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寄る辺ない夜

どくどく。心臓の音が早い。
最近、眠れなくて困っていた。夜になると緊張して、寝付けなくなる。悪夢や金縛りもひどい。

なんで緊張しているんだろう。自分のことながら、よくわからない。でも夜が更けるほど、もっと緊張してくる。

いちばん悲しいのは、新聞配達のバイクの音が聞こえた時だ。あの音が聞こえたら、もう眠るのは諦めた方がいい。1、2時間だけしか眠れないのなら、かえって眠った方が体がしんどい。

夜はこわい。ひとりぼっちで寄る辺なくて、暗いことばかり考えてしまう。もういっそのこと私ごと地球が滅びてしまえばいいような気がしてくる。だってこんなの不公平だ。私ばかり頑張っている。私ばかり不幸な気がする。

でも実際は幸福なんて普遍的なもので、むしろ些細なことを幸福と呼べるその余裕を幸福というのだろう。私には無理だ。劣等感がむくむく湧いてくる。

白色はきらいだ。黒色は好き。白色は責められている気分になるし、黒色は許されている気分になる。でも夜はきらいだ。ひとりぼっちで寂しくなる。

睡眠は幸福だ。意識があると苦しいから。朝の訪れは幸福だ。寂しい夜が終わるから。穏やかな死は幸福だ。悲しい人生が終わるから。

それでいいのかな。わかんないや。ねむい。ねむくない。よるはこわい。ひとりはさびしい。くるしくてつらい。

もうだめだ。がんばって眠る。

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