あなたは「最後の晩餐」に何を選びますか? とりあえず今日は麻婆豆腐を作る。
1999年末に小学館を退社したとき、自分は(週刊誌)編集者には向いていないと思った。いわゆる世の中で話題になっているものに、ぼくはあまり興味がない。自分の関心ある部分と世の中がが重なることはごく稀だ。
今、行われているオリンピックについては、男子サッカーと女子サッカーを少し観ただけ。書き手としては独自の道を行くという強みにはなっているかもしれないが。
さて、さて。
ずっと以前、漫画家の弘兼憲史先生から「死ぬ前、最後の食事に何を選ぶか」と聞かれたことがある(弘兼先生はこういう遊びが大好きなのだ)。焼き鮭や卵かけご飯のような素朴な料理を想定していたのだろう、ぼくが「フェジョアーダか麻婆豆腐ですね」と即答すると、弘兼先生は困った顔をして「そんなの食べたら生き返ってしまうよね」と笑っていた。
それぐらい麻婆豆腐が好きだ。
FIFAランキングにおけるブラジル代表、アルゼンチン代表、フランス代表のように、ぼくの好きな料理ランキングの上位にいる。
20年以上前のdancyuに載っていたレシピをアレンジしたレシピがある。ブラジル、パラグアイ、フランスでも豆板醤などの食材を持ち込み、鍋を振ったものだ。
どの料理でも同じだが、ひき肉は「肉屋」で買うこと。粗挽きの方が食感がいい(フランスの市場では大きな肉切り包丁で細かく切ってもらった)。15分程度煮込むので、豆腐は木綿の方が向いている。ショウガとニンニクはチューブではなく生を使う。あとはいい豆板醤と辣油が入れば最高だ。山椒、豆鼓などもあればよりいい(今日はなし。中国や台湾を訪れたとき、調味料を買い込んだ。最近は池袋で調達できる)。
鉄の中華鍋で作ると雰囲気が出る。やはり旨い。
食後のデザートは、島根と東京の二拠点生活を送る写真家の七咲友梨さんから戴いた、彩雲堂の「満天」。出西窯の皿に青色が冴える。旨し。
昨日は丸八水産の濱口君がお土産に持たせてくれたイカを大雑把に切って、ご飯の上乗せて、ショウガと醤油をぶっかけた豪快イカ丼。こちらも最高。
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