね。
ディナチャリヤという1日の過ごし方から見る古代の智慧
これからもずっと言い続けたいと思うのですが、アーユルヴェーダは、伝統医学です。私達は、まずそれを自覚しないといけません。そして日本の常識は西洋医学です。この2つはアプローチと考え方が本当に違うのです。アーユルヴェーダはいかに健康で幸せに生きていくかをぎゅっと集めた6000年前の普遍的学問です。
アーユルヴェーダの中に、ディナチャリヤという1日の生活習慣が書かれたものがあります。1日の中でそれぞれのドーシャが「増える」時間があり、それらは太陽の動きと連動しています。
私達の体は、何千年も前から自然(太陽や月)とはきってもきれない関係があります。そもそも時間というものも、太陽の動きで作りだした人間のルールなのです。
ヴァータが増える時間 2時-6時
カファが増える時間 6時から10時
ピッタが増える時間 10時から2時
これが24時間あるので、朝と夜、2回繰り返します。
やせよう、の前に太った原因を考える
夜に運動しても、逆にドーシャを乱して毒素を溜めて太るって本当ですか?という質問は、おそらくこのディナチャリヤのドーシャの流れに逆らっている、という所から来ているのではないかと思います。それにしてもちょっと説明が乱暴すぎますね(笑)
例えば、テレビやネットニュースでインドの怖い記事を読んで、事実を確かめる事なく(インドって怖い所なんだ)、(インドに行くのはやめよう)と思ってしまうのと一緒です。#ネットニュースお願いだからちゃんと書いて
アーユルヴェーダをちゃんと勉強したらこの意味をわかってもらえると思います。アーユルヴェーダは健康をいかに維持できるかを研究した予防医学です。なので、肥満にならないようにするためのノウハウと、肥満になった後の治療は書かれています。肥満はアーユルヴェーダでは病気に値するからです。
夜に運動すると言うことは、アーユルヴェーダ的には川の流れに逆らって進むような行為です。なぜなら、体の生理学的には夜は休むように作られているからです。又、運動の種類によっては、交感神経を高ぶらせてしまい、結果夜目が覚めてしまい、不眠による代謝低下につながると言うことで太る、という事もありえます。
私達はアーユルヴェーダに興味をもちつつ、現代社会の恩恵を捨てられません。24時間空いているコンビニやレストラン、夜遅くまで起きてTVやスマホで楽しみます。仕事もしなくてはいけません。
だから、体のバランスが崩れるのはしょうがありません。しかし、崩れているのに気付けたら、生活に支障がないうちに修正できます。これが人間の素晴らしい智慧です。アーユルヴェーダはそのためのものです。
あいにく、質問者さんはアーユルヴェーダ的に「病気」です。では、どうやって治療するかというと、まずは「生活習慣」と「食事」の見直しです。
アーユルヴェーダでは体のバランスが崩れると「病気」になります。肥満という病気になっている質問者さんは、体のバランスを崩している事をまず自覚しましょう。
ご自身が太り始めた頃からの食生活と日常生活を、振り返ってみてください。そして原因を突き止めましょう。もし、心あたりがないなら年齢による代謝の低下を疑ってください。
不必要なものを外にだす
代謝の低下や、消化が悪くなる、また単純に運動と食事のバランスが悪い場合は脂肪が増えていきます。筋肉がなくなるとそれを補おうとして脂肪が増えます。このあたりはサプタダハトゥという栄養のいきわたる順番についての部分です。
質問者さんは(運動が足りてないな)と思っているので、なんとか時間を見つけて運動をしようとしていたのに、「夜に運動するとドーシャを乱して体重が増える」と聞いて「えええ」となったのでしょう。
アーユルヴェーダ的にはダイエット法は存在しません。あったら私が知りたいです。でも、体のバランスがとれると「不必要なもの」は排出されやすくなります。これが「痩せる」につながります。
むくみが取れる、血流がよくなる、肌がつやつやしてくる、これらも不必要なものが排出されると起こる効果です。しかし、今ついている脂肪が取れるようになるには、体のバランスを取り戻しつつ、筋肉を増やします。
運動は朝の空腹時に、ヴァータの時間帯、つまり早朝6.7時ごろまでに終わらせるのが理想です。夕方のヴァータの時間は、体が疲れてくる時間帯なので、運動はストレッチやリラックスできるものがいいでしょう。
バランスが取れてくると排出されやすくなります。これは心も連動していて心のもやっと感は、運動して汗をかいたり、ヨガなどの集中を繰り返すと自然に排出されていきますよ。
世の中は情報という名の食べ物があふれてる
夜の運動のかわりに、避けたい行為として、夜(カファの時間帯)に食べ物を食べないようにするといいですよ。急激にやめると体がびっくりするので、1週間かけて1時間早めるとか、がいいですね。
習慣は意識でいくらでも変えられます。最近私も、毎朝5時半起きとか無理と思ってましたが、1か月ほどで慣れました。その代り眠いので早く寝ます。
習慣を変えるには、少なくても2週間毎日続ける事が必要です。それぐらい体には、時間がかかります。シャンプーの宣伝でも14日間試してみてください、というのがありますが、あれはきちんとした根拠があるんですね。
夜は、自分をいたわる時間に使ってください。体質を調べて、マッサージ、呼吸法、読書、ストレッチなどがいいですよ。テレビや電気製品はピッタとヴァータを上げてしまうので調子がわるいなと思ったら控えましょう。
まとめますと、質問者さんの夜に運動しても、逆にドーシャを乱して毒素を溜めて太るって本当ですか?は言葉は乱暴ですが、状況によってはありえます。でも、あくまでその人の体質をきちんと理解しないといけませんので、絶対はありません。ご了承ください。
良かったら無料の勉強会にご参加ください。申込みフォームはこちらです。
開催日: 2020年 7月 28日(火)
日本時間午後2時
インド時間午前10時半 約2時間
途中10分休憩あり
一部「アーユルヴェーダ基本概論 五元素について」
二部「ドーシャ別日常生活(Chapter 5改定)」
このブログでは、皆さんのご質問をアーユルヴェーダ的、インド的にお答えしてきます。お気軽にご質問ください。
それでは、素敵な一日がすごせますように。
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